車両型式
クルマの認証制度において、国が認可または認定するクルマの単位で、クルマの型を分類するために付けられる識別記号。さまざまな種類、形式のクルマの型式を区別する事項が通達で規定されている。おもなものは種別(普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型・小型特殊自動車など)、用途(乗用車、貨物車など)、車体形状、原動機、燃料、動力伝達装置などの種類、車枠、排出ガス規制レベルなどにより型式が区別される。またこれらの事項は新たに申請を行う場合、すでに認可または認定を受けたクルマと比較して、同一型式の範囲内にあるかどうかの判定のもとになる。なお同一型式の範囲内にあり、かつ基準諸元(長さ、幅、高さ、車両総重量など)のひとつが異なるときは、その諸元ごとに類別が設けられる。
参照 型式指定、同一型式判定要領、自動車認可制度、類別車両型式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 08:19 UTC 版)
1970年代までに開発された車種には3桁の数字が割り当てられ、モデルチェンジのたびに百の位を増やしていった。各型系初代の百位は「0」で、表記されないため2桁となる。車種の増加に伴い数字の重複が起こり、識別のためアルファベット1文字が付与される場合があった。 同一型系で、エンジン型式や排ガス規制年度に変更があり、新たに「型式指定」を受けた場合は一の位を増やしていく。 型系記号 なし - ダットサン乗用車(110、210型系)、ブルーバード(310 - 910型系)、バイオレット(710型系のみ) ダットサントラック(120 - 720型系) セドリック(30 - 430型系)、グロリア(230 - 430型系) プレジデント(150、250型系)、パトロール(4W60、60型系)、サファリ(160型系) A - キャブライト、グロリア(A30型系のみ)、マキシマ(A32型系 - )/セフィーロ(A31 - A33型系)、バイオレット/バイオレットオースター/オースター/スタンザ(A10型系のみ) B - ジュニア、サニー(B10 - B310、B11 - B15型系)、シルフィ(B17型系 - )、ラフェスタ(B30型系、B35型系)、セントラ(B11型系 -) C - スカイライン(C10 - C210型系)/ローレル(C30 - C230、C31 - C35型系)/ ステージア(C34型系) サニーキャブ/チェリーキャブ(C20型系)、 バネット(C120型系、C22型系)、 セレナ(C23型系 - ) キャブオール/クリッパー(C40 - C340型系)/エコー/シビリアン(GC240 - GC340型系) それぞれのグループはシャシ共用車、クリッパーはC340型系のみ ティーダ(C11型系 - )、ティーダラティオ(SC11型系) D - ダットサントラック(D21 - D22型系)/ テラノ(WD21型系) E - キャラバン/ホーミー(E20型系 - )、エルグランド(E50型系 - )、チェリー(E10型系のみ)、ノート(E11型系 - )/ヴァーサノート(E12型系)/ノート オーラ(FE13型系 -) F - キャブスター/ホーマー(F20 - F21型系)、チェリー(F10 - F11型系)、ジューク(F15型系 - )、 レパード(F30 - F31型系)、シーマ/プレジデント(F50型系)、アトラス(F22型系 - ) G - ブルーバードシルフィ(G10 - G11型系)、インフィニティQ45/プレジデント(G50型系)、マキシマ(G910型系) H - アトラス(H40型系 - ) J - デュアリス(KJ10型系)、マキシマ(J30型系)/ティアナ(J31 - J32型系)、スカイラインクロスオーバー(J50型系) K - マーチ(K10型系 - )、クルー(K30型系) L - アルティマ(L30型系 - )、ティアナ(L33型系) M - プレーリー/プレーリージョイ/プレーリーリバティ/リバティ(M10 - M12型系)/ステージア(M35型系) N - パルサー(N10 - N16型系)/ラングレー(N10 - N13型系)/リベルタビラ(N12 - N13型系)/アルメーラ(N15 - N18型系)/ヴァーサ(セダン)(N17 - N18型系)/ラティオ(N17型系)/サニー(中国・ミャンマー仕様)(N17型系)、ルネッサ(N30型系) P - プリメーラ(P10 - P12型系)、キックス(P15 - P16型系) R - プレセア(R10 - R11型系)、スカイライン(R30 - R34型系)、 GT-R(R35型系)、テラノ(R50型系) S - ダットサン・スポーツ/フェアレディ、フェアレディZ(S30、S130型系)、シルビア(S10 - S15型系) T - エクストレイル(T30型系 - )ローグ(T32型系 - )、バイオレットリベルタ/オースター/スタンザ(T11 - T12型系)、バイオレットリベルタはT11型系のみ U - ブルーバード(U11 - U14型系)、マキシマ(PU11型系)、プレサージュ (U30 - U31型系)/バサラ(JU30型系)、アルティマクーペ(U32型系) V - スカイライン(V35型系 - ) W - アベニール(W10 - W11型系) 、ラルゴ(W30型系のみ)、シビリアン(W40 - W41型系) Y - セドリック/グロリア(Y30 - Y34型系)、 レパード(JY32 - JY33型系)、シーマ(FPY31 - FY33型系、HGY51型系)、フーガ(Y50型系 - )、パトロール/サファリ(Y60型系 - ) Z - キューブ(Z10 - Z12型系)、フェアレディZ(Z31型系 - )、ムラーノ(Z50型系 - ) モデルチェンジした際に最初のアルファベットが変わることがある(例:スカイラインは5代目まで「C」、6代目から10代目まで「R」、11代目以降は「V」と変化している。ただし、「R」代までシャシを共用するローレルは最後まで「C」であった)。 特徴記号 G - ロングホイールベース K - クーペ/ハードトップ/コーチ W - ステーションワゴン V - ライトバン 4W - 四輪駆動専用車 - 4W60 /Q4W70・4W70 エンジン識別記号 無印 - 基準排気量 P - 排気量拡大版、または高性能版 H - 「P」よりも排気量の大きいもの、または高性能なもの 型式10位の数字 ダットサン 1 - 小型乗用(小排気量) - 元プリンス自工製のスカイラインには2.0 Lエンジンの設定があったが、タクシーの乗車定員区分では小型(中型6名、小型5名)となり、「1」となった。これには、日産がプリンスを吸収合併したため、元プリンスの小型車を上位にしたくなかった、という「噂」もあった。 2 - 小型貨物(小排気量) - サニーはトラックのみが「2」、セレナはバネットコーチ時代の名残で「2」。 ニッサン 3 - 小型・普通乗用(中排気量) - 従来「1」であったスカイラインは1981年のR30型系から「3」へ変更。 4 - 小型・普通貨物(中排気量) - エコー / シビリアンはキャブオールシャシのため「4」。 5 - 普通乗用(大排気量) 6 - 普通商用(大排気量) - サファリには乗用登録モデル(3ナンバー)あり。 7 - 大型乗用車(戦前) - ニッサン・乗用車、中型貨物。戦後はQ4W70型系とその民生版のキャリアー(普通貨物登録)に付番。 8 - 大型貨物 - 日デとの提携後、780型系を最後に廃止(1976年)。日デとは異なり、ガソリンエンジン車も設定。戦前製の大型車なみの大きさとなった中型3.5 t積トラックのC80型系にも付番。 9 - 大型バス - 同じく690型系を最後に廃止(1972年)。トラックシャシ流用の場合は「8」。日デとは異なり、ガソリンエンジン車も設定。 基本的には奇数が乗用系、偶数が貨物およびバス等業務系。現在でも型式10位の付番法則は踏襲されている。 1980年発表のE23型系キャラバン/ホーミー、F30型系レパード、C31型系ローレル以降はアルファベット1文字に2桁の数字を合わせ、モデルチェンジの度に一の位を変えることになった。そのため、同一車種でエンジン・車体形状などの変更、シャーシを共有した異なる車種の場合は、型式名の前(排ガス記号・ハイフンの後)にアルファベットが加えられている。これは車両によってバラバラだが(プラットフォームを共有する車種間で文字の意味が揃えられていることはある)、下記の仕様については共通のアルファベットが割り当てられる。 