「認知」の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 04:05 UTC 版)
認知言語学・認知文法における「認知」とは、普遍文法仮説などに見られる、言語に特化されていると同時に総合的な所与の能力を仮定した、その能力による「認知」ではない。 そうではなく、「可能な限り言語構造を別のもっと基本的なシステムや能力(例えば知覚、記憶、カテゴリー化能力など)に説明項を置き、そこから分かつことができないもの」(ibid.: 8)として認知言語学・認知文法では言語を捉える。すなわち、慣習化、連合(連想)、抽象化(スキーマ化)、焦点移動、五感、体感、運動感覚といったような、特化しない個別的な能力を「認知」としている。 例えばLangackerは以下のように具体的に述べている。 「認知文法においては、言語に特化しない心的能力で、かつ容易に実証可能で心理学的に十分に存在が立証されているものに焦点を当てている。例えば、焦点を当てたり、注意をある場所から他の場所に移したり、動いている対象物を目で追いかけたり、イメージを形成したりそれを操作したり、二つの経験同士を比較したり、一致した関係を作ったり、単純な要素を組み合わせて複雑な構造にしたり、あるシーンを別の視点から捉えたり、ある状況を異なったレベルの抽象性でもってとらえたりする能力である。」(ibid.: 8)(太線は投稿者)
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