Superman: Flyby
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「スーパーマンの映画作品」の記事における「Superman: Flyby」の解説
2002年7月、クリプトン星で起こったジョー=エルと悪の道に走った弟のカタ=ゾルの内乱を背景とした、J・J・エイブラムスによるオリジン・ストーリー『Superman: Flyby』が出回った。カタ=ゾルがジョー=エルを捉える直前に、息子のカル=エルは地球へと送り込まれる。到着後彼はジョナサンとマーサ・ケント夫妻によって育てられ、後に『デイリー・プラネット』のロイス・レインと恋愛関係を築く。しかしロイスがUFOを調べている政府職員のレックス・ルーサーと出会うと、クラークは世界に自身がスーパーマンであることを明かし、そして地球にカタ=ゾルの息子のタイ=ゾルと他3人のクリプトン人が現れる。スーパーマンは戦いに敗れて死亡し、クリプトンの天国へ逝くが、そこでジョー=エル(刑務所で自殺していた)と再会する。復活したスーパーマンは地球へと戻り、4人のクリプトン人を倒し、続編を匂わせながら物語は終わる。 2002年9月、ブレット・ラトナーが監督として雇われ、2003年末頃撮影開始が予定された。ラトナーはスーパーマン役にジョシュ・ハートネットとジュード・ロウへ接近したが、続編へ出演契約義務があるため、有名俳優をタイトルロールにするのは難しいことが判明した。ハートネットには3作で合計1億ドルの出演料が提示されたが、彼はオファーを断った。『Superman: Flyby』の予算は2億ドル(『Superman Reborn』、『Superman Lives』、『Batman vs. Superman』に費やした額は含まれない)であり、またスタジオは公開日を2004年夏と決定した。クリストファー・ウォーケンはペリー・ホワイト役に交渉され、またラトナーはアンソニー・ホプキンスをジョー=エル役、レイフ・ファインズをレックス・ルーサー役でキャスティングする構想であった。 プロジェクト・コンサルタントを務めていたクリストファー・リーヴは『ヤング・スーパーマン』でティーンエイジャーのクラーク・ケントを演じていたトム・ウェリングを候補に挙げた。りーヴはさらに「それは永続的な神話なのだから、キャラクターは演じる役者よりも重要だ。それは確かに未知数でなければならない」と付け加えた。さらにポール・ウォーカーにオファーされ、アシュトン・カッチャーがスクリーンテストされブレンダン・フレイザーとマット・ボマーがオーディションを受けた。カッチャーは『ザット'70sショー』とのスケジュール競合、スーパーマンの呪い、タイプキャスティング(英語版)を理由に拒否した。ジェリー・オコンネルも同役に興味を示し、またデヴィッド・ボレアナズもオーディションを受けたが、結局『エンジェル』とのスケジュール競合で降板した。ビクター・ウェブスターはクラーク・ケントとスーパーマンの両方の衣装を着てスクリーンテストに臨み、またジェームズ・マースデンがラトナー監督と面会した 。スーパーマン役のオーディションを断ったジョエル・エドガートンがタイ=ゾルのオーディションを受けた後の2003年3月にラトナーはプロジェクトを降板した。ラトナーはキャスティングの難航とジョン・ピーターズとの意見の相違を非難した。 ラトナーの降板後、マックGが監督に復帰し、フレイザーが出演に興味を持っていたが、タイプキャスティングに懸念を抱いていた。ロイス・レイン役にはセルマ・ブレアへ交渉され、さらに視覚効果作業のためESCエンターテインメントが雇われた。視覚効果スーパーバイザーはキム・ライブレリ、「プロトタイプスーツ」のデザインはスタン・ウィンストンが務める。マックGはジミー・オルセン役としてシャイア・ラブーフに近づき、またスーパーマンには無名の役者、ロイス・レイン役にはスカーレット・ヨハンソン、レックス・ルーサー役にはジョニー・デップを考えていた。ニール・H・モリッツとギルバート・アドラー(英語版)がプロデューサーに就任した。マックGはまた、エイブラムスの脚本の書き直しをジョシュ・シュワルツ(英語版)に依頼した。マックGはカナダでの撮影を希望したが、ワーナー・ブラザースはそれよりも費用が2500万ドル少なくて済むオーストラリアでのロケを主張した。さらに彼はジェイソン・ベア、ヘンリー・カヴィル、ジャレッド・パダレッキ、マイケル・キャシディ (英語版)らを起用してテスト映像を撮っていたが、最終的に降板し、予算やロケ地問題を非難した。彼の希望ロケ地はニューヨークとカナダであったが、ワーナー・ブラザースはオーストラリアのシドニーであった。マックGは「ほかの大陸でアメリカのハートを捕らえるのは不適切」だと感じた。彼は後に自身が飛行機恐怖症であることを認めた。エイブラムスは自ら監督できるように働きかけたが、ワーナー・ブラザースは2004年7月にマックGの代りにブライアン・シンガーを起用し、『スーパーマン リターンズ』へと移った。
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