ISO
分類:人工衛星
名称:Infrared Space Observatory(ISO)
小分類:科学衛星
運用機関・会社:欧州宇宙機関(ESA)
打ち上げ年月日:1995年11月17日
運用停止年月日:1998年4月8日
打ち上げ国名・機関:欧州/欧州宇宙機関(ESA)
打ち上げロケット:アリアン4
打ち上げ場所:ギアナ宇宙センター(GSC)
国際標識番号:1995062A
ISOは、欧州宇宙局が1995年に打ち上げた赤外線天体観測衛星で、この種のものとしては20世紀最後のプロジェクトです。ISOには極低温に冷却された赤外線望遠鏡が搭載されており、天体が発する赤外線をキャッチして解析することができます。赤外線は光に比べて吸収されにくいため、暗黒星雲や宇宙塵の雲に隠れた原始星や銀河中心核の研究に適しており、星の誕生の過程を知る大きな手がかりになります。地上では地球が発する赤外線に邪魔をされ、十分な研究ができないので、宇宙空間からのISOによる観測成果に大きな期待が寄せられています。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
円筒形の望遠鏡に、太陽電池の傘をかぶせたような形の望遠鏡衛星です。全長5.31m、高さ3.56m、幅2.77mで、総重量2.418トンになります。赤外線観測用に直径0.6m、焦点距離9mのカセグレン式反射望遠鏡をもち、機体からの熱放射を防ぐため、液体ヘリウムでマイナス270度(3度k)に冷却されます。
2.どんな目的に使用されるの?
ISOの目的は、天体から放射される波長2.5〜200マイクロメートルの赤外線のスペクトル分析や光度判定などを行ない、地球にデータを送ることです。送信されたデータは、星間物質や原始星雲、銀河の中心核などの組成をを調べ、星の誕生するプロセスを知るための貴重な資料となります。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
ISOは1日に約40回、1ヵ月で400時間の観測を行ないます。1998年2月6日までに、観測回数と時間はすでに24,293回、9,575時間にのぼり、膨大なデータが地球へと送信されました。
ISOはその後観測を継続しましたが、機体を冷却するための液体ヘリウムの残存量から、1998年4月8日に寿命を迎えました。
4.どのように地球を回るの?
近地点距離1,036km、遠地点距離70,578kmの長楕円軌道をとり、約1日(23時間56分)で地球を周回します。
赤外線宇宙天文台
(Infrared Space Observatory から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 21:24 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ISO | |
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所属 | 欧州宇宙機関 (ESA) |
公式ページ | http://sci.esa.int/science-e/www/area/index.cfm?fareaid=18 |
国際標識番号 | 1995-062A |
カタログ番号 | 23715 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 宇宙望遠鏡 |
観測対象 | 近赤外、中間赤外、遠赤外 |
打上げ機 | アリアン44P |
打上げ日時 | 1995年11月17日 |
運用終了日 | 1998年5月 |
物理的特長 | |
質量 | 2400 kg |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
近点高度 (hp) | 1000 |
遠点高度 (ha) | 70500 |
軌道周期 (P) | 約24時間 |
観測機器 | |
ISOCAM | 赤外線カメラ |
ISOPHOTO | 赤外線測光装置 |
SWS | 短波長分光器 |
LWS | 長波長分光器 |
赤外線宇宙天文台 (Infrared Space Observatory, ISO) は欧州宇宙機関の赤外線天文衛星である。1995年11月17日にアリアン44Pロケットで打ち上げられ、1998年5月まで観測を行った。
概要
口径60cmの望遠鏡を装備し、これを液体ヘリウムによって2-4Kまで冷却することにより、波長2.5~240マイクロメートルの赤外線を高感度で観測した。先立って赤外線の観測を行ったIRASが全天を観測し赤外線宇宙地図を作成することを目的にしていたのに対し、ISOは個々の天体に対して詳細観測を行うことを目的としていた。
望遠鏡諸元
- 形式
- 反射式
- 口径
- 60 cm
- 集光面積
- 約 0.3 m2
その他の赤外線天文衛星
外部リンク
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