変身譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 22:31 UTC 版)
「日本の文化における狐」の記事における「変身譚」の解説
人間を助ける役割を果たす狐の側面は、かつて狐が、農耕神信仰において重要な役割を果たしていたことの名残りであるといえ、江戸大窪百人町など、郊外にある野原に出没する特定の狐は名前をつけて呼ばれ、人間を化かすが、災害や変事を報らせることもあった。 岐阜県の老狐「ヤジロウギツネ」は、僧に化けて、高潔な人物の人柄を賞揚したという。群馬県の「コウアンギツネ」もこの類で、 白頭の翁となり、自ら128歳と述べ、常に仏説で人を教諭し、吉凶禍福や将来を予言した。千葉県飯高壇林の境内に住みついた「デンパチギツネ」も、若者に化けて勉学に勤しんでいる。 その他、静岡県の「オタケギツネ」は、大勢の人々に出す膳が足りない場合にお願いに行くと、膳をそろえてくれるといわれていた。岩手県九戸のアラズマイ平に棲む白狐は、村の子どもと仲がよく、一緒に遊んでいたという。また、鳥取県の御城山に祭られている「キョウゾウボウギツネ」は、城に仕え、江戸との間を2、3日で往復したと伝えられている。 しかし、農耕信仰がすたれるにつれ、狐が狡猾者として登場することも多くなり、『今昔物語』でも「高陽川の狐、女と変じて馬の尻に乗りし語」では、夕に若い女に化けた狐が、馬に乗った人に声をかけて乗せてもらうが、4、5町ばかり行ったところで狐になって「こうこう」と鳴いたとある。『行脚怪談袋』には、僧が団子を喰おうとする狐を杖で打ったら、翌日その狐が大名行列に化けて仕返しをしたという話がある。ほかにも『太平百物語』に、京都伏見の穀物問屋へ女がやって来て、桶を預けていった。ところがその桶の中から、大坂真田山の狐と名乗る大入道が現われて、この家の者が日ごろ自分の住まいに小便をして汚すと苦情を述べた。そこで主人は入道に詫びて、3日間赤飯と油ものを狐のすみかの穴に供えて許しを乞うたという。 狐は女に化けることが多いとされるが、これは狐が陰陽五行思想において土行、特に八卦では「艮」に割り当てられることから陰気の獣であるとされ、後世になって「狐は女に化けて陽の存在である男に近づくものである」という認識が定着してしまったためと考えられる。関西・中国地方で有名なのは「おさん狐」である。この狐は美女に化けて男女の仲を裂きにくる妖怪で、嫉妬深く男が手を焼くという話が多数残っている。狐が化けた女はよく見ると、闇夜でも着物の柄がはっきり見えるといわれていた。 妖怪の狐は九尾の狐など尾が分かれていることを特徴とすることがある。九尾の狐は『山海経』では、「その状は、狐の如くで九つの尾、その声は嬰児の様、よく人を喰う。食った者は邪気に襲われぬ」という。日本ではその正体が九尾の狐とされる玉藻前(たまものまえ)の物語が有名である。 アイヌにとっても、身近な生き物であるチロンヌㇷ゚(キタキツネ)は人間に災難などの予兆を伝える神獣、あるいは人間に化けて悪戯をするなど、ユーカラによって善悪様々な描かれかたをしている。人に化ける伝承もあり、狐が化けた人にサッチポㇿ(乾しイクラ)を食べさせれば、歯に粘り付いたイクラの粒を取ろうと口に手を入れているうちに正体を表すという。アイヌ語で「チ(我々が)ロンヌ(どっさり殺す)ㇷ゚(もの)」という名から、獲物として重要視されていたことが分かる。
※この「変身譚」の解説は、「日本の文化における狐」の解説の一部です。
「変身譚」を含む「日本の文化における狐」の記事については、「日本の文化における狐」の概要を参照ください。
変身譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 07:26 UTC 版)
その後、アルクマイオーンとカリロエーの息子アカルナーンとアムポテロスはペーゲウスに復讐したと言われている。オウィディウスやアポロドーロスによると、夫の死を知ったカリロエーは復讐心から子供たちが早く成長することをゼウス(ローマ神話のユーピテル)に願った。するとその願いは聞き届けられ、子供たちは突然大人になった。オウィディウスによると、ゼウスはアルクマイオーンの死の報復はすぐになされるべきと考えてカリロエーの願いを聞き入れた。オウィディウスはこの物語を戦場で老人から若者に若返ったイオラーオスの物語とともに語っている。
※この「変身譚」の解説は、「アカルナーン」の解説の一部です。
「変身譚」を含む「アカルナーン」の記事については、「アカルナーン」の概要を参照ください。
変身譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:52 UTC 版)
