理想気体とは? わかりやすく解説

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りそう‐きたい〔リサウ‐〕【理想気体】

読み方:りそうきたい

ボイル‐シャルルの法則に完全に従い分子間の相互作用無視できる仮想気体実在気体では、高温低圧のときにこれに近い。完全気体

「理想気体」に似た言葉

理想気体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 12:14 UTC 版)

理想気体りそうきたい: ideal gas)または完全気体かんぜんきたい: perfect gas)は、圧力温度密度に比例し、内部エネルギーが密度に依らない想像上の気体である[1]。気体の最も基本的な理論モデルであり、より厳密な他の気体の理論モデルはすべて、低密度では理想気体に漸近する。統計力学および気体分子運動論においては、気体を構成する個々の粒子[注 1]の大きさが無視できるほど小さく、構成粒子間には引力が働かない系である[2]


注釈

  1. ^ 分子原子など。
  2. ^ 気体を構成する個々の粒子のこと。気体分子運動論では、構成粒子が原子であってもこれを分子と呼ぶことが多い。
  3. ^ specific gas constant。単に気体定数と呼ぶことが多い。
  4. ^ molar gas constant。単に気体定数と呼ぶことが多い。
  5. ^ 粒子の回転や変形などの自由度のこと。
  6. ^ 基準とする温度 T0 には依存する。
  7. ^ わずかな相互作用により粒子が互いにエネルギーを交換するが、相互作用エネルギーの全系のエネルギーへの寄与は無視できるほど小さく、全系のエネルギーが個々の粒子のエネルギーの和として与えられる系のこと。
  8. ^ ただしファンデルワールス気体では、固体への相転移は起こらない。
  9. ^ ある極限状態に近づくにつれて近似が良くなり、極限状態では厳密に成り立つ法則のこと。

出典

  1. ^ 理化学辞典』「理想気体」.
  2. ^ アトキンス物理化学』 p. 9.
  3. ^ 伏見 1942, p. 9.
  4. ^ グリーンブック』 p. 167.
  5. ^ 理化学辞典』「気体定数」.
  6. ^ 松尾 1994, p. 9.
  7. ^ キャレン 1999, p. 12.
  8. ^ 田崎 2000, p. 52.
  9. ^ 松尾 1994, p. 15.
  10. ^ キャレン 1998, p. 87.
  11. ^ これらの c の値は『アトキンス物理化学』 表2・7 より算出した。
  12. ^ 松尾 1994, p. 14.
  13. ^ 清水 2007, p. 115.
  14. ^ 田崎 2000, p. 175.
  15. ^ 清水 2007, p. 264,401.
  16. ^ 石川 2016, p. 76; 卜部 2005, p. 116など。
  17. ^ 石川 2016, pp. 76–84. には理想気体の分子同士の衝突に関する記述はない。
  18. ^ 香取 2007, pp. 10, 20.
  19. ^ 松尾 1994, p. 10.
  20. ^ 中村 1993, p. 92.
  21. ^ 阿部 1992, p. 3.
  22. ^ 香取 2007, p. 13.
  23. ^ 松尾 1994, p. 21.
  24. ^ アトキンス物理化学要論』 p. 12.
  25. ^ アトキンス物理化学』 p. 14.
  26. ^ a b ダンネマン 1979, p. 100.
  27. ^ 高林 1999, p. 100.
  28. ^ ダンネマン 1979, pp. 100–101.
  29. ^ 高林 1999, pp. 100–101.
  30. ^ a b 山本2巻 2009, p. 48.
  31. ^ ダンネマン 1979, pp. 101–102, 107–108.
  32. ^ ダンネマン 1979, p. 103.
  33. ^ ダンネマン 1979, pp. 103, 109.
  34. ^ a b ダンネマン 1979, p. 104.
  35. ^ キャレン 1999, p. 97.
  36. ^ ダンネマン 1979, pp. 113–114.
  37. ^ 高林 1999, p. 102.
  38. ^ 山本3巻 2009, p. 74.
  39. ^ 山本3巻 2009, p. 75.
  40. ^ 山本3巻 2009, pp. 78–79.
  41. ^ 山本3巻 2009, pp. 49, 74.
  42. ^ 山本3巻 2009, p. 50.
  43. ^ 山本3巻 2009, pp. 45–46.
  44. ^ a b 山本3巻 2009, p. 108.
  45. ^ 山本3巻 2009, p. 105.
  46. ^ 山本3巻 2009, pp. 135–136.



理想気体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 16:20 UTC 版)

ボルツマン分布」の記事における「理想気体」の解説

分子エネルギー単純に粒子の運動エネルギー与えられるE i = 1 2 m v 2 {\displaystyle E_{i}={\begin{matrix}{\frac {1}{2}}\end{matrix}}mv^{2}} また重力が働く場合位置エネルギーの項が加わる。 E i = 1 2 m v 2 + m g h {\displaystyle E_{i}={\begin{matrix}{\frac {1}{2}}\end{matrix}}mv^{2}+mgh} この場合気体分子垂直分布は以下の式で表されるN i N = g i em g h / ( k B T ) Z ( T ) {\displaystyle {{N_{i}} \over {N}}={{g_{i}e^{-mgh/(k_{B}T)}} \over {Z(T)}}}

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理想気体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 13:08 UTC 版)

気体」の記事における「理想気体」の解説

詳細は「理想気体」を参照 理想気体は完全気体単純化したもので、圧縮率因子 Z が常に1であると仮定する圧縮率因子を1と仮定することで理想気体の状態方程式成り立つ。 この近似モデル工学分野適しているが、さらに大まかな解の範囲を知るためにもっと単純化しモデルを使うこともある。理想気体の近似モデル有効な例として、ジェットエンジン燃焼室内部状態の計算がある。分子解離素反応による排出ガス計算にも適用可能である。

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理想気体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 23:32 UTC 版)

状態方程式 (熱力学)」の記事における「理想気体」の解説

理想気体の状態方程式は、 P = n R T V {\displaystyle P={\frac {nRT}{V}}} である。R は気体定数である。この式はボイル=シャルルの法則アボガドロの法則から導かれる。なお、この式で用いられている温度 T は絶対温度或いは熱力学温度呼ばれる分母払った P V = n R T {\displaystyle PV=nRT} という形で出てくることも多い。 また、この式は統計力学的には相互作用をしない系として導くことができる。

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理想気体

出典:『Wiktionary』 (2021/08/25 10:47 UTC 版)

名詞

理想気体りそうきたい

  1. 気体分子自身体積がなく、分子間力働かないと仮定され気体状態方程式 PV=nRT に従う。実際には気体分子体積は0ではなく分子間力も働くため、このような気体実在しない。

対義語

翻訳


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