WTAファイナルズ
(WTAツアー選手権 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/27 03:13 UTC 版)
| WTAファイナルズ | |
|---|---|
| WTAツアー | |
| 開始年 | 1972年 | 
| 回 | 53 (2024) | 
| 開催地 | リヤド (2024) | 
| カテゴリ | WTAファイナルズ[1] | 
| サーフェス | ハード - indoors | 
| ドロー | 8S / 8D (since 2014) | 
| 賞金総額 | $15,250,000 (2024) | 
| 公式サイト | |
| wtafinals.com | |
| 前回優勝 | |
| シングルス |  イガ・シフィオンテク | 
| ダブルス |  ラウラ・シグムント  ベラ・ズボナレワ | 
WTAファイナルズ(WTA Finals)は、毎年10月末から11月上旬に行われるWTAツアーの年間最終戦である。
| WTAトーナメント | 
|---|
 
歴史
1972年にアメリカ・フロリダ州のボカラトンで「バージニアスリム選手権」として第1回が行われ、1979年以降、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた。歴代の冠スポンサーの中には日本のトヨタ自動車も名前を連ねたことがある。1995年から2000年までは「チェイス選手権」の名称であった。
最近は大会会場の変更が多く、2001年はドイツ・ミュンヘンの「オリンピアハレ」で行われ、2002年から2005年まではロサンゼルスで開催された。2006年・2007年の2年間スペイン・マドリードで行われた後、2008年はカタールのドーハに会場を移す。2011年からはトルコのイスタンブール、2014年からはシンガポール、2019年から2028年までは中国深圳市で開催される。2021年は新型コロナウイルスの流行を理由に、会場がメキシコのグアダラハラに変更された。
2002年までは、年間最終ランキング16名の選手に出場資格が与えられ、1回戦からのトーナメントで試合が行われていた。しかし2003年以後、男子年間最終戦の「テニス・マスターズ・カップ」と同じ方式に変更された。出場資格選手は世界ランキング上位8名の選手に減らされ、4人ずつの2組に分かれて総当たり戦(ラウンドロビン方式)を行い、上位選手2名が決勝トーナメントに進出する。その4名で準決勝 → 決勝が行われ、優勝者が決定する。
このWTAツアー最終戦は、1998年までは決勝戦が最大5セット・マッチで行われ、女子テニスツアーでは唯一5セット・マッチで行われるゲームであった。この制度は1984年、当時の世界ランキング1位だったマルチナ・ナブラチロワがあまりにも強すぎたことから導入された。しかし女子選手に5セット・マッチは体の負担が大きすぎるという声が大きく、1999年からは決勝戦も通常の最大3セット・マッチで行われている。本大会シングルスの優勝者にはビリー・ジーン・キング・トロフィー、ダブルスにはマルチナ・ナブラチロワ・トロフィーが授与される。
2009年からは本大会に出場出来なかった選手によるWTAトーナメント・オブ・チャンピオンズが翌週に行われるようになった。2015年からはWTAエリート・トロフィーとして開催されている。
開催地
| 都市 | 開催年 | 会場 | サーフェス | 座席数 | 
|---|---|---|---|---|
|  ボカラトン | 1972–1973 | – | クレー | – | 
|  ロサンゼルス | 1974–1976 | – | カーペット | – | 
|  ニューヨーク | 1977 | マディソン・スクエア・ガーデン | カーペット | 18,000 | 
|  オークランド | 1978 | オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム・アリーナ | カーペット | – | 
|  ニューヨーク | 1979–2000 | マディソン・スクエア・ガーデン | 屋内カーペット | 18,000 | 
|  ミュンヘン | 2001 | オリンピアハレ | ハード | 12,000 | 
|  ロサンゼルス | 2002–2005 | ステイプルズ・センター | 屋内ハード | 17,000 | 
|  マドリード | 2006–2007 | マドリード・アリーナ | 屋内ハード | 10,500 | 
|  ドーハ | 2008–2010 | カリファ国際テニスコンプレックス | ハード | 6,911 | 
|  イスタンブール | 2011–2013 | スィナン・エルデム・ドーム | 屋内ハード | 15,000 | 
|  シンガポール | 2014–2018 | シンガポール・インドア・スタジアム | 屋内ハード | 10,000 | 
|  深圳 | 2019* | 深圳湾体育中心 | 屋内ハード | 12,000 | 
|  グアダラハラ | 2021 | パンアメリカン・テニス・センター | ハード | 2,592 | 
|  フォートワース | 2022 | ディッキーズ・アリーナ | 屋内ハード | 12,000 | 
|  カンクン | 2023 | ハード | 6,000 | |
|  リヤド | 2024–2026 | キングサウード大学 | 屋内ハード | 
歴代優勝者
シングルス
| 年 | 優勝者 | 準優勝者 | 決勝結果 | 備考 | 
