Jaguar_hard_pain_1944〜1994とは? わかりやすく解説

jaguar hard pain

(Jaguar_hard_pain_1944〜1994 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 01:13 UTC 版)

『jaguar hard pain』
THE YELLOW MONKEYスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル TRIAD / 日本コロムビア
プロデュース 吉井和哉
宗清裕之
チャート最高順位
THE YELLOW MONKEY アルバム 年表
EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー
1993年
jaguar hard pain 
1994年
smile
1995年
『jaguar hard pain』収録のシングル
  1. 悲しきASIAN BOY
    リリース: 1994年2月21日
テンプレートを表示

jaguar hard pain』(ジャガー・ハード・ペイン)は日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEYの3枚目のオリジナル・アルバム1994年3月1日日本コロムビア・TRIADレーベルよりリリースされた。

2000年8月19日に廉価盤、2013年12月4日に、リマスターBlu-spec CD2にて再発売。

解説

THE YELLOW MONKEY初のコンセプト・アルバム

「ジャガーが死ぬ以前に祖国に残してきた恋人マリーの魂を見てしまったため、肉体が滅んだことにも気付かず、魂だけが時を超え50年後の1994年にタイムスリップしてしまい、時代のズレを感じながらも恋人マリーを探す」というストーリー。また、ジャケットにはそのことを断片的に表す「1944-1994」の文字が入れられている。

ジャガーとは1944年に戦死した若者のことであり、肉体は死んでも魂だけは永遠に生きている人間の象徴である。名前はあがた森魚のアルバム『バンドネオンの ジャガー』から付けられた。吉井はライブでもジャガーになりきるため、この時期に髪を坊主にしている。

前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』の「シルクスカーフに帽子のマダム」の主人公はジャガーの恋人であるマリーである。

吉井は本作をデヴィッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』に影響されて作っており、「俺らなりのジギー・スターダスト」と語り[1]、更に「男性受けを狙った」と語っている[2]

ジャケット写真のエメラルドは、前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』でマリーに扮した吉井が付けている指輪がモチーフとなっている[3]

初回盤は初回限定プレスでカートン・ケースに納められてリリースされた。

2024年の「Sparkleの惑星X」ツアーにて、10枚目のアルバム「Sparkle X」と当アルバムを組み合わせてセットリストが形成された。

収録曲

CD
全作詞: 吉井和哉、全編曲: THE YELLOW MONKEY。
# タイトル 作詞 作曲 時間
1. 「SECOND CRY」 吉井和哉 吉井和哉
2. 「FINE FINE FINE」 吉井和哉 吉井和哉
3. 「A HENな飴玉」 吉井和哉 吉井和哉
4. 「ROCK STAR」 吉井和哉 吉井和哉
5. 「薔薇娼婦麗奈」 吉井和哉 吉井和哉
6. 「街の灯」 吉井和哉 菊地英昭・吉井和哉
7. 「RED LIGHT」 吉井和哉 吉井和哉
8. 「セルリアの丘」 吉井和哉 吉井和哉
9. 悲しきASIAN BOY 吉井和哉 吉井和哉
10. 「赤裸々GO! GO! GO!」 吉井和哉 吉井和哉
11. 「遥かな世界」 吉井和哉 吉井和哉
12. 「MERRY X'MAS」 吉井和哉 吉井和哉
合計時間:

