レギュラーの犯罪者
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「サイコメトラーEIJI」の記事における「レギュラーの犯罪者」の解説
沢木 晃(さわき あきら) 「CASE2:時計じかけのリンゴ」の主犯であり、以降、物語を暗躍する本作の最大の敵。リンゴをトレードマークとする。志摩の大学時代の同級生。登場時は、爽やかで好感的な青年であったが、これは演技で本性は冷酷かつ凶悪。IQ200以上の超天才で心理学ほか広範な知識を有し、催眠術や人心掌握に長ける。自己の利益や興味のために犯罪計画を立案し実行し、罪の意識はまったく無いという。一方で志摩を手助けすることもあり、犯罪心理のプロとして助言を与えたり、自らが知っている事件の不明点を明かしたりする。 「CASE2」においては、幼少時に両親が離婚したことや、大学の恩師(志摩の恩師でもある)で実は実父であった若林十蔵との確執などが明かされるが、沢木自身は生まれつき罪悪感が無かったと言い、特に過去の出来事で異常な人格が形成されたなどの逸話はない。同編では時計や童謡「大きな古時計」が沢木の重要な要素として描写されるが、「CASE2」以降では特に描写されない。実は物語開始以前から最終章「CASE FINAL」で登場する警察内クーデター勢力に協力者として加担しており、赤樹宗一郎の死も、彼がサイコメトリー能力者であると判断して殺害を助言したことによるすべての黒幕であった。ゆえにサイコメトリー能力に対する防衛方法も熟知しており、「CASE2」において、心を読まれても当初は映児と志摩の捜査の目をくらませることができた。 「CASE2」では爆弾テロリスト集団「時計仕掛けのリンゴ」のリーダー「アップル」として事件を起こす。その真の狙いは金塊強奪であったが、最終的に映児と志摩に見破られ逮捕される。その後、「CASE3」では捜査に行き詰まった志摩に頼まれ、拘置所から犯人像について助言し、荒井の逮捕に繋がる。「CASE6」にて犯人の千堂牧師を利用して拘置所からの脱獄を果たし、「CASE9」や「CASE11」では、指名手配の身ながら志摩の前に姿を現し、「CASE3」と同じく捜査に行き詰まる彼女にヒントを出したり、彼女でも気づかなかった事件の真相を明かす。 「CASE14」は最終盤で実は事件の真の黒幕であったことが明かされる(「MELA」はリンゴの意)。志摩に対し「CASE11」で得た電磁波の地見の利用と、犯罪心理の実験(詳細は大清水宏の項を参照)だと説明するが、実は続く「CASE FINAL」での警察内クーデター勢力のための実験であった。「CASE FINAL」では有力な協力者として犯人グループを手助けする他、上記の赤城にまつわる過去などが明かされていく。最終的に失敗を見越して、一足早くアジトを脱するが、映児に憑依した赤樹の亡霊に行く手を阻まれる。自分の知識を超える現象に動揺し、映児を轢き殺そうとしたが、拳銃で胸を撃たれ、そのまま車ごと夜の海へと転落する。死亡したかに見えたが、最終話のラストで生きていることが示唆される。 第2部では「Break.14」で再登場し、生存がはっきりする。「Case.6」では志摩の求めに応じ、犯人のアリサの催眠治療を行う。また、「Case9」の最終盤において9Jの計画の出資者であったことが明かされる。 ドラマ版では1期に登場し、同シーズンでの黒幕となっている。羽根山を殺害し、恵美を巻き込むなどしたが、最終的には映児や志摩に敗れて転落死する。そのため、2期の原作エピソードで本来は沢木が関わる場面はすべて幾島に置き換えられている。 実相寺 碧(じっそうじ みどり) 「CASE6:ユダの黙示録」から登場。沢木が開催していたセミナーの受講生で彼の協力者。ユダ事件において沢木の脱獄を手伝うため、彼の計画に沿って映児よりも強力なサイコメトラーのフリをして志摩の捜査を撹乱する。最終的にはサイコメトラーという嘘はバレてしまうものの、沢木は無事に脱獄を果たし、以降、沢木が関わるいくつかの事件に、彼のパートナーとして登場する。最終エピソードとなる「罪と罰」にも登場するが、最終盤で同乗していた沢木が運転する車から落ち、以降は生死不明。 第2部では「Case9」の沢木の登場シーンにわずかに現れ、生きていたことが判明する。 ドラマ版では2期に登場し、幾島と行動を共にする。最期は用済みとしてあっさり殺されてしまう。 幾島 丈二(いくしま じょうじ) 「CASE8:屍の街」の黒幕で、以降、トオルを助けるために現れる食えない存在。アウトローな一匹狼の男で腕っぷしも強い。金と力を目的として犯罪を行う。