|---|---|---|---|---|
| 1972年 |  クリス・エバート |  ケリー・レイド | 7-5, 6-4 | |
| 1973年 |  クリス・エバート |  ナンシー・リッチー | 6-3, 6-3 | |
| 1974年 |  イボンヌ・グーラゴング |  クリス・エバート | 6-3, 6-4 | |
| 1975年 |  クリス・エバート |  マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 6-2 | |
| 1976年 |  イボンヌ・グーラゴング・コーリー |  クリス・エバート | 6-3, 5-7, 6-3 | |
| 1977年 |  クリス・エバート |  スー・バーカー | 2-6, 6-1, 6-1 | |
| 1978年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  イボンヌ・グーラゴング・コーリー | 7-6, 6-4 | |
| 1979年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  トレーシー・オースチン | 6-3, 3-6, 6-2 | |
| 1980年 |  トレーシー・オースチン |  マルチナ・ナブラチロワ | 6-2, 2-6, 6-2 | |
| 1981年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  アンドレア・イエガー | 6-3, 7-6 | |
| 1982年 |  シルビア・ハニカ |  マルチナ・ナブラチロワ | 1-6, 6-3, 6-4 | |
| 1983年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  クリス・エバート・ロイド | 6-2, 6-0 | |
| 1984年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  クリス・エバート・ロイド | 6-3, 7-5, 6-1 | 決勝戦に5セット・マッチ導入 | 
| 1985年 |  マルチナ・ナブラチロワ |  ヘレナ・スコバ | 6-3, 7-5, 6-4 | |
| 1986年1月 |  マルチナ・ナブラチロワ |  ハナ・マンドリコワ | 6-2, 6-0, 3-6, 6-1 | |
| 1986年11月 |  マルチナ・ナブラチロワ |  シュテフィ・グラフ | 7-6, 6-3, 6-2 | |
| 1987年 |  シュテフィ・グラフ |  ガブリエラ・サバティーニ | 4-6, 6-4, 6-0, 6-4 | |
| 1988年 |  ガブリエラ・サバティーニ |  パム・シュライバー | 7-5, 6-2, 6-2 | |
| 1989年 |  シュテフィ・グラフ |  マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 7-5, 2-6, 6-2 | |
| 1990年 |  モニカ・セレシュ |  ガブリエラ・サバティーニ | 6-4, 5-7, 3-6, 6-4, 6-2 | |
| 1991年 |  モニカ・セレシュ |  マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 3-6, 7-5, 6-0 | |
| 1992年 |  モニカ・セレシュ |  マルチナ・ナブラチロワ | 7-5, 6-3, 6-1 | |
| 1993年 |  シュテフィ・グラフ |  アランチャ・サンチェス・ビカリオ | 6-1, 6-4, 3-6, 6-1 | |
| 1994年 |  ガブリエラ・サバティーニ |  リンゼイ・ダベンポート | 6-3, 6-2, 6-4 | 伊達公子が日本人選手として初出場 | 
| 1995年 |  シュテフィ・グラフ |  アンケ・フーバー | 6-1, 2-6, 6-1, 4-6, 6-3 | |
| 1996年 |  シュテフィ・グラフ |  マルチナ・ヒンギス | 6-3, 4-6, 6-0, 4-6, 6-0 | |
| 1997年 |  ヤナ・ノボトナ |  マリー・ピエルス | 7-6, 6-2, 6-3 | |
| 1998年 |  マルチナ・ヒンギス |  リンゼイ・ダベンポート | 7-5, 6-4, 4-6, 6-2 | |
| 1999年 |  リンゼイ・ダベンポート |  マルチナ・ヒンギス | 6-4, 6-2 | 決勝戦を3セット・マッチに戻す | 
| 2000年 |  マルチナ・ヒンギス |  モニカ・セレシュ | 6-7, 6-4, 6-4 | |
| 2001年 |  セリーナ・ウィリアムズ |  リンゼイ・ダベンポート | 不戦勝 | |
| 2002年 |  キム・クライシュテルス |  セリーナ・ウィリアムズ | 7-5, 6-3 | |
| 2003年 |  キム・クライシュテルス |  アメリ・モレスモ | 6-2, 6-0 | |
| 2004年 |  マリア・シャラポワ |  セリーナ・ウィリアムズ | 4-6, 6-2, 6-4 | 大会史上最年少優勝 | 
| 2005年 |  アメリ・モレスモ |  マリー・ピエルス | 5-7, 7-6, 6-4 | |
| 2006年 |  ジュスティーヌ・エナン=アーデン |  アメリ・モレスモ | 6-4, 6-3 | |
| 2007年 |  ジュスティーヌ・エナン |  マリア・シャラポワ | 5-7, 7-5, 6-3 | |
