最終弁論とは? わかりやすく解説

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さいしゅう‐べんろん【最終弁論】

読み方:さいしゅうべんろん

刑事事件公判で、証拠調べ終わったあとになされる弁護人意見陳述


最終弁論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:35 UTC 版)

みどり荘事件」の記事における「最終弁論」の解説

1995年平成7年2月24日第26回公判開かれ1330分に弁護側の最終弁論が始まった弁論は「本件事件の特徴真犯人像」から始まり捜査段階第一審での輿掛の不利益供述任意性信用性102号室住民水音に関する証言信用性、輿掛の身体にあった傷の評価科警研毛髪鑑定三澤教授によるDNA鑑定証拠能力信用性などについて、安東徳田千野鈴木・荷宮・古田・岡邦彦の各弁護士が順に弁護側の主張述べていった。 弁論の結びとなる「結語」は徳田弁護士が行った。徳田弁護士は、第一審から弁護についた者として自ら担当願い出て誰にも相談することなく一人で「結語」を書き上げていた。その内容は、自らの第一審での弁護活動痛烈に自己批判するものであった原審第一回公判開かれたのは、昭和五十七年四月二十六日である。既に十三年の歳月経過した。 その第一回公判調書には、本件公訴事実対す弁護人意見次のように記載されている。「被告人犯行当時記憶がないということであり、検察官請求予定証拠では、本件の証明は不十分と思料されますし、有罪とは言えないと考えます。」 本弁論のため、本件証拠再検討進め過程原審弁護人らが何度この意見陳述悔悟苦渋をもって読み返したことであろうか。 これほど重大事件第一回公判期日迎えながら、私達には深い霧の中を彷徨う如き戸惑いがあった。その戸惑いは、被告人供述調書開示され、その異様さに直面した時から始まった。 ここには、新聞報道全面自供伝えられていたその「かけら」も認められなかった。「犯人自分違いない」との結論だけが強調され何一つとして具体的な犯行状況語られていないばかりか何の脈絡もなく突然「気がついたら二〇三号室にいた」との供述に始まる調書は、私達理解はるかに超えていた。 被告人がその不利益供述に至る過程で、三日以上にわたって絶食状態であったことを私達知らなかった。 その故に、その被告人対し連日十時間以上の取調べなされたことの過酷さ私達理解できていなかった。 指紋犯行現場遺留されていた等という虚偽事実突きつけられ、「科学の名に値しない毛髪鑑定結果告知とともに被告人がんじがらめ呪縛していたことを私達予想だにしていなかった。 母に合わせてくれと泣き崩れる被告人対し卑劣にもその「特別措置」の代償として、このような不利益供述強制されたのだということ私達は知るよしもなかった。 弁護人として、恥ずべきことに、私達供述調書へのその疑問を、被告人との会話の中で、被告人との人間関係樹立する過程解きほぐしていく努力全面的に怠ってしまった。報道されたところの被告人は「自閉症」との先入観が、私達自らの許し難い偏見故に私達からその努力萎えさせてしまったのであるその結果として、私達は、被告人との接見確保怠り原審審理迎えにあたって被告人対し、その強制され思い込み虚偽であることに気付かせる契機与えることができなかった。 被告人が、原審公判廷で「被害者部屋にいたことは覚えている」との不利益供述維持した責任一半まさしく私達にある。原審第十二回公判における被告人対す強引な誘導尋問含めて私達は、自らの弁護人としての基本姿勢誤り何度責め苛んできた。 本弁論における被告人不利益供述任意性に関する分析は、その苦渋悔悟謝罪所産である。 — みどり荘事件弁護団控訴審弁論要旨」 そして、裁判所に対して科警研毛髪鑑定三澤教授によるDNA鑑定といった「科学装った非科学的鑑定」を厳しく明確に批判した上で完全無罪判決求めて弁論締めくくった徳田弁護士弁論終えると、2時間にわたる弁護側の最終弁論を静かに聞いていた傍聴席から大きな拍手沸き起こった永松裁判長は、「静かにしなさい」と拍手制止した。そして、「こんな立派な弁論に対して失礼でしょう」と付け加えた続いて検察側の最終弁論が行われたが、傍聴していたノンフィクション作家小林道雄によれば、「弁護側が論破した問題点に対して聞くべき反論いささかもなかった」。 この公判控訴審結審し、判決公判6月30日指定された。

