テラフォーマー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 17:29 UTC 版)
地球からテラフォーミングのために火星に放ったゴキブリが異常進化した生物の総称。地球人は主に「ゴキブリ」と呼ぶ。約2メートル以上の体長に筋骨隆々の体格、頭部から首の後ろにかけて生えたパンチパーマ状の頭髪という外見をしている。外見のデザインは「絶滅した原人」などを造形の参考にして描かれている。痛覚こそないが、体内構造は人間に近く、脊椎を有し脳の形状や眼球も人間そっくりになっており、ゴキブリの形態的要素は甲皮、気門、触角、尾葉、羽くらいしか残されていない。人間に近い姿をしているものの、人間と異なり雄と雌の外見上の差異はほぼない。幼生も存在し、体長は成虫の腰の高さほどとなっている。 腕力が高く、薬で変身した乗組員も無防備ならば素手で簡単に破壊される。体も強靭で熱に強く、多糖類アミロースで出来た甲皮を全身の気門から入る酸素で直に燃焼させることで爆発的な運動量を得ているが、生命活動に必要な酸素は肺呼吸で得ている。身体のコントロールは胸部の『食道下神経節』『胸部神経節』に委ねられているため、呼吸および胸部の器官が無事ならば、首が切断されても活動できることがある。逆に言えば喉を潰すか胸部を破壊することで活動を止められる。 普段は「じょう」「じじょう」「じょうじ」「じょうじょう」といった音声でコミュニケーションを取る。なお、この言葉の起源はバグズ1号乗組員「ジョージ・スマイルズ」のことで、彼が名前を呼ばれているところを覚えて以後使用されるようになった。瀕死の際は「ギィ、ギィ」と鳴く。 脳も進化しており、知性を持っている。銃器や網、旗などを使用する他、人間の機械の扱い方を理解し、初めて見るはずの高速脱出機を操縦することも可能とし、さらに前時代に中国宇宙軍が飛ばした火星探査機「大鲤鱼二三號(グレイトカープ23號)」や「バグズ1号」を修理して利用している。なお、多くの個体が持っている石器製の棍棒は、武器ではなく岩に付いた苔を削ぎ取り食べるための食具である。バグズ2号の遺したカイコガで養蚕を行い、布や食料としても利用している。2620年には組織化が進んでおり、階級や役割のようなものを与えられた個体が存在し、身体に装飾具や衣装を身に付けた個体がテラフォーマーの部隊を統率している。また、カイコガという動物性タンパク質を摂取したことで、より巨大で筋肉質な肉体をした、両腕に紐を3本ずつ巻いている力士型テラフォーマーという個体が複数存在する。人類の侵攻をさながらナイル川の氾濫の如く被害をもたらすが同時に新たな恵み(技術・物)をもたらすものと捉えて、人間をある意味では『神』のように信奉し、スキンヘッド型のテラフォーマーたちを頭目としている。 虫から人型に急激に進化したことで「免疫寛容臓(モザイク・オーガン、M.O.)」という臓器を獲得している。本来なら莫大な時間をかけて行われる進化が500年で起きたため体が急激に変化し、「ヒト」と「昆虫」ほどに離れたものを共存する手段として生まれた特殊な臓器である。そのため、異なる生物のDNAを組み込んでも体が許容するようになっており、人間側はこの臓器を活用することで「バグズ技術」「M.O.技術」を生み出した。一方でテラフォーマーたちはこの特性を生かし、バグズ2号の乗組員の遺体から原始的な手術で能力を移植した「バグズ型テラフォーマー」を誕生させる。後に、アネックス1号乗組員から能力を奪った個体「M.O.型テラフォーマー」が登場している。第2部終盤、テラフォーマーの地球侵攻が判明してからは地球に生息している生物から直接能力を移植した個体も多数登場している。 