相手に触れなくても思考を読むことができるなど、実は映児よりもはるかに強力なサイコメトリー能力を持ち、それを利用して人心の支配などを行う。戦闘でも相手の射線や撃つタイミングを読むことで拳銃を持ったプロを相手にナイフ1つで殺すなど、作中でも屈指の強さを誇る。 他者の思考が読めるがために、人の悪意を感じ続け、半ば達観した思想を持つ。それがゆえに、不良達のリーダーながら黒く染まっていないトオルの内面を高く評価し、気にかけている。その結果「CASE12:カンナビス」では彼の実兄・一馬が破滅するよう仕向け、「CASE FINAL:罪と罰」では捕まったトオルを助けに現れる。また、映児を自分以外の能力者として特別視しており、その能力が計画の邪魔になると知っていて安岡に排除させたのに、土壇場では彼の命を助けている(映児もまた幾島を殺す気にはなれなかったという)。 かつて中学時代のトオルを嗜め、彼に大きな影響を与えると共に、今も強く敬愛される。トオルが渋谷の不良たちを束ねる経緯においても活躍し、トオルを刺した狂犬・安岡を渋谷から叩き出す。その後、出国してコロンビアなどの裏社会で活動し、カンナビスから一目置かれる存在となる。そして南米産のコカインを日本に密輸入して一儲けを企んでいた。 「CASE8」の冒頭において安岡に刺された映児を助け、作中に登場する。当初はトオルの味方として行動するが、実は事件の黒幕であり、そもそも前もって安岡に映児を排除するように命令していた張本人であった。幾島としては本心からトオルを味方に引き込みたいと考えていたが、同時にトオルが乗らないことも理解しており、アジトに乗り込んできたトオルと一騎打ちの末に、相打ちで共に夜の海へと転落する。そしてトオルを助けると計画を諦め、再び出国する。 「CASE12」では一馬の狂言誘拐を知っていた上で、実行犯がカンナビスとなるように動き、後にカンナビスが一馬を粛清するように仕向ける。「CASE FINAL」では敵組織に捕まったトオルを助けるために敵アジトに現れる。 第2部では「Break.14」より登場する。「Break.18」からカンナビスと共に行動し、9Jの依頼を受けて彼の計画に必要な銃器や爆弾の手配を行い、第2部における一連の9Jの事件に間接的に関わる。「Break.22」では少年時代のエピソードが展開され、中東でのテロ事件に巻き込まれた外交官時代の牧原を助けていたことが明かされる。 ドラマ版では2期に登場し、同シーズンでの黒幕となっている。「カルロス」と名乗る。サイコメトリー能力は持つものの、設定は大きく変更されており、サイコメトリー能力は右手に限定されている他、IQ200以上の天才で人を操るほどの心理学のエキスパート、さらに部下に実相寺碧がいるなど、沢木を兼ねた役になっている。弟の幾島タケルと山で遭難した際に、一人分が生き残るだけの食料を巡って「兄を殺す」という弟の心の声を聞いてしまい、逆に弟を殺して生き延びたという過去を持つ。それによって人間不信となっており、日本でテロを起こそうとする。2期最終話において映児とのサイコメトリー対決にて、弟の真意が自分を助ける為であった事を知り、映児を助けた後、爆弾を持って沖まで泳ぎ、爆発と共に姿を消した(死亡は明示されていない)。 カンナビス 「CASE12:カンナビス」の敵役。世界的なプロの犯罪請負人。容姿麗しい美青年であり、普段は女装している。見かけは華奢な身体つきながら、ワイヤーで瞬く間にひしゃげるほどに人間の首を縊るなど異常な膂力を持ち、喧嘩慣れした映児に腹を殴られても逆に映児が痛がるほどに鍛え上げられた鉄のような腹筋など、異常な身体能力を持つ。後述する経歴から銃器の扱いのほか、明かりのない夜の山を難なく行動して標的を追い詰めるなど、作中屈指の戦闘能力を持つ。幾島とは交友があり、信頼している。 実は日本人で本名を「宏明(ひろあき)」と言う。商社マンの息子という裕福な少年であったが、家族(両親と妹)を乗せたセスナ機が運悪く南米ゲリラの支配地域に不時着し、目の前で両親は射殺され、自身は少年兵としてゲリラに教育される。過酷な運命と生活の中で凄腕の兵士となるが恨みは忘れておらず、18歳の誕生日に不意打ちとはいえ、単身でゲリラの本拠地アジトを襲撃し壊滅させる。その際、生き別れとなって自分と同じく少年兵として育てられた妹を火炎放射器で焼き殺しており、炎にトラウマがある。 大物政治家の息子・牧原一馬の誘拐を依頼され、来日する。トオルの妨害を物ともせず無事に依頼を果たすものの、これが一馬の狂言誘拐だと知って、プロの犯罪請負人としてのプライドを傷つけられたことから、報復を目論む(これらは実は旧知の幾島の思惑もあり、トオルのために一馬を殺そうと考えた)。