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最終弁論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:33 UTC 版)

別府3億円保険金殺人事件」の記事における「最終弁論」の解説

1984年昭和59年6月7日第16回公判弁護人による最終弁論が行われ、弁護人は江守鑑定堀内鑑定厳しく批判した。 江守鑑定は、フロントガラス人為的に割られたという予断をもって鑑定しているため、ハンマーダッシュボードの傷に明らかな矛盾生じているなどとし、「およそその道専門家による鑑定とはいえない」と信用性否定灰皿ハンマー最初一撃叩きだされたとしているが、「『その当時灰皿証拠として提出され灰皿打撃キズがないことを知っていれば、灰皿現状に合うように別の証言をしているのではないか』と考えるのは、弁護人思い過ごしだろうか」と江守教授鑑定人としての姿勢疑問呈したまた、堀内鑑定についても、科警研実験灰皿逸脱していないにもかかわらず新たな転落実験確認もせずに「着水衝撃ダッシュボードV字型にへこみ、その衝撃灰皿逸脱した」と鑑定しており、これも「被告人有罪予断として、鑑定結果の裏付け理屈は頭の中で観念的に考えたにすぎない」として信用性がないと主張した。 これらから、両鑑定人とも、一審判決厳しく批判した牧角三郎教授同じく予断排し誠実に証拠取捨選択して、事実認定積み上げ鑑定限界認識して、わかること、わからないことを明確にしながら事実真相究明するという姿勢欠けていた」と批判し、両鑑定は全く信用性が無いと断じた。そして、一審判決事実認定不備控訴審での鑑定によって補完されとは言えない以上、「疑わしきは罰せず」の原則則って無罪言い渡すべきと述べて最終弁論を終えた。 この公判福岡高裁における控訴審結審し、判決9月4日言い渡されることとなった

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最終弁論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 15:10 UTC 版)

メアリー・ベル事件」の記事における「最終弁論」の解説

12月13日ノーマ弁護人であるR・Pスミスは、陪審員向けて最終弁論を発表したスミスは、2人少女同時に裁判かけられているが、自身依頼人であるノーマ不利な物的証拠何も無いし、ノーマ不利に作用する唯一の証拠があるとすればメアリーによる告発言葉だけだ、と強調したスミス陪審員対し、「憤怒敵意感情を"抑制"して欲しい」「"この2人少女"のうち、どちらか一方犯した行為対し自分蒔いた種は自分で刈らせる、いう考え方一切払拭して欲しい」と哀願した続いてメアリー弁護人であるハーヴィー・ロブスンが最終弁論を発表した。ロブスンは、メアリー破綻した生い立ち機能不全状態の家族メアリー心の中描いている幻想現実のはざまに横たわる正体不明存在について説明した。 ロブスンはまた、デイヴィッド・ウェストベアリーの証言引き合い出した。ウェストベアリーは弁護側の代理として裁判先立ってメアリー数回面談しており、その中で、「メアリーは『精神発達の遅れ』に分類される深刻な人格障害苛まれており、これをもたらしたのは遺伝環境的要因である、という"確然たる見解"をまとめた。ウェストベアリーが主張したこの異常性は、「メアリー犯した行為対す責任は、事実上減殺される」というものであった。 ロブスンは、2人マーティン・ブラウンの殺害後に保育園侵入して残していった覚書引き合い出した。ロブスンはこの覚書について、2人行為が「子供じみた気まぐれ」であり、メアリーにおいては自分自身関心向けて欲しくて書いたのだということ証明するものだ、と明言した検察官のルドルフ・ライオンスは、最終弁論にて、この事件を「不気味異様」と表現しメアリーノーマより年下であるにもかかわらず明らかに優越的接し、「普通以下の知能である」と認めたノーマに対してスヴェンガーリ(「Svengali」。1894年小説『Trilby』に登場する悪意抱いて他人意のままに操る催眠術師)を彷彿とさせるような有無言わさぬ影響力」を行使した述べ次のように主張した。 「この少女は、ノーマよりも2歳2カ月年下であるにもかかわらず、より利口でずる賢く、より威圧的な人格であった、と私は推論する」 ライオンスは、メアリー警察裁判所吐いた数々の嘘についても述べメアリー反省示していない点や、人並外れた狡猾さについて説明した