第3部ではM.O.型に加え、ベース生物と同化しほぼ同じ外見・能力を持つテラフォーマーも登場する。 バグズ型テラフォーマー 手術ベース特徴ミイデラゴミムシ左腕に紐を1本巻いている。掌から超高温のガスを放出する。能力入手元はリー。 サバクトビバッタ両腕に紐を1本ずつ巻いている。長距離をジャンプするなど、強靭な脚力を持つ。能力入手元はティン。 ゲンゴロウ右腕に紐を1本巻いている。両手が吸盤のようになっており、掴んだものを離さない。両脚もブラシ状で水中を自在に泳ぐ。能力入手元はジョーン。 メダカハネカクシ左腕に紐を2本巻いている。背中にガス噴射口があり、高速移動が可能。能力入手元はテジャス。 クロカタゾウムシ褌をしている。「下がり」は4本。力士型特有の巨体に加えて高強度の甲皮を有し、鍛え抜かれた筋肉に裏付けされた腕力とスピードを併せ持つ。能力入手元はジャイナ。 クモイトカイコガ褌をしている。「下がり」は6本。全身が毛に覆われている。1000メートルもの鋼鉄に匹敵する強度を持つ糸を紡ぎだす能力を持ち、その糸を攻守共に巧みに使いこなす。力関係はクロカタゾウムシ型より上とマルコスは推測したが、小吉に完敗する。能力入手元は奈々緒。 ニジイロクワガタ全身の甲皮が玉虫色に輝き、条件が揃えば高い迷彩能力を発揮する。また甲皮の強度もミッシェルの蹴りに耐えられるほど硬い。両腕にいくつもの刃がついている。能力入手元はマリア。 オケラ左腕に紐を3本巻いており、力士型の体格。背中を丸い前翅で覆っている。太く発達した腕とキャッチャーミットのような大きな掌を持ち、鋭い爪で地中に潜ることができる。能力入手元は虎丸。 オニヤンマ首から紐を3本下げている。複眼と大きな翅を持ち、体には縞模様が入っている。飛行能力が発達しており、急発進・急停止などが可能な上、変異した人間の胴体も引きちぎることができる。能力入手元はトシオ。第3部の「戦争」時にはテラフォーマー側の主力として大多数のオニヤンマ型が登場し、軍勢となって日本を襲撃する。 パラポネラビキニパンツを履いている。力士型の巨体に加えミッシェルの3倍以上の体重を誇る。前腕がさらに肥大化しておりドナテロやミッシェルとデザインが酷似している。片腕で脱出機を持ち上げるほどの筋力を持つ。能力入手元はドナテロ。 マイマイカブリ袴を履いている。腐食性の酸を放出し、燈の精製した糸を溶かしてしまう。武術にも精通し、騙し討ちなどの知略にも優れる。能力入手元はルドン。 ハナカマキリ袴を穿いている。両腕が鎌状になっている。能力入手元は明明。 エメラルドゴキブリバチ火星では登場せず、地球で初登場する。毒針と化した人差し指の爪を刺すことで人間を操ることができる。能力入手元はウッド。 M.O.型テラフォーマー 手術ベース特徴テッポウウオ包帯を巻いた左腕には鱗と鰭が生え、力士型並みの体格。水を飲むことで、銃弾に匹敵する水弾を掌から放出し狙撃することができる。同じ特性を持った個体が複数確認されている。能力入手元はマルシア。 アンボイナガイ舌が伸縮自在の歯舌になっていて、それを突き刺し神経毒を流し込むことが出来る。アネックスで防護服を奪い着用しているほか、パイプによる棒術のような戦闘技術を見せる。 ラーテル頭部が白髪。奪った防護服を着用している。パイプによる棒術を見せる。分厚い皮膚により、西の発勁や慶次のパンチを受けても倒れないタフさを持つ。能力入手元はムテバ。 ハリモグラ体中に針の混ざった体毛が生えており両手も鋭い爪が生えている。地中を掘り、自在に素早く動ける。同じ特性を持った個体が複数確認されている。