OpenFormula の特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/07 09:41 UTC 版)
「OpenFormula」の記事における「OpenFormula の特性」の解説
OpenFormulaの仕様と開発のプロセスを比較すると、OpenDocumentと重複する点があるが、再計算された数式フォーマットのそれと比較して多くの異なる特性がある。例えば、 さまざまな表計算ソフトの開発者によって開発されている:OpemFormulaは、OpenOffice.orgやサン・マイクロシステムズのStarOffice、KDEのKOfficeやGnumeric、IBMのLotus 1-2-3、wikiCalc等の表計算ソフトウェアの開発者の代表者によって開発されている。 経験豊富なユーザーによって開発されている:多くの経験豊富なユーザーが参加している。またこの開発グループにはユーザー・開発者に加えて数学者も参加している。 オープンな開発:グループの議論、そして週ごとのドラフトは誰でも入手可能。 完全なオープン標準:仕様は、ブルース・ペレンズとEUに承認され、最も広く受け入れられている「オープン・スタンダード」の定義に適合している。例えば、定義によるとその仕様はオープンソースソフトウェアとプロプライエタリ・ソフトウェアの両方に実装することが可能であり、作業は単一のソフトウェアベンダーにより支配されるのではなく、合意に基づいて行われる。 既にOpenFormulaの実装が行われ始めている:各アプリケーション開発者は、グループの開発に基づき既に各々のアプリケーションに変更を施している。 集中的な開発:分科委員会はスプレッドシートの数式の標準化のみに集中して作業している。 慌てない:OpenFormulaは2005年2月26日に公開された仕様に基づいており、異なるアプリケーションにおける研究の大部分もまたそうである。 将来性:構文は将来に渡って通用するように構成されている。例えば、列には任意の数を指定することが可能であり、また任意の数を入力できる。 テストケースが埋め込まれている:OpenFormulaには、よく忘れられてしまうケースを含む仕様を確認する数多くのテストケースが含まれている。それらのケースには特殊なフォーマットが採用されていて、 ユーザーはテストアプリケーションのスプレッドシートから自動的に取り出したり置換したり出来る。Rob Weirによると「この特性により私たちは、自己テスト機能のある仕様を手に入れられ、労働力の削減とともに、ODF (OpenDocument Format) を用いた革新的機能をもまた手に入れることが出来るのである。 厳密な定義:上に挙げたテストケースにより、OpenFormulaはより厳密なものになる。さらに、OpenFormulaはそれぞれの関数を(プロトタイプとして)定義する。関数の定義は深く調べられ、例えば、YEARFRAC()は、注意深く調査され定義された「うるう年」において的確に作動する。 誤りを指令しない:OpenFormulaの仕様は、単に規格にあるバグが含まれているというだけで、そのバグを実装することが求められないように記述されている。例えば、Excelは誤って1900年をうるう年としているが、少なくともExcelの規格(バージョン1.3)の草稿は、互換性のあるアプリケーションは同じエラーを含まなければならないとしており、アプリケーションは1900年以前をサポートしてExcelを上回る機能を実装してはならないとされている。他の様々な独立した諸実装を比較することにより、OpenFormulaのグループ機能はアプリケーションに誤りがある場合にはそれを特定し、各ソフトウェアアプリケーションが過度に制限されないようにしている。 様々なソースからの革新:OpenFormulaはExcelとOpenOffice.orgの諸関数、また、それらアプリケーションには含まれていないものの、GnumericやKSpreadのような他の表計算ソフトに含まれている重要な関数をカバーしている。例えば、この規格にはDEMICALやBASE関数が含まれており、これらの関数は異なるベースを扱う際にはBIN2DEC等の関数よりも優れている。また、BITANDのようなビット処理向けの関数も含まれている。これらのソースはExcel、OpenOffice.orgのCalc、StarOfficeのCalc、KOfficeのKspread、GNOMEのGnumeric、IBMのLotus 1-2-3、CorelのWordPerfect Suite Quattro Pro、wikiCalcやDocumentToGoのSheetToGoが含まれている。分科委員会は、世界中の様々な独立したアプリケーションのイノベーションを取り入れることにより、より包括的で優れた結果を出せるとしている。 誰にでもイノベーションの余地がある:諸関数には、アプリケーションに固有の名前空間が規定されている。これにより、各表計算ソフトは、現在または未来におけるスタンダードな関数、もしくは他のアプリケーションにより定義されている関数に干渉することなく新機能を追加することが出来る。結果的に、他のアプリケーションに干渉することなく、表計算ソフトは各々で新しい関数を追加することが出来る。その新しい関数に関して合意が行われたならば、標準化は可能である。名前空間はインターネットのネームサービスに基づいており、例えば、ORG.OPENOFFICE.STYLEはOpenOffice.orgに固有の関数となる。 国際化:この規格では、あらゆる人々が「.」を小数点に用いるとは見なされず、実際にはインターフェイスは一切強制されない。名付けられた表現は、その名称を各地域の文字セットを用いてもつことができる。 部分集合のサポート:アプリケーションは部分集合もしくは包合集合を実装できる。ユーザーが混乱するのを防ぐため、様々な「グループ」が定義されていて、これによりユーザーは特定の機能セットを要求できる。
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