F1におけるパルクフェルメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/08 07:46 UTC 版)
「パルクフェルメ」の記事における「F1におけるパルクフェルメ」の解説
F1におけるパルクフェルメは、シーズンによってルールの違いは見られるものの、大まかに一定しているルールをここでは記載する。現行ルールではレースセッションを行っていない状態のマシンを「パルクフェルメ状態」と呼ぶ。つまり、フリー走行、公式予選、決勝レースでコースで走行している状態以外は厳密にはこれに該当する。 以前よりパルクフェルメにマシンを保管するルールは存在したが、現在のように厳密なものではなかった。「予選から決勝までパルクフェルメ内で保管を行い、一切外部からの力を与えてはならない」とする現行ルールの元となるレギュレーションが制定されたのは2003年からである。レギュレーション上では基本的に予選終了後の土曜日18:30から決勝当日の日曜日8:30までパルクフェルメにて各マシンは保管されなくてはならない。(※:ただし、下記の特例あり) しかし、2010年より参戦チームが増え、すべてのマシンを一カ所に集めて管理することが困難となった。そのため、マシンを各チームのガレージに錠付きのカバーをかけて保管し、カメラによって監視することでパルクフェルメルールを運用している。 この期間中は特別な許可がない限りはマシンに触れることも許されない。保管している期間中、オフィシャルはマシンの計量、寸法、その他の装備品がF1レギュレーションと照らし合わせて準拠しているか否かを厳密に調査する。 この調査はレースが行われる当期のレギュレーションに準拠する。パルクフェルメから離れたマシンは、すなわち先述の「パルクフェルメ状態」にあたり、チームがマシンに対して行う作業は、レギュレーションで厳格に規定された作業に限定されている。また、これらの作業はFIAのテクニカルチーフとオフィシャルの厳しい監視の下でのみで実施が許可される。この「パルクフェルメ状態」の間は小規模の改良は許可されているが、これも2010年のF1世界選手権のルールに準拠する。したがって、ブレーキオイルの注油やフロント/リアウィングの角度変更などは認められるものの、Q3進出者はQ2でベストタイムを出したときはいていたタイヤでスタートしなければならない、とルール化されているため、現在では下記の「例外」以外は認められない。ギアボックスやエンジンを丸ごと交換する場合は、レギュレーションに相応するペナルティが課される。ただし、ギアボックスに関しては「ギアレシオの変更」はパルクフェルメ状態で行ってよいとされる作業に認められており、ギアレシオの変更を主催者側に申告して許可されれば、パルクフェルメ状態のマシンでも作業を行うことができる。また2010年よりレース中の給油が禁止されたため、給油も認められている。 タイヤ交換が許可される「例外」としては、天候の変化である。例えば、予選で雨だったが決勝では晴天になった場合、あるいはその逆に予選では晴れたものの、決勝では雨天になった場合はその天候に応じた適切なタイヤ交換が認められる。2009年までは決勝スタート時での予選タイヤの使用義務はなく、パルクフェルメにおいてのタイヤ交換も認められていた。 決勝レースで、チェッカーフラッグを受けた後、1周を走行後、ドライバーはパルクフェルメにマシンを駐車しなければならない。1位から3位までのマシン(表彰台に上る義務があるドライバーのマシン)と、それ以下のマシンで駐車する場所が異なるものの、各マシンが駐車するエリアはパルクフェルメ内であると定められている。また、近年ではレース終了後の重量計測が厳密化されているため、チェッカーフラッグを受けてウィニングランを行うドライバーは以前のようにコース中央を凱旋するよりも、コーナーのアウト側などタイヤカスやゴミが多い場所を走行し、あえてタイヤの表面にゴミを多く付着させた状態でパルクフェルメに戻ってくるようにしている。これは、パルクフェルメでマシン測定を行う場合「マシンに付着しているものはマシンの一部とみなす」ためであり、タイヤカスやゴミが少しでもマシンに付着していれば、当然ながら重量が増える。これは、このようなゴミ同然のようなものであれ「オフィシャルはマシンから取り除いて最終重量を測定してはならない」と取り決められているためである。 逆に、レース終盤にクラッシュによってマシンのパーツが多く欠損した状態でチェッカーフラッグを受け、パルクフェルメで最終重量を測定した結果、規定重量に満たなかったために失格になるケースもある。
※この「F1におけるパルクフェルメ」の解説は、「パルクフェルメ」の解説の一部です。
「F1におけるパルクフェルメ」を含む「パルクフェルメ」の記事については、「パルクフェルメ」の概要を参照ください。
- F1におけるパルクフェルメのページへのリンク