JRAプラス10
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:26 UTC 版)
「投票券 (公営競技)」の記事における「JRAプラス10」の解説
人気のある競走対象に投票が集中し、上記の控除率を適用した結果として払戻額が販売額以下になった場合は倍率1.0倍となり、的中しても払戻額が発売額と同額となる(100円元返し)。これに対し日本中央競馬会 (JRA) が運営する中央競馬では、原則としてすべてのレースで、元返しとなった場合の払戻金に10円を上乗せ(110円)する「JRAプラス10」のサービスを2008年から開始した。但し、特定の馬・組連番の番号に人気が極端に集中し、賭け式ごとの「払い戻し総額」と「上乗せすべき金額の総額」の合計が売り上げ総額を超える場合は、従来どおり100円元返しとなる(競馬法附則第5条第3項)。 以上の例外があるものの、導入当初、JRAは過去5年程度の票数データにJRAプラス10をあてはめた試算では元返しは1件も発生せず「元返しの心配はほとんどない」と広報していたが、導入により特に元返しが生じやすくJRAプラス10の恩恵を受けやすい複勝馬券の売れ行きに変化が生じたことから、導入から最初の1か月の間に5件の元返しが発生、特に施行初日の2008年1月5日の京都競馬第1競走で早々に100円元返しが発生するといった事態になり、「元返しの心配はほとんどない」という広報は行われなくなっている。なお、JRAの競走成績データによると2008年から2010年は年間38件の元返しが発生、2011年は更に増えて60件にもなっており、、導入前後で投票券の売れ行きの傾向に変化が生じている事が伺える。 制度上は全賭式が対象であるが、適用される賭式は殆どが単勝・複勝・ワイドの3賭式となっており、JRA公式サイトにおける実績表もこの3賭式でしか発生しない前提の表組みがされている。連勝式のJRAプラス10適用は2021年の開催終了までに計64回発生している(最初に発生したのは2008年7月26日新潟競馬第8レースのワイド)が賭式は全てワイドである。しかし、2022年1月16日の中京競馬第8レースにおいて3連複でJRAプラス10が適用され、3賭式以外での初の適用事例となった。 なお2011年には、チューリップ賞において単勝支持率81.4%のレーヴディソールが勝利、重賞としては初となる単勝のJRAプラス10が適用された。 オッズや払戻金の表示は、原則ではJRAプラス10を含む1.1倍で表示し、元返しとなる場合は赤字で「1.0倍」「100円」と表示している。なお、1.1倍・110円というオッズ・払戻金がJRAプラス10の適用によるものであるかないかの違いは殆どの場合は区別されないが、JRAの施設におけるオッズ・払戻金の表示の際は黄文字でJRAプラス10の適用を明示する場合がある。 1つの番号やその組み合わせのみが的中となる場合(複勝式やワイドでない場合)、的中票への投票率が100/110(約90.9パーセント)を超える場合は元返しになる。 払戻に充当できる額が「全体の非的中票の総額」に依存するため、複勝・ワイドといった2つ以上の番号やその組み合わせが的中となる賭式の払戻金は当該票の投票率のみならず他の的中票の投票率の影響を受けるが、故に「払い戻し総額」から「全体の非的中票の総額」を差し引いた剰余金(上乗せの原資)が変動することから、同じ投票率でも組み合わせにより上乗せの可否が異なるケースもある。オッズが1.0-1.0と表示されている場合、あらゆる組み合わせであっても上乗せが出来ないことになる。 オッズ1.0-1.1と表示されている場合は組み合わせ次第で上乗せの可否が変動する可能性があるということになるが、他の的中票が本命サイドであれば上乗せされずに元返しになる可能性が高い。他の的中票が当該票を除いて最上位の売上(上位人気)の組み合わせで確定するとほぼ確実に元返しになるが端数処理の関係でごく稀に例外が生じる場合もある。
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