楽曲解説

  1. SECOND CRY
    ジャガーが「今」の世に降り立つ場面を歌っている。歌詞カードに記載はされていないが、ラストのサビの部分に「シルクスカーフに帽子のマダム」の冒頭の部分[* 1]が重ねられている。
  2. FINE FINE FINE
  3. A HENな飴玉
    タイトルは麻薬の阿片と掛けている[4]
  4. ROCK STAR
    後に『SO ALIVE』にライブバージョンが収録された。当時TV神奈川の音楽番組のテーマ曲に使われていた[4]
    ほとんどのツアー、ライブで選曲されている。
  5. 薔薇娼婦麗奈
    ライブでは曲が開始する前に吉井が「麗奈」と叫ぶ。
  6. 街の灯
  7. RED LIGHT
    アルバムを制作する前からライブで披露されていた曲[4]。劇団女優の伴美奈子の唄から曲が始まる。タイトルは赤線を意味しており、売春をテーマとしている[2]。歌詞中の「VAGINA」という単語がスタッフに問題視されたものの、反対を押し切って使用された[5]
    なおこの曲は2000年のSPRING TOUR以降(吉井和哉ソロを除く)演奏されなかったが2016年12月28日の「メカラウロコ27」にて16年ぶりに披露された。
  8. セルリアの丘
    曲中のピアノは吉井が影響を受けたモーガン・フィッシャーが演奏している[1]。「セルリア」とは架空の丘の名前である[4]
    またこの曲は「メカラウロコ9」以降演奏されなかったが、前曲と同様2016年12月28日に行われた「メカラウロコ27」にて18年ぶりに披露された。
  9. 悲しきASIAN BOY
    3rdシングル。メカラウロコシリーズで必ず演奏されている。
  10. 赤裸々GO! GO! GO!
    3rdシングル「悲しきASIAN BOY」カップリング。当初、「異常者」と言う歌詞は「気狂い」となる予定であったが、事務所の意向により修正された[2]。JAGUAR HARD PAIN UNCORE TOURつわものどもの熱帯夜から1回目「蟻地獄で会いましょう」という歌詞の後にサビを追加している。
  11. 遥かな世界
    リリース当初、吉井は「『MERRY X'MAS』を補完する曲であり、大した曲ではない」という印象を持っていたが、6thアルバム『SICKS』のレコーディングでイギリスへ行った際にアルバムを聴き返し、再評価したという[6]
  12. MERRY X'MAS
    曲中で「あなた」、「君」と二人称が変わり、ライブでは吉井がジャガーとマリーの二役を演じていた。1998年に行われた「メカラ ウロコ・9」ではマリーに女装して演奏された。曲中のピアノは「セルリアの丘」同様、モーガン・フィッシャーが演奏している。
    歌詞中の「I Shall Return」はダグラス・マッカーサーが戦地を撤退する際に残した言葉である。「私は必ず戻ってくる」の意で、通常の用法では「I will return」であるが、貴族など高貴な身分の者が意志を強調する際に「Shall」を用いることがある。
    「Sparkleの惑星X」 BLOCK1最終日の12月28日日本武道館公演にて、ダブルアンコールで再結成後初披露された。

参加ミュージシャン

THE YELLOW MONKEY
その他の参加ミュージシャン

脚注

注釈

  1. ^ 「ジャガーはライフルであの世行き」という歌詞

出典

  1. ^ a b 吉井和哉のおセンチ日記
  2. ^ a b c ROCKIN'ON JAPAN 1994年3月号
  3. ^ SWITCH 2019 VOL.37. (2019) 
  4. ^ a b c d TRIAD COMPLETE BOX ブックレット
  5. ^ 「吉井和哉自伝 失われた愛を求めて」(ロッキング・オン
  6. ^ 「ブリッジ97年4月号」

外部リンク


jaguar hard pain 1944〜1994

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/19 07:01 UTC 版)

jaguar hard pain
THE YELLOW MONKEYスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル TRIAD / 日本コロムビア
プロデュース 吉井和哉
宗清裕之
チャート最高順位
28位(オリコン
THE YELLOW MONKEY 年表
EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー
1993年
jaguar hard pain 
1994年
smile
1995年
『jaguar hard pain』収録のシングル
  1. 悲しきASIAN BOY
    リリース: 1994年2月21日
テンプレートを表示

jaguar hard pain』(ジャガー・ハード・ペイン)は日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEYの3枚目のオリジナルアルバム。1994年3月1日日本コロムビア・トライアドレーベルよりリリースされた。

