フラクチャリング
英語:fracturing
岩石を粉砕し、地層に亀裂(フラクチャー)を生じさせることで、石油や天然ガスなどの流路を確保し、収率を増加させる手法のこと。坑井刺激法の一つに含まれる。フラクチャリングは近年、シェールガスやシェールオイルの採取を実現する手法としての側面も重視されるようになった。
フラクチャリングの手法は19世紀から行われており、初期にはニトログリセリンなどを用いて単純に破砕する方法が行われていたが、のちに坑井の内部を高粘度の流体で満たし、そこに高圧をかけて破砕するという方法が確立された。生じた亀裂の中にプロパントとよばれる支持材を埋め込むことで、亀裂の閉塞を妨げ、流路を保存する仕組みになっている。また、坑井を酸で満たすことで、高圧だけでなく酸による岩石溶解の効果を期待する手法もあり、「アシッド・フラクチャリング」などと呼ばれている。
フラクチャリングは従来、実施コストが高く、効果の予測が不確実という欠点があった。しかし、坑井の表面積を大きくして効率性を高める「水平坑井」の掘削技術や、地下における水圧破砕の効果を観測できる「マイクロサイズミック」の技術が進歩したことに伴い、コストの減少が実現した。これによりシェールガス採取の採算性は飛躍的に向上し、「シェールガス革命」として言及されるまでになった。2007年には、世界のフラクチャリング市場の規模は128億円に達し、そのほとんどを米国とカナダが占めた。
関連サイト:
水圧破砕技術の歴史とインパクト - JOGMEC
すいあつはさい‐ほう〔‐ハフ〕【水圧破砕法】
水圧破砕法
フラクチャリング
【英】: fracturing
同義語: 水圧破砕法
坑井内に高い圧力を加えて採収層に割れ目(フラクチャー)を作り、その中に砂などの支持材を充填{じゅうてん}することによりその閉塞{へいそく}を防ぎ、採収層内に非常に浸透性の高いチャンネル(油・ガスの通り道)を形成することによって、生産性障害からの回復および低浸透率層の流動性改善を図り、生産能力を向上させることを目的とした坑井刺激法の一つである。 水圧破砕法ともいう。割れ目は地上から坑井内を通して高粘性流体を圧入することによって生成されるが、地層内の垂直および水平方向の応力分布の関係から、一般に深度がごく浅い所では水平方向に生成されやすく、油・ガス層の多くが存在する深い深度では垂直な割れ目が生成されやすい。フラクチャリングの効果を高めるためには、圧入流体および割れ目を保持する支持材の選定が極めて重要である。圧入流体は水ベース、油ベース、エマルジョンの各種のタイプが用いられるが、十分な割れ目を作りかつ支持材を運搬し得る大きな粘度を持つことが必要であり、いろいろな薬品を混入することにより、所定の性状を作り出している。支持材としては一般に砂が用いられるが、割れ目の閉そく圧に十分耐える強度を持ち、その部分の浸透率を高く保つため、球状かつ粒径がそろっていることが要求される。 |
水圧破砕法 Hydraulic Fracturing
水圧破砕法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 15:54 UTC 版)
水圧破砕法(すいあつはさいほう、英語: Hydraulic fracturing)は、地下の岩体に超高圧の水を注入して亀裂を生じさせる手法である。高温岩体地熱発電や、シェールガス・タイトオイル(シェールオイル)の採取に用いられている[1]。
- ^ すいあつはさい‐ほう〔‐ハフ〕【水圧破砕法】 デジタル大辞泉の解説
- ^ フラクチャリング流体 日立総合計画研究所
- ^ 大場紀章 「シェールガスの環境問題」の具体的な中身 地下水汚染やメタンガスの漏洩だけではない 日経ビジネス、2012年4月23日
- 1 水圧破砕法とは
- 2 水圧破砕法の概要
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