厳重に警備された邸宅から一馬を誘き出させるなど搦め手も駆使し、追い込むものの、映児とトオルの妨害に遭う。予め得たサイコメトリーの情報から、炎がトラウマと知っていた映児によって現場に火が着けられるが、これによって逆に暴走してしまい、完全に手のつけられない状態となる。異常な戦闘能力で2人を凌駕するものの、精神が破綻する寸前で、そこに現れた幾島に拳銃で撃たれ、意識を失う。その場では幾島に射殺されたようにも見えたが、実は生きており(あくまで暴走を停止させるために幾島は撃った)、再び海外で活動しているシーンで編は終わる。 その後、第1部では登場しないものの、映児とトオルにとっての恐怖の存在としてたびたび名が挙がり、「カンナビス先生」とも呼ばれている。 第2部では「Break.14」より登場する。「Break.18」から幾島と共に行動し、9Jの依頼を受けて彼の計画に必要な銃器や爆弾の手配を行い、第2部における一連の9Jの事件に間接的に関わる。特に9Jの依頼を受け、牧野ら素人相手に軍事訓練を施す。 ドラマ版では、ゲリラだった過去の設定部分のみ一部を変更した上で幾島に流用されている。 9J 「Case9:ラスト・ドラゴン」の敵役で、第2部の「Case4」や掌編における黒幕。「リーグ」に次ぐ100人規模の渋谷の愚連隊「FSD」のリーダー。本名は九十九 条龍(つくも じょうりゅう)。龍をトレードマークとする。愚連隊を率いながらも不思議な雰囲気を持つ青年であり、相手の信頼を得たり、ほぼ洗脳に近い説得を行うなど、天性のカリスマを持つ。FSDはリーグのような集まりと違い、皆が9Jに絶対的な忠誠心を抱く親衛隊と評される。その能力に関して科学的には1/fゆらぎの声が理由と説明されるが、映児からは紫の龍が相手に乗り移るイメージが見え、9Jの影響下に置かれた人間には紫の靄が掛かっているように見えなど、何らかの不可思議な能力者であることが示唆される。 自らの体内には99匹の龍がおり、自分は100匹目の龍と考えている。また日本列島を龍に見立て、今の日本人たちを、日本という龍を蝕む存在と見なし、これらを一掃する計画として「SGDプロジェクト」を始動する。協力者である沢木によれば、様々な社会問題による燻りを敵意や殺意にまで育て上げ、現在の中東などの国で起こっている内戦を日本にもたらすのが目的だという。大衆扇動実験として興味をもった沢木から10億円を支援され、またその代金で幾島やカンナビスに依頼し、武器の輸入や部下たちの軍事訓練を行っていた。幾島からトオルの殺害を禁じられていたものの、計画上はトオルの殺害が重要だとし、「Case9」では執拗に彼の命を狙うほか、それ以前から、キイチローを洗脳するなどしてリーグへのダメージを与えていく。 まだ母親の体内にいた胎児の時に両親が背中に龍の入れ墨を彫った麻薬中毒者に襲われるという事件を受ける。この時、母は丸二日にわたって大量の覚醒剤を打たれながら昼夜問わず犯され、さらに最後は腹を割かれて、無理やり出生させられたのが条龍であった。そして自分を龍と見立てた男は条龍を「自分の子」や「龍の子」だと言って取り上げているところを射殺された。この時の胎児の記憶が後の人格形成に影響を与えたのではないかと志摩は推測している。条龍という名はその後、彼を引き取った養父母に偶然から名付けられたものであったが、その後、その養父母を小学生の時に平然と惨殺し、本来の両親の名字であった九十九に名字を復していた。 「Case4」より登場し、キイチローを洗脳した同編における真の黒幕だった。その後も掌編においてしばしば登場し、後の「Case9」における事件の準備が展開されていく(幾島からの武器の購入・カンナビスの軍事訓練・ヒカルの洗脳)。「Case9」ではまずヒカルにトオルを刺殺させようとし、その後も、拳銃を持った部下たちを使ってトオルを襲撃させ、命を狙う。また、やはり洗脳下に置いていたジェイソンからリーグの動向を把握するなど首尾よく勧めていく。第二段階としてマッキーらに命令して汚職政治家などの殺害を実行させ、これら一連の事件をリーグメンバーの犯行であるかのように偽装する。この中にはトオルの父・牧原もおり、一命を取り留めるも重傷を負う。最終的に大規模な暴動を起こさせようとしたが、映児とトオルの襲撃を受ける。トオルを洗脳して映児にぶつけるも、結局、映児に過去の記憶を読まれたことでトラウマをえぐられ、建設中のビルにロケット・ランチャーを打ち込むという無意味な行為を行って失敗に終わる。その後はそのまま姿を消してしまう。
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