また、2000年8月19日に廉価盤が再発された。さらに、2013年12月4日に、リマスター盤Blu-spec CD2にて再発売。

解説

  • THE YELLOW MONKEY初のコンセプト・アルバム。「ジャガーが死ぬ以前に祖国に残してきた恋人マリーの魂を見てしまったため、肉体が滅んだことにも気付かず、魂だけが時を超え50年後の1994年にタイムスリップしてしまい、時代のズレを感じながらも恋人マリーを探す」というストーリーである。
  • ジャガーとは1944年に戦死した若者のことであり、肉体は死んでも魂だけは永遠に生きている人間の象徴である。名前はあがた森魚のアルバム『バンドネオンの豹(ジャガー)』から付けられた。吉井はライブでもジャガーになりきるため、この時期に髪を坊主にしている。
  • 前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』の「シルクスカーフに帽子のマダム」の主人公はジャガーの恋人であるマリーである。
  • 吉井は今作品をデヴィッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』に影響されて作っており、「俺らなりのジギー・スターダスト」と語っている[1]。また、吉井は今作を「男性受けを狙った」と語っている[2]
  • 初回盤は初回限定プレスでカートン・ケースに納められてリリースされた。

収録曲

  1. Second Cry (5:09)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    ジャガーが「今」の世に降り立つ場面を歌っている。歌詞カードに記載はされていないが、ラストのサビの部分に「シルクスカーフに帽子のマダム」の冒頭の部分が重ねられている。
  2. FINE FINE FINE (4:46)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
  3. A HENな飴玉 (3:49)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    タイトルは麻薬の阿片と掛けている[3]
  4. ROCK STAR (4:05)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    ロックスターになる願望が描かれている。ライブでは定番ナンバーの一つ。後に『SO ALIVE』にライブバージョンが収録された。当時TV神奈川の音楽番組のテーマ曲に使われていた[3]
  5. 薔薇娼婦麗奈 (4:52)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    ジャガーと娼婦である麗奈の関係を描いている。ライブでは曲間で吉井による麗奈への語りも披露されていた。
  6. 街の灯 (5:06)
    (作詞・作曲:吉井和哉・菊地英昭 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    浮浪者のように街を放浪するジャガーの曲。
  7. RED LIGHT (6:33)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    アルバムを制作する前からライブで披露されていた曲[3]。劇団女優の伴美奈子の唄から曲が始まる。タイトルは赤線を意味しており、売春をテーマとしている[2]。歌詞中の「VAGINA」という単語がスタッフに問題視されたものの、反対を押し切って使用された[4]
  8. セルリアの丘 (6:15)
    (作詞:吉井和哉 / 作曲:吉井和哉・菊地英昭 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    曲中のピアノは吉井が影響を受けたモーガン・フィッシャーが演奏している[1]。「セルリア」とは架空の丘の名前である[3]
  9. 悲しきASIAN BOY (4:35)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    3rdシングル。
  10. 赤裸々GO!GO!GO! (3:24)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    3rdシングル「悲しきASIAN BOY」カップリング。当初、「異常者」と言う歌詞は「気狂い」となる予定であったが、事務所の意向により修正された[2]
  11. 遥かな世界 (5:27)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    リリース当初、吉井は「『MERRY X'MAS』を補完する曲であり、大した曲ではない」という印象を持っていたが、6thアルバム『SICKS』のレコーディングでイギリスへ行った際にアルバムを聴き返し、再評価したという[5]
  12. MERRY X'MAS (6:58)
    (作詞・作曲:吉井和哉 / 編曲:THE YELLOW MONKEY)
    曲中で「あなた」、「君」と二人称が変わり、ライブでは吉井がジャガーとマリーの二役を演じていた。1998年に行われた「メカラ ウロコ・9」ではマリーに女装して演奏された。曲中のピアノは「セルリアの丘」同様、モーガン・フィッシャーが演奏している。
    歌詞中の「I Shall Return」はダグラス・マッカーサーが戦地を撤退する際に残した有名な言葉である。「私は必ず戻ってくる」の意で、通常の用法では「I will return」であるが、貴族など高貴な身分の者が意志を強調する際に「Shall」を用いることがある。

参加ミュージシャン

脚注

  1. ^ a b 吉井和哉のおセンチ日記
  2. ^ a b c ROCKIN'ON JAPAN 1994年3月号
  3. ^ a b c d TRIAD COMPLETE BOX ブックレット
  4. ^ 「吉井和哉自伝 失われた愛を求めて」(ロッキング・オン
  5. ^ 「ブリッジ97年4月号」

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