ミラーリング
【英】mirroring
ミラーリングとは、データを記録装置に書き込む際に、まったく同一の複製データを別の記憶装置に書き込む手法のことである。システムの可用性や信頼性を上げるために行われる。
ミラーリングを行っておけば、それまで使用していた記録装置のデータが壊れて読み出せなくなったとしても、もう一方の記録装置から読み出すことでデータを復旧させることができる。ミラーリングは単純なデータ複製ではなく、前に一度取得したデータを基にして更新されたデータの差分だけを複製することでデータの複製が行われている。これによって複製作業が高速で行われる。
ミラーリングが最もよく行われるのはハードディスクであり、これはハードディスクの高速化や信頼性向上のための方式であるRAIDにおいてRAID-1として定義されている。複数台のハードディスクを接続している環境で、その全てに同じデータを書き込むことを指している。
Webサイトにおいては、サーバーをミラーリングして公開する「ミラーサイト」を設けるケースがよくある。ミラーサイトを設置することによって、アクセス負荷を分散させることができる。また通信経路が短いサーバーにアクセスすることも可能になるので、例えば動画のような大きいサイズのコンテンツをダウンロードする際の効率が向上する。
RAID 1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 20:49 UTC 版)
RAID 1は複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む。これをミラーリングと呼ぶ。最もシンプルな方式であり、RAIDの弱点であるコントローラの故障にも対応しやすい。最低2台のドライブが必要である。 全てのディスクが同時に故障する可能性は低いため、システムの安定性は高い。 例えば、単位時間当たりのドライブの故障率を1%として2台でRAID 1を構成する場合、アレイの故障率は0.01% (0.01*0.01=0.0001) と1/100となる。 ただし、利用可能な容量は単体のハードディスク容量を超えない。台数が増えるほど容量効率が悪くなる。効率重視ならばRAID 5の方がよい。 本来読み出しは、一つのドライブからのみでそれ以外はバックアップである。全てのディスクから読み出せば、理論上、高速に読み出せる。 初期のネットワークOSであるNetware 2.x、3.xは、上記を取り入れており、コントローラが複数個ある場合には、一方のディスクに書き込みながら他方のディスクから読み込みを行うなどの負荷分散を行っていた[要出典]。従って、ディスク間で記録データに不一致が発生する時間があり、ディスクの同期を完了させてから終了する必要があった。 しかし、常に性能を重視した実装が行われている訳ではなく、Windows NTのソフトウェアRAID 1では、読み込みは常にひとつのディスクからのみ行われる。Windows Server 2003は低負荷時には片方から、高負荷時には負荷分散を行う[要出典]。 長所OSやマザーボードに標準装備されている場合、RAIDハード/ソフトウェアを別途用意せずとも使用できる。 ドライブ数が増えるほど耐障害性が上がる。 短所容量の利用効率が悪い。N 台のドライブとした時、容量効率は1/Nとなる。 大容量化を目的としていない。 高速化は限定的である。
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