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ESPY賞
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ESPY賞(エスピーしょう、英:ESPY Award)は、アスリートに贈られる賞の一つ。「スポーツ・パフォーマンスの年間最優秀賞」を意味する Excellence in Sports Performance Yearly Award(日本語音写例:エクセレンス イン スポーツ パフォーマンス イヤーリー)の略称で、アメリカ合衆国の大手スポーツ専門放送チャンネルであるESPNが主催する賞であり、発表される月(近年では7月)から数えて過去1年間のパフォーマンス(能力の発揮ぶり)がスポーツ・アスリートの中で最も優れていると評価した人物(男女別)に授与するものである。日本では「アメリカ・スポーツ界のアカデミー賞[1]」と形容されることが多い。
スポーツ分野で分けない総合部門での受賞者は、日本語の場合、男性・女性それぞれを「最優秀男性アスリート[2][3]」「最優秀女性アスリート」などと呼称するのが通例。
世界のスポーツ・アスリートを評価対象としているが、歴代受賞者のほとんどがアメリカ人であることから分かるとおり、アメリカ人の好みが色濃く反映されている。事実上は、米国もしくは米国とカナダのスポーツ界を舞台にした賞である。
概要
第1回の表彰式は、1993年にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで執り行われた。当時は生中継で放送された。2002年からは表彰式をMLBオールスターゲームの翌日に行うようになり、ESPNでの放送も次の日曜日に録画したものを流す形に変わった。例外として、2010年は、MLBオールスターゲームがアナハイムで開催されたため、生中継で放送されている。
表彰式
- 開催回:開催年月日(曜日):式典会場(所在地域):ホスト/プレゼンター(肩書き)
- 第1回:1993年3月4日(木):マディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク市マンハッタン区):デニス・ミラー(コメディアン)
- 第2回:1994年2月14日(月):マディソン・スクエア・ガーデン:デニス・ミラー (コメディアン)
- 第3回:1995年2月13日(月):ラジオシティ・ミュージックホール(ニューヨーク市マンハッタン区):ジョン・グッドマン(俳優)
- 第4回:1996年2月12日(月):ラジオシティ・ミュージックホール:トニー・ダンザ(俳優)
- 第5回:1997年2月10日(月):ラジオシティ・ミュージックホール:ジェフ・フォックスワーシー(コメディアン)
- 第6回:1998年2月9日(月):ラジオシティ・ミュージックホール:ノーム・マクドナルド(俳優)
- 第7回:1999年2月15日(月):ラジオシティ・ミュージックホール:サミュエル・L・ジャクソン(俳優)
- 第8回:2000年2月14日(月):MGMグランド・ガーデン・アリーナ(ラスベガス):ジミー・スミッツ(俳優)
- 第9回:2001年2月12日(月):MGMグランド・ガーデン・アリーナ:サミュエル・L・ジャクソン(俳優)
- 第10回:2002年7月10日(水):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター)(ハリウッド):サミュエル・L・ジャクソン(俳優)
- 第11回:2003年7月16日(水):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター):ジェイミー・フォックス(俳優)
- 第12回:2004年7月18日(日):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター):ジェイミー・フォックス(俳優)
- 第13回 (en) :2005年7月17日(日):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター):マシュー・ペリー(俳優)
- 第14回:2006年7月16日(日):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター):ランス・アームストロング(自転車ロードレース選手)
- 第15回:2007年7月15日(日):コダック・シアター(現・ドルビー・シアター):レブロン・ジェームズ(男子バスケットボール選手)、ジミー・キンメル(司会者等)
- 第16回:2008年7月20日(日):マイクロソフト・シアター(ロサンゼルス):ジャスティン・ティンバーレイク(シンガーソングライター)