能力入手元はペギー。 タスマニアン・キング・クラブ硬質化し肥大化した腕を持つ。能力入手元は切断されたシルヴェスターの腕で、体格やデザインも変異後の彼に酷似している。 発電魚の一種頬に2本・口周りに4本の髭が生えている。第2部終盤、地球で誕生したM.O.型として初めて登場する。第3部では中国軍人工島の幹部格として燈と対決する。 モンハナシャコ肥大化した両腕を持ち、パンチだけでも衝撃波を放つことができる。脚には鋭い棘があり、敵の体を切断する。ハーフパンツを履き、ボクサーのような動きを見せる。能力入手元は切断された慶次の腕。 スマトラオオヒラタクワガタ頭部にクワガタの顎を持っており、変異時のアレクサンドルとデザインが酷似している。能力入手元は切断されたアレクサンドルの腕。 ミナミハナイカ体表の色を変化させ、保護色で周囲に溶け込むことができる。イカの触腕を槍のように突き出して敵の体を貫く。能力入手元は切断された西の脚。 ライオン小説『THE OUTER MISSION』に登場。手術ベースが遺伝した子世代も登場する。 テルシオペロ小説『THE OUTER MISSION』に登場。下半身がベース生物の蛇そのものになっている。口腔や腕に備えた牙から強力な出血毒を分泌する。 ウロコフネタマガイゲーム描き下ろしオリジナルテラフォーマー。表面を覆う鋭いウロコを防御や刃物として使用する。能力入手元はボーン。第3部の本編にも別個体が登場。 ヌタウナギゲーム描き下ろしオリジナルテラフォーマー。全身がヌルヌルの粘液に包まれている。能力入手元はヨウ。 フンコロガシゲーム描き下ろしオリジナルテラフォーマー。自重の1141倍の重さの物を転がすことが出来る。 ジャンピング・チョーヤゲーム描き下ろしオリジナルテラフォーマー。全身に鋭い針が生えている。 アルマジロ第3部に登場した個体。体を丸め、転がっての体当たりを攻撃手段とする。服を着て一般人に紛れ東京タワーを襲撃する。 鳥の一種第3部に登場した個体。詳細な種類は不明。背中に翼が生えており、口元が嘴になっている。「オウギワシ」に変態したアレックスと同様に、遠距離からの投擲を攻撃手段とする。 クモの一種第3部に登場。力士型。腕が3対6本あり、足と合わせてベース生物と同じ「八本脚」である。クモの高い身体能力と力士型のパワーをあわせ持つ。 走鳥類の一種第3部に登場。鳥の翼と鶏冠を持ち、足は鉤爪となっている。仲間のテラフォーマーを背負って地上を素早く走ることができる。 ギガノトサウルス「パチスロ テラフォーマーズ」に登場した個体。様々なメディアを通じて初の古代絶滅種型。人間を見下ろすほどの巨体で、人間体のテラフォーマーで最大級の大きさになる。 同化型テラフォーマー(仮称) 同化ベース特徴ヒグマクマの毛皮を被ったような姿をしており本物のクマと区別がつかない。ヒグマ並みの体格を持つ個体にクマの爪、牙、毛皮などを手術で融合したものと推測されている。クマと同様高い腕力と耐久性を持つが、それらと引き換えに飛行能力は失われている。 クジライルカのような小型のものからシロナガスクジラのような大型のものまで多種類のクジラ型が登場。触角などの一部分を除き、実際のクジラとほぼ同じ外見・大きさである。上述のヒグマ型と同様の手法で生み出されたものと推測されている。「戦争」時にテラフォーマーたちが海から侵攻する際、さながら戦艦や空母の如く利用されている。
※この「テラフォーマー」の解説は、「テラフォーマーズ」の解説の一部です。
「テラフォーマー」を含む「テラフォーマーズ」の記事については、「テラフォーマーズ」の概要を参照ください。
- テラフォーマーのページへのリンク