ディーエヌエー‐かんてい【DNA鑑定】
DNA鑑定(でぃーえぬえーかんてい)
骨、血液、皮膚、髪の毛などDNA(デオキシリボ核酸)が含まれるものであれば、たとえ微量でも塩基配列のパターンを分析することができる。個体によりそのパターンが異なる部分を比較することで、同一人物のDNAであるかどうかが分かる。
科学的に信頼できる手法として、主に犯罪捜査で使われる。しかし、別人であっても部位によっては配列のパターンが一致するという不具合もあり、鑑定結果は確率を出すに過ぎない。そこで、指紋や物的証拠など従来の捜査手法に加え、DNA鑑定で犯人の特定を確固たるものする。この鑑定法は、警察庁が開発し、1992年から全国的に導入されている。
DNAの鑑定結果を証拠として提出した刑事裁判は数多くあり、その証拠能力が最大の争点となっていた。中には、検察側と被告人側が相反する鑑定結果を証拠提出したものも含まれている。
ちなみに、ヒト以外に対してもDNA鑑定が行われることがある。例えば、コメの表示品種を有名ブランド米の品種と偽って出荷することを摘発するときに使われるケースがそうである。
(2000.07.20更新)
DNA鑑定
遺伝や核酸に関する反応や現象など: | DNA分枝点 DNA複製 DNA配列 DNA鑑定 F因子 RNA-DNA2重らせん RNAの二次構造 |
DNA型鑑定
(DNA鑑定 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 13:46 UTC 版)
DNA型鑑定(ディーエヌエーがたかんてい)とは、デオキシリボ核酸 (DNA) の多型部位を検査することで個人を識別するために行う鑑定である。犯罪捜査や、親子鑑定など血縁の鑑定に利用される。また、作物や家畜の品種鑑定、考古学にも応用されている。
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DNA鑑定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:35 UTC 版)
事件現場から採取された毛髪から輿掛と同一のDNA型が検出されたとする三澤教授によるDNA鑑定については、「長さ一五・六センチメートルもあるような本件遺留毛髪が被告人の毛髪であるとは到底考えられず」、実際の鑑定にあたった原田助教授も「現時点のレベルからみると、三澤鑑定書の鑑定結果は破綻していると言っても差し支えない旨自ら認めて」おり、「三澤鑑定書には、その信用性を是認することができず」「三澤鑑定書をもって、被告人と本件犯行とを結び付ける証拠とすることはできないと言わざるを得ない」として排した。
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DNA鑑定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 00:43 UTC 版)
DNAの反復領域の違いをもとに、血液その他から人物の特定などを行う。犯罪捜査や親子鑑定に利用される。
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DNA鑑定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 05:48 UTC 版)
アメリカのen:Defense_POW/MIA_Accounting_Agency(国防総省捕虜・行方不明者調査局)では戦争での行方不明者約82000人全てを特定し遺族に返すのが目的で、DNAをはじめ様々な方法で特定している。 日本では、2003年度から厚生労働省が、名前入りの遺留品が近くにあった遺骨に限り、遺骨と遺族のDNAを照合して血縁関係を調べる鑑定を始めた。2017年からは遺留品なしの遺骨に対しても沖縄県、硫黄島、タラワ環礁に限定して実施し4柱の身元が特定されたことから、2021年年度からは地域の限定をせずに遺族からの要望に応じて照合を開始することが発表された。
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DNA鑑定
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父のエフゲニー・ボトキンの遺骨がエカテリンブルク近郊の山で1991年に発掘された後、ボトキンの娘のマリーナ・ボトキナ・シュバイツアーのDNAは彼女の祖父を識別しやすくするために使用された。また、シュバイツアーは後年にアンナ・アンダーソンはアナスタシアでは無かったと証明するDNA鑑定の結果についての懐疑を表明している。
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DNA鑑定
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DNA鑑定は頬の内側の組織を口内から採取する方法により、2009年3月に行われた。裁判所の命令によって一切の報道が禁止されていたにも関わらず、3月26日にデイリー・ミラー紙が電子版で結果を報道。記事はすぐに削除されたが、他紙に引用される形で世界に拡散する。 鑑定によって父親と判明したのはAではなく、14歳の少年T(#騒動のはじまりの項でも発言)。少女がピルを飲んでいると思い込み、避妊をしないまま関係を持ったという。 結果、父親であることを受け入れ献身的に子供の世話をしていたAや、自分が父親だと主張してDNA鑑定を求めたRではなく、自分が父親でないことを願い、「彼女と関係を持ったのは、人生の中で一番の間違いだった」「正直、彼女を気に入ってなかった」とまで発言していたTが父親だと判明するという厳しい結果となった。 Aはこの結果に苦悩し、少女の側も、報じられたA以外の複数の少年との乱れた交遊が嘘や中傷などではないことを立証する結果に「この先ずっと侮辱される」と恐れ、騒動後一家揃って夜逃げ同然に引っ越し。ただしその後もAと少女とは連絡を取りあっているという。 その後の2011年、15歳になったAの母親は「当時Aは童貞だったし現在もそうだ。」と述べて、12歳で無防備なセックスをした少年という報道を否定したうえ、「少なくとも18歳までは童貞でいることを彼は望んでいる」と述べた(その後2014年にこれを翻す発言をしている。#その後の項参照。)。
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「DNA鑑定」の例文・使い方・用例・文例
- 政府は現在,サンプルのDNA鑑定を行っており,北朝鮮にさらなる証拠を要求していく予定だ。
- しかし,おもに帝(てい)京(きょう)大学で行われたDNA鑑定は,その遺骨はめぐみさんのものではなく,別人2人の遺骨であることを明らかにした。
- そのプロジェクトの一環として,土壌分析や木のDNA鑑定が行われる予定だ。
- 1991年のDNA鑑定の結果が菅家さんの有罪を立証すると言われていた。
- しかし,最近行われたDNA鑑定では菅家さんと被害者を結びつける結果は示されなかった。
- 調査チームは2年かけてそれらのミイラにDNA鑑定とコンピュータ断層撮影を行った。
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