- 第17回 (en) :2009年7月19日(日):マイクロソフト・シアター:サミュエル・L・ジャクソン(俳優)
- 第18回 (en) :2010年7月14日(水):マイクロソフト・シアター:セス・マイヤーズ(俳優)
- 第19回 (en) :2011年7月13日(水):マイクロソフト・シアター:セス・マイヤーズ(俳優)
- 第20回 (en) :2012年7月11日(水):マイクロソフト・シアター:ロブ・リグル(俳優)
- 第21回 (en) :2013年7月17日(水):マイクロソフト・シアター:ジョン・ハム(俳優)
- 第22回 (en) :2014年7月16日(水):マイクロソフト・シアター:ドレイク(ラッパー)
- 第23回 (en) :2015年7月15日(水):マイクロソフト・シアター:ジョエル・マクヘイル(俳優)
- 第24回 (en) :2016年7月13日(水):マイクロソフト・シアター:ジョン・シナ(プロレスラー)
- 第25回 (en) :2017年7月12日(水):マイクロソフト・シアター:ペイトン・マニング(元アメリカンフットボール選手)
- 第26回 (en) :2018年7月18日(水):マイクロソフト・シアター:ダニカ・パトリック(女性レーシングドライバー)
- 第27回 (en) :2019年7月10日(水):マイクロソフト・シアター:トレイシー・モーガン(俳優)
- 第28回 (en) :2020年7月21日(火):新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、授賞そのものが無く、開催されなかった。:ラッセル・ウィルソン(アメリカンフットボール選手)、ミーガン・ラピノー(男子サッカー選手)、スー・バード(女子バスケットボール選手)
- 第29回 (en) :2021年7月10日(土):サウス・ストリート・シーポートはピア17 (Pier 17) の屋上(ニューヨーク市マンハッタン区):アンソニー・マッキー(俳優)
- 第30回 (en) :2022年7月20日(水):ドルビー・シアター(ハリウッド):ステフィン・カリー(男子バスケットボール選手)
表彰
- 最優秀アスリート賞
- 各スポーツ界の最優秀選手賞
受賞者
- 人名の後に添えられていることのある囲み数字は、受賞歴が複数ある場合の累積回数を意味する。
- 男女各部門の表記内容は、受賞者の氏名、スポーツの種類、あれば( )丸括弧内に、所属リーグ名。
- 受賞回数最多は、アスリート個人ではタイガー・ウッズ(ゴルフ)の5回、スポーツの種類では男子バスケットボールの9回である(男女合わせれば16回)。女性部門に限っても、やはりバスケットボールの7回が最多。アメリカ人以外で受賞回数最多なのは、2回連続受賞したスウェーデン人のアニカ・ソレンスタム(ゴルフ)である。
| 年 | 最優秀男性アスリート部門 | 最優秀女性アスリート部門 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 1993年 |  マイケル・ジョーダン |  モニカ・セレシュ | |||
| 1994年 |  バリー・ボンズ |  ジュリー・クローン | |||
| 1995年 |  スティーブ・ヤング |  ボニー・ブレア | |||
| 1996年 |  カル・リプケン・ジュニア | 
       野球 (MLB)
       |  レベッカ・ロボ | ||
| 1997年 |  マイケル・ジョンソン |  エイミー・ヴァン・ダイケン | |||
| 1998年 |  タイガー・ウッズ (1) |  ミア・ハム | |||
|  ケン・グリフィー・ジュニア | 
       野球 (MLB)
       | ||||
| 1999年 |  マーク・マグワイア | 
       野球 (MLB)
       |  チャミーク・ホールドスクロー (1) | ||
| 2000年 |  タイガー・ウッズ (2) | 
       ゴルフ
       |  ミア・ハム (2) | 
       サッカー
       | |
| 2001年 |  タイガー・ウッズ (3) | 
       ゴルフ
       |  マリオン・ジョーンズ | ||
| 2002年 |  タイガー・ウッズ (4) | 
       ゴルフ
       |  ビーナス・ウィリアムズ | ||
| 2003年 |  ランス・アームストロング (1) |  セリーナ・ウィリアムズ (1) | 
       テニス
       | ||
| 2004年 |  ランス・アームストロング (2) | 
       自転車ロードレース
       |  ダイアナ・トーラジ | ||
| 2005年 |  ランス・アームストロング (3) | 
       自転車ロードレース
       |  アニカ・ソレンスタム (1) | ||