アポロドーロスはテューポーンに恐れをなした神々が動物に姿を変えてエジプトに逃亡したことについて触れているが、何人かの作家はこの伝承についてより具体的に語っている。オウィディウスによると、ゼウスは牡羊に、アポローンはカラスに、ディオニューソスは牡山羊に、アルテミスは猫に、ヘーラーは白い牝牛に、ヘルメースは朱鷺に変身した。 アントーニーヌス・リーベラーリスによると、アポローンは鷹に、ヘルメースはコウノトリに、アレースは魚に、アルテミスは猫に、ディオニューソスは牡山羊に、ヘーラクレースは小鹿に、ヘーパイストスは牡牛に、レートーはトガリネズミに変身した。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、パーン神 (Pan) は、恐慌のあまり上半身がヤギで下半身が魚に化けるという醜態をさらした。この恐慌ぶりの伝承が、panic (パニック)の由来といわれている[要出典]。
※この「変身譚」の解説は、「テューポーン」の解説の一部です。
「変身譚」を含む「テューポーン」の記事については、「テューポーン」の概要を参照ください。
変身譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 16:39 UTC 版)
いくつかの神話では、リュカーオーンは狼に変身したと伝えられている。パウサニアースはリュカーオーンが人間の赤子を殺してゼウス・リュカイオスを供犠すると、たちどころに狼に変身したと伝えている。さらにリュカーオーン以降も、ゼウス・リュカイオスを供犠した者は狼に変身し、狼に変身してから10年の間、人を襲わずにいた者は再び人間に戻ることができるが、人肉を食らった者は二度と人間に戻ることができないと伝えている。 オウィディウスによるとリュカーオーンは邪悪な人物で、ゼウスがリュカーオーンのもとを訪れた際に、本当に神であるか試そうとし、眠っているときに殺そうとした。あるいはモロッシアから送られてきた人質の男を殺して料理として出した。怒ったゼウスはすぐさまリュカーオーンの一族を雷で滅ぼし、逃げたリュカーオーンを狼に変えた。
※この「変身譚」の解説は、「リュカーオーン」の解説の一部です。
「変身譚」を含む「リュカーオーン」の記事については、「リュカーオーン」の概要を参照ください。
変身譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 18:48 UTC 版)
変身譚(へんしんたん)とは、人間が異性や、動物や植物などの人間以外のものに変身するという神話・物語・伝説などを指している。 その歴史は古く、古代ギリシアからヘレニズム、ローマ帝国時代にかけて多くの物語が作られており、オウィディウスの『変身物語』はその集大成であると言える。 近現代にも多く作られており、カフカの『変身』などが代表的。日本では中島敦の『山月記』が有名。 なお、異性への変身(TSF)は動物・植物・無生物への変身とは趣がまるで異なり、独特の分野となっている。それについては別項で取り扱う。 伝承において一般的な変身する動物は狼男、ヴァンパイア、東アジアのキツネ、北欧神話のロキまたはギリシャ神話のプローテウスの様な多数の神話の、神、女神、悪魔がいる。神にとってあらゆる動物や植物に変身することは普通のことであった。 人間から狼へ変身する狼男(リカントロープ)は有名だが、そのほかにも人から獣へ変身する生き物を指す言葉として獣人(セリアンスロープ)がある。英語ではリカントロープ(lycanthrope、変化を指してリカントロピー lycanthropy)のほうが多く用いられる。 英語において変身を指す言葉は、他にもmetamorph(変身全般)、skin-walker(ネイティブアメリカンの伝承や北欧神話に見られる、動物に変身する能力を持った人間)、mimic(擬態)などがある。接頭詞「were-」も「人間(man)」を意味する古語に由来し、ウェアウルフ(werewolf:人狼)などのように変身する存在を指す。 変身譚はほとんどの全ての文化にみられ、日常でよく目にする動物には、たいてい関係する変身譚がある。通常は、変身の対象になる動物は、物語が伝わっている地域に固有の生き物である。人間が他のものに変身する物語と同様に、動物が変身する物語も多く存在する。
※この「変身譚」の解説は、「変身」の解説の一部です。
「変身譚」を含む「変身」の記事については、「変身」の概要を参照ください。
「変身譚」の例文・使い方・用例・文例
- 変身譚のページへのリンク