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最終弁論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:18 UTC 版)

JT女性社員逆恨み殺人事件」の記事における「最終弁論」の解説

同年3月16日公判弁護人の最終弁論が行われ、第一審結審した。弁護側は「永山基準」を示した最高裁判例根拠に、殺害された被害者の数1人であることや、犯行は単純殺人で、強盗殺人のような利欲犯ではないこと、確定的な殺意はなかったことなどを主張。「ストーカーな行為の過程偶発的に引き起こされたもので、いわゆるお礼参り殺人”とは違う」として、無期懲役長期有期刑求めた。 また弁護人務めた石川弘は、「故人名誉に関することだが反論せざるを得ない」として、「深夜に偶然出会ったMと2人飲酒し、店を出てからも一緒に夜道歩いたのは被害者重大な落ち度だ」「その落ち度強姦事件直結しその後ストーカー的につきまとったMから10万円を要求され警察逮捕されたことを恨んだMから7年半後に刺し殺され羽目になった」という弁論行ったが、傍聴席から「ふざけるな」と声が上がった最終陳述で、Mは「自分歪んだ考えによる行動で、被害者及び遺族申し訳ないことをしてしまったと深くお詫びします」と述べたが、傍聴席から「本当にそう思っているんですか!」「それで謝っているつもりか!」という怒声上がった。これに対し裁判長山室困惑表情浮かべながらも、「もう一回発言した退廷させます残念ながら遺族の方でも」と注意していた。

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最終弁論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 10:09 UTC 版)

アルベルト・シュペーア」の記事における「最終弁論」の解説

8月31日の最終弁論でシュペーア次のように演説した。 「ヒトラー歴史上どのように位置づけられるのでしょうか。この裁判終わればドイツ国民は悲惨な状況作り出した人間として彼を非難し軽蔑するでしょう独裁政治についてはどうでしょうかドイツ国民はこれまでの出来事によって独裁政治を憎むようになるだけではなく、それを恐れるようになるでしょうドイツ国民のように進歩的教養があり洗練された国民がどうしてヒトラー悪魔的な支配力屈してしまったのでしょうか。それは現代通信手段ラジオ電話電信― のせいです。いまや指導者遠隔地にいる部下に独自の判断下させるための権限与える必要がなくなったのです。現代通信手段使えばヒトラーのような指導者が、自分いいなりになる集団通じて自分支配できるのです。ですから世界科学技術進歩すればするほど、個人の自由人々自治不可欠になるのです」「今回戦争無線制御ロケット音速近づく航空機標的自動探知する潜水艦魚雷原子爆弾現れ科学戦の起こる恐れのある中で終わりを告げました。今度のような戦争が再び起これば並みはずれロケット弾大陸間を飛び交う恐れあります10人ほどの要員によって発射されロケット弾核爆発ニューヨーク市にいる百万人を数秒で殺害するともできるうになるでしょう新たに大規模戦争起これば終戦時には人類文明全て滅んでいるかもしれません。ですから、この裁判将来そのような戦争起こらないようにするために貢献しなければならないのです。将来信じ国民決し滅びません。神よドイツ国民と西洋文明守りたまえ」。 傍聴席人々はこの演説感動しながら聞いていたという。

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