| 2006年 |  ランス・アームストロング (4) | 
       自転車ロードレース
       |  アニカ・ソレンスタム (2) | 
       ゴルフ
       | |
| 2007年 |  ラダニアン・トムリンソン |  タリーン・モーワット | |||
| 2008年 |  タイガー・ウッズ (5) |  キャンデース・パーカー | 
       バスケットボール
        (NBA) | ||
| 2009年 |  マイケル・フェルプス |  ナスティア・リューキン | |||
| 2010年 |  ドリュー・ブリーズ | 
       アメリカンフットボール
        (NFL) |  リンゼイ・ボン (1) | ||
| 2011年 |  ダーク・ノヴィツキー |  リンゼイ・ボン (2) | 
       スキー
       | ||
| 2012年 |  レブロン・ジェームズ (1) | 
       バスケットボール
        (NBA) |  ブリトニー・グライナー | ||
| 2013年 |  レブロン・ジェームズ (2) | 
       バスケットボール
        (NBA) |  セリーナ・ウィリアムズ (2) | ||
| 2014年 |  ケビン・デュラント | 
       バスケットボール
        (NBA) |  ロンダ・ラウジー (1) | ||
| 2015年 |  ステフィン・カリー | 
       バスケットボール
        (NBA) |  ロンダ・ラウジー (2) | 
       総合格闘技
       | |
| 2016年 |  レブロン・ジェームズ (3) | 
       バスケットボール
        (NBA) |  ブレアナ・ステュアート | ||
| 2017年 |  ラッセル・ウェストブルック | 
       バスケットボール
        (NBA) |  シモーネ・バイルズ | ||
| 2018年 |  アレクサンドル・オベチキン |  クロエ・キム | |||
| 2019年 |  ヤニス・アデトクンボ | 
       バスケットボール
        (NBA) |  アレックス・モーガン | ||
| 2020年 | 新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、授賞なし。 | ||||
| 2021年 |  トム・ブレイディ | 
       アメリカンフットボール
        (NFL) |  大坂なおみ | ||
| 2022年 |  大谷翔平[4] |  ケイティ・レデッキー[5] | |||
| 2023年 |  パトリック・マホームズ | 
       アメリカンフットボール
        (NFL) |  ミカエラ・シフリン | ||
| 2024年 |  パトリック・マホームズ (2) | 
       アメリカンフットボール
        (NFL) |  エイジャ・ウィルソン | 
       バスケットボール
        (NBA) | |
| 2025年 |  シェイ・ギルジャス=アレクサンダー | 
       バスケットボール
        (NBA) |  シモーネ・バイルズ (2) | 
       体操競技
       | |
脚注
出典
- ^ 「エンゼルス大谷翔平が「米スポーツ界のアカデミー賞」2部門にノミネート」『日刊ゲンダイDIGITAL』株式会社日刊現代、2022年6月29日。2022年7月22日閲覧。
- ^ 「大谷「ESPY賞」2冠 最優秀男性アスリート賞、MLB賞に選出」『AFPBB News』AFP、2022年7月21日。2022年7月22日閲覧。
- ^ 「大谷翔平ら歴代ESPY賞「最優秀男性アスリート」/一覧」『日刊スポーツ東日本版』日刊スポーツ新聞社、2022年7月22日。2022年7月22日閲覧。
- ^ a b “ESPYS 2022 -- Shohei Ohtani wins Best Athlete in Men's Sports” (English) (2022年7月21日). 2022年7月22日閲覧。
- ^ a b “Katie Ledecky sends message to young athletes after accepting award” (English). official website. ESPN. ESPN Enterprises, Inc. (2022年7月21日). 2022年7月22日閲覧。
外部リンク
- Espyのページへのリンク

 
                             
                    





