かんせい‐モーメント〔クワンセイ‐〕【慣性モーメント】
慣性モーメント(クルマ)
ヨーイング、ピッチング、ローリングなど、クルマの回転運動に対する慣性の大きさを示す物理量をいう。通常、単位をkg/m2とし、重心まわりの値で示す。クルマの運動にとって、定常状態を維持するためには大きいほうが、操縦性や制御性からは小さいほうがよく、タイヤ、サスペンション、ステアリングの能力と適切にバランスしていることが重要である。慣性モーメントは、各部品の質量と重心からの距離によって大きさが決まるため、回頭性能の向上を目的に部品の配置に配慮されることもある。計測には2本吊り法や流体軸受けなどの低抵抗回転軸と、ばねで支持された回転台を用い、固有振動数から計算によって求める。計測値は測定装置の慣性モーメントを差し引き、重心位置へ補正される。
参照 ヨー慣性モーメント、ロール慣性モーメント慣性モーメント(ステアリング)
ステアリング系の、回転軸まわりの回転運動に対する慣性の大きさを示す物理量をいう。通常、単位をkg/m2とし、ステアリングシャフト軸、またはキングピン軸まわりの回転体に換算して等価慣性モーメントとして示す。車輪とステアリングホイールが主体だが、ギアレシオの効果で後者が全体の90%程度を占める。ステアリング系の慣性モーメントが過大であるとハンドルのもどり不良、切りはじめの抵抗感、切り終わりのハンドルから動かされるような不快な操舵感となり、滑らかな操舵の支障となる。一方、過小であるとキックバックなど外乱の影響を受けやすい。最近は、エアバッグの装着などで過大になる傾向にあり、一般には低減の努力がなされる。
参照 慣性モーメント(クルマ)慣性モーメント
回転体の質量に相当する物理量のこと。回転の中心から距離の2乗にその距離の部分の質量を乗じ、積分的に加えたもの。慣性モーメントが大きい場合、回転を加速させるには大きな力が必要になる。フライホイールは回転変動を少なくするために、慣性モーメントを大きくしている。直線運動における質量と加速度の関係を回転運動に置き換えた場合、質量が慣性モーメントになる。また、加速度が回転角加速度に相当する。
慣性モーメント
慣性モーメント (Moment of inertia)
慣性モーメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 20:53 UTC 版)
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- 慣性モーメント.
慣性モーメントと同じ種類の言葉
モーメントに関連する言葉 | モーメント(もーめんと) 双極子モーメント(そうきょくしモーメント) 慣性モーメント(かんせいモーメント) 異常磁気モーメント 電気双極子モーメント |
量に関連する言葉 | 微量 感量 慣性モーメント(かんせいモーメント) 排水量(はいすいりょう) 数量 |
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