A - エアサスペンション B - ディレイ制御式スーパーHICAS(Y32型セドリック/グロリアのグランツーリスモアルティマ/同タイプX、JY32型レパードJ・フェリータイプX、Y33型セドリック/グロリア/レパードの電動スーパーHICAS装着車) C - HICAS、スーパーHICAS D - 油圧アクティブサスペンション(FY32型シーマのリミテッドL系、FY33型シーマ41LX/同VIP) H - ハイブリッド、e-POWER(E12型ノートの4WD車、日本向けキックスを除く) S - e-POWER(E12型ノート/E13型ノート/ノート オーラの4WD車) N - 4WD T - 教習車 Y - パトロールカー 現行規定への変更後にモデルチェンジした車種で、上記のアルファベットが割当されていなかった場合、アルファベット割り当てた上で一の位を「0」(ブルーバードは「1」)から振り直した。アルファベットがある車種は、流用した上で「1」から開始している(サニー:B11 - 、ローレル:C31 - 、キャラバン/ホーミー:初代がE20→E21→E22のため、E23 - )が、スカイラインは「R」に変えて0から(R30)、フェアレディZは「Z」に変えて1(Z31)から始めるなど、特例も多い。 規定変更以後の新規車種は原則として「0」からとなっているが、ティアナ(J31)やティーダ(C11)、ノート(E11)のように既に使用された型式と重複する場合は「1」から振ることもある(前者はJ30型系マキシマ、中者はC10型系スカイライン、後者はE10型系チェリーが存在したため)。 レアケースとして、ジューク(型式:F15)や、マツダOEMのラフェスタハイウェイスター(社内型式:B35)、小型CUVのキックス(型式:P15)のように、「5」からスタートしている車種もある(前者は過去にF10、F11が2代目チェリーとして存在し、中者は初代・B30型系と、後者はプリメーラ(P10 - P12型系)と区別するため)。ラニア(藍鳥)は愛称が変わったものの、ブルーバード(藍鳥)の「系譜」を引き継いでいる(U14→U15)。2007年に登場したGT-Rも、スカイラインGT-Rの系譜を引き継いで連番(BNR34→R35)となっている。 ノートやノート オーラの場合、上記の法則通りに記述すると、通常、e-POWERの4WD車はHNE12(E12)、HNE13(E13)/HFNE13(E13オーラ)となるが、この車種に限っては、SNE12、SNE13/SFNE13となっている。(同じハイブリッドの4WD車でも、T32型エクストレイル・V37型スカイラインでは上記の法則通りそれぞれHNT32、HNV37となっている) マツダ・ボンゴのOEMに切り替えられたバネットは、3代目を「S20型系」(マツダ型式SS/SE)、4代目を「S21型系」(同SK)とする日産独自の社内呼称が与えられ、小型貨物としての「2」が受け継がれている。 軽自動車については、ベース車両(共同開発の場合は製造元の車両)に準じた型式のほかに社内型式が設定されるが(車検証に記載されるのは前者)、前者はベース車両のアルファベット(スズキ製)もしくは数字(三菱自動車工業製)の一部分が変わり、後者は「○(この部分にはアルファベットが入る)A0」からスタートして○A1、○A2・・・といった具合にモデルチェンジごとに数字部分が増えていく。例として、ベース車両であるスズキ・MRワゴン(初代)の「MF21S」に対してモコは「MG21S」ならびに社内型式「SA0型系」、MRワゴン(2代目)の「MF22S」に対してモコは「MG22S」ならびに社内型式「SA1」、MRワゴン(3代目)の「MF33S」に対してモコは「MG33S」ならびに社内型式「SA2」・・・という具合である。共同開発の場合も日産自体が生産していない限りは同様の法則で、製造元の三菱・eK(3代目)と三菱・eKスペースの「B11W」「B11A」に対してデイズとデイズルークスは「B21W」「B21A」ならびに社内型式「AA0型系」「BA0型系」・・・となる。 ただし、電気自動車であるリーフに限っては登録車でありながら上述の法則からはやや外れ、軽自動車の社内呼称型式に似た「ZE0」(初代)(=Zero Emission 0)→「ZE1」(2代目)が与えられている。 座間工場でノックダウン生産されていたフォルクスワーゲン・サンタナは、他の日産車と同じような「M30」という型式が与えられた。(日産自体が生産しているため、車検証に記載される型式も日産式となっている)
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