普遍文法とは? わかりやすく解説

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普遍文法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 05:34 UTC 版)

普遍文法(ふへんぶんぽう、Universal Grammar)は、言語学生成文法における中心的な概念で、全ての人間が(特に障害がない限り)生まれながらに普遍的な言語機能 (faculty of Language) を備えており、全ての言語が普遍的な文法で説明できるとする理論ノーム・チョムスキーが『Syntactic Structures』(1957年)で提唱した[1]




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普遍文法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 08:19 UTC 版)

言語の起源」の記事における「普遍文法」の解説

詳細は「普遍文法」を参照 普遍文法仮説は、ヒト生まれつき脳に「普遍文法」を固く組み込まれていると主張している仮説である。これ以外に子供僅かな言語刺激だけでにどのように言語習得するのかを説明する方法はないと彼らは主張している(実際に言語に関する何の事前知識無しディープラーニングタグ無しコーパスだけによって文法習得できるようなシステム作ってみれば、ヒトのそれと比べて膨大な計算量必要なことがわかるだろう)。普遍文法は地球上言語全文法体系内包するある種文法的なモデルからなる違いないと彼らは主張している(生物学的に同じ脳を持っているのであるから、生得的持っているであれば同一なければならないはずである、というだけだが)。 普遍文法の初期設定少なくとも見て取れる限りではクレオール言語と同じである。こういった初期設定は子どもが個別言語合わせて言語習得する段になると無視される子供言語習得するときには最初の内はクレオール言語文法矛盾するような個別言語特性よりもむしろクレオール様の特性習得する正確には「固く組み込まれている」ということではなく言語特化した能力生得的持っている、とする主張であることが、普遍文法に関する議論焦点であり、「文法」という用語が使われる理由である。認知言語学者らは、ヒト能力としてそのような言語特化したものを仮定する要・理由は無いとする立場であり、言語そのように本能instinct)とするのは神話だとする The Language Myth. Why Language Is Not an Instinct という書籍がある(ピンカー言語を生みだす本能』を意識している)。 ただし、普遍文法仮説となえたノーム・チョムスキーらによる、生成文法という手法フォーマルな形式的な記述指向しており、チョムスキアンと呼ばれる彼らとしての研究こそ普遍文法との関わり拘る傾向があるが、プログラミング言語などの形式言語構文規則記述使われるバッカス・ナウア記法もその一種あるように、(ヒトの)自然言語無関係な側面においては普遍文法仮説とも全く無関係である。チョムスキー自身によるその方向の研究もあり、チョムスキー階層などがその成果である。

※この「普遍文法」の解説は、「言語の起源」の解説の一部です。
「普遍文法」を含む「言語の起源」の記事については、「言語の起源」の概要を参照ください。


普遍文法 (Universal Grammar)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 05:20 UTC 版)

第二言語習得の理論」の記事における「普遍文法 (Universal Grammar)」の解説

詳細は「普遍文法」を参照 言語学分野において、最も影響力がある理論は、チョムスキーの普遍文法 (UG)の理論である。UGモデル原理、つまり、全ての言語基本的法則は共通であり、言語間の違いは、パラメター特性違いだけであるという考えが、多く第二言語習得研究基礎となっている。 UG立場からすると第二言語文法習得することとは、単に、パラメター正しく設定するだけのことである。 文の中に主語有無文法的に正しか否か決定する「pro-drop」パラメターを例にとって見よう。このパラメター正負の二値をとることが出来それぞれ、(正)「文は必ずしも主語を必要としない」と(負)「文には必ず主語が必要である」を意味するドイツ語においては、"Er spricht" (he speaks:彼は話す)という文は、文法的に正しいが、"Spricht" (speaks:話す)は正しくない。しかし、イタリア語においては、"Parla" (speaks:話す)は、全く自然であり、文法的に正しい。 イタリア語習得するドイツ語話者は、聞き取るイタリア語から、主語有無任意であることを推察して、「pro-drop」パラメターイタリア語合わせて設定しなければならない全てのパラメターを、その言語合わせて正しく設定してしまえばUG視点からすればイタリア語を完全に習得してことになり、学習者イタリア語文章を完全に正しく発することが出来る。 普遍文法は、言語転移(language transfer)についても明確な説明与える。英語を学習するスペイン語母国語とする人達は、"It is raining"とすべきを誤って"Is raining"とする間違いをすることがあるが、これは「pro-drop」パラメターがまだ正しく設定されておらず、スペイン語設定のままであることを意味する。 普遍文法が第二言語習得について不足していることは、言語習得心理学的過程について扱っていないことである。UG研究は、パラメター設定されたかどうに関するもので、「どのように」して設定されるかの過程については扱っていない。

※この「普遍文法 (Universal Grammar)」の解説は、「第二言語習得の理論」の解説の一部です。
「普遍文法 (Universal Grammar)」を含む「第二言語習得の理論」の記事については、「第二言語習得の理論」の概要を参照ください。

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