【Ka-50】(けーえーごじゅう)
Kamov Ka-50
ロシアのカモフ設計局がMi-24の後継機として開発した攻撃ヘリコプター。
NATOコードはHokum(ホーカム)。愛称は「チョールナヤ・アクーラ」。
実戦試験として、チェチェン紛争において8機が投入された。
前作のMi-24とは違って完全な攻撃ヘリコプターとして設計されたため、兵員輸送能力を持たない。
コックピットは大幅に自動化され、攻撃ヘリコプターとしては世界初の単座型を実現した。
また、メインローターはアフガニスタンでの戦訓から二重反転ローターを採用している。
機体側面に多数のメンテナンスハッチを設け、局地戦での整備を容易にしている。
防御面では、NATO諸国軍が持つ12.7mm重機関銃の徹甲弾に耐えられる強度の装甲を装備した他、風防・キャノピーの防弾ガラスにも上記と同等の耐久性を備え、パイロットの生存性を高めている。
また、万が一の場合にも射出座席によって迅速なベイルアウトを可能とする。
スペックデータ
乗員 | 1名(Ka-50)/2名(Ka-52) |
主回転翼直径 | 14.5m |
全長 | 16.0m |
全高 | 4.93m |
ローター回転面積 | 165.1㎡ |
通常離陸重量 | 9,800kg |
最大離陸重量 | 10,800kg(Ka-50)/10,400kg(Ka-52) |
最大兵装搭載量 | 3,000kg |
エンジン | クリモフ TV3-117VMAターボシャフト(出力1,633kW)×2基(Ka-50) クリモフ TV3-117VMA-SB3ターボシャフト(出力1,838kW)×2基(Ka-52) |
最大速度 | 167kt |
海面上昇率 | 480m/min(Ka-52) |
垂直上昇率 | 600m/min(Ka-50、高度2,500m) |
実用上昇限度 | 5,500m |
ホバリング高度限界 | 4,000m(Ka-50、OGE) 3,600m(Ka-52、OGE) |
航続距離 | 1,200km(フェリー時、Ka-50) 270nm(Ka-52) |
戦闘行動半径 | 135nm(Ka-50) |
固定武装 | 2A42 30mm機関砲×1門(弾数470発(AP弾240発+HE弾230発)) |
兵装 | 下記兵装を最大2,000kgまで搭載可能。 対戦車ミサイル: ・9K121「ヴィキール」(AT-16「スカリオン」)(最大12発) ・9M120(AT-12「スウィンガー」) 空対空ミサイル: ・9M39「イグラ-1V」(最大4発) ・R-60(最大4発) ・R-73(最大4発) 対レーダーミサイル: ・Kh-25P その他兵装: ・B-8V20Aロケット弾ポッド(S-8ロケット弾20発×最大4基) ・B-13L1ロケット弾ポッド(S-13ロケット弾10発×最大2基) ・UPK-23-250 2連装23mmガンポッド×2基(弾数940発) ・FAB-500 500kg爆弾(最大4発) ・500リットル増槽(最大4発) |
派生型
- Ka-50:
基本型。
- Ka-50Sh:
単座夜間攻撃機型。
非公式愛称は「ノチュノーイ・オホートニク」。
- Ka-50N:
単座夜間攻撃ヘリコプター型。
- Ka-50-2「エルドガン」:
NATO向けに開発された複座型。
AH-1と同様、タンデム(縦列配置)式操縦席を採用している。
トルコの次期主力攻撃ヘリコプター選定の候補として挙げられたが、結局AH-1Zに破れた。
- Ka-52:
Ka-50の複座偵察攻撃ヘリコプター型。
愛称は「アリガートル」。NATOコードはホーカムB。
夜間攻撃用に「サムシート-50BM-1」温度探知システムが搭載され、レーザー誘導ミサイルによる攻撃力の向上が図られている。
- Ka-54:
Ka-52から開発されたタンデム複座式の派生型。
操縦席周辺の防御力の強化が図られている。
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