| 2008年 |  ビーナス・ウィリアムズ |  ベラ・ズボナレワ | 6-7, 6-0, 6-2 | |
| 2009年 |  セリーナ・ウィリアムズ |  ビーナス・ウィリアムズ | 6-2,7-6 | |
| 2010年 |  キム・クライシュテルス |  キャロライン・ウォズニアッキ | 6-3, 5-7, 6-3 | |
| 2011年 |  ペトラ・クビトバ |  ビクトリア・アザレンカ | 7-5, 4-6, 6-3 | |
| 2012年 |  セリーナ・ウィリアムズ |  マリア・シャラポワ | 6-4, 6-3 | |
| 2013年 |  セリーナ・ウィリアムズ |  李娜 | 2-6, 6-3, 6-0 | |
| 2014年 |  セリーナ・ウィリアムズ |  シモナ・ハレプ | 6-3, 6-0 | |
| 2015年 |  アグニエシュカ・ラドワンスカ |  ペトラ・クビトバ | 6-2, 4-6, 6-3 | |
| 2016年 |  ドミニカ・チブルコバ |  アンゲリク・ケルバー | 6-3, 6-4 | |
| 2017年 |  キャロライン・ウォズニアッキ |  ビーナス・ウィリアムズ | 6-4, 6-4 | |
| 2018年 |  エリナ・スビトリナ |  スローン・スティーブンス | 3-6, 6-2, 6-2 | |
| 2019年 |  アシュリー・バーティ |  エリナ・スビトリナ | 6-4, 6-3 | |
| 2020年 | 大会開催なし | |||
| 2021年 |  ガルビネ・ムグルサ |  アネット・コンタベイト | 6-3, 7-5 | |
| 2022年 |  キャロリン・ガルシア |  [注釈 1] アリーナ・サバレンカ | 7-6(7-4), 6-4 | |
| 2023年 |  イガ・シフィオンテク |  ジェシカ・ペグラ | 6-1, 6-0 | |
| 2024年 |  コリ・ガウフ |  鄭欽文 | 3-6, 6-4, 7-6(7-2) | |
ダブルス
- ^ a b c As of 1 March 2022, the WTA announced that players from Russia will not compete in tournaments under the name or flag of Russia due to the 2022 Russian invasion of Ukraine.[2]
優勝回数ランキング
太字は現役選手
過去のシングルス出場者
| 年 | 欠場・棄権 | 交代選手1 | 交代選手2 | 
|---|---|---|---|
| 2024 |  ペグラ (6位) |  カサトキナ (  ペグラの代役) |  コリンズ | 
| 2023 |  ムホバ (8位) |  クレイチコバ | |
| 2022 |  クデルメトバ |  キーズ | |
| 2021 |  バーティ (1位) |  ペグラ |  メルテンス | 
| 2020 |  | ||
| 2019 |  大坂 (3位)  アンドレースク (5位) |  ベルテンス (  大坂の代役) |  ケニン (  アンドレースクの代役) | 
| 2018 |  ハレプ (1位) |  カサトキナ |  セバストワ | 
| 2017 |  ムラデノビッチ |  クズネツォワ | |
| 2016 |  S.ウィリアムズ (2位) |  コンタ |  ナバロ | 
| 2015 |  S.ウィリアムズ (1位) |  V.ウィリアムズ |  ナバロ | 
| 2014 |  ケルバー |  マカロワ | |
| 2013 |  シャラポワ (3位) |  ウォズニアッキ |  スティーブンス | 
| 2012 |  クビトバ (6位) |  ストーサー (  クビトバの代役) |  バルトリ | 
| 2011 |  シャラポワ (2位) |  バルトリ (  シャラポワの代役) |  ペトコビッチ | 
| 2010 |  S.ウィリアムズ (3位)  V.ウィリアムズ (5位) |  李娜 |  ピアー | 
| 2009 |  サフィナ (1位)  ズボナレワ (9位) |  ズボナレワ (  サフィナの代役) |  ラドワンスカ (  ズボナレワの代役) | 
| 2008 |  S.ウィリアムズ (3位)  イバノビッチ (5位) |  ラドワンスカ (  イバノビッチの代役) |  ペトロワ (  S.ウィリアムズの代役) | 
| 2007 |  S.ウィリアムズ (5位)  V.ウィリアムズ (7位) |  バルトリ (  S.ウィリアムズの代役) |  デメンチェワ | 
関連項目
脚注
- ^ “WTA Tour 2021 Media Guide” (PDF). WTA Tour. p. 20. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “Joint Statement by the International Governing Bodies of Tennis”. ATP. 2022年3月1日閲覧。
参考資料
- WTAツアー公式メディア・ガイド、1996年版 (189・190ページ/ダブルス記録は190ページに従った)
外部リンク
- WTAファイナルズのページへのリンク

 
                             
                    























