BOINCクライアントの場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 09:29 UTC 版)
「World Community Grid」の記事における「BOINCクライアントの場合」の解説
「BOINC」の「World Community Grid」も参照。 Windows、Mac、Linuxのいずれかのオペレーティングシステムで稼働しているパソコンなどを使用する者がWCGのサイトから会員登録を行いメンバーとなり「World Community Grid ソフトウェア」と呼ばれるBOINCクライアントをインストールし稼働をさせる。一旦稼働させればパソコンなどのユーザであるメンバーは設定を行わなくとも電源投入後自動的にバックグラウンドで働き、電源切断時も何らの介在を要しない。 一旦稼働後の段階からWCGのメンバーとして参加し貢献をすることとなる。必須事項ではないが言語の選択はツールバーの「Avanced」「Options」「language selection」の中から自分の好む言語を選択しその言語での表示とできる。言語の選択肢は200通りを越え、一例として英語の場合16通りの中から選ぶことができる。一般に英語と言われるものから、アメリカ英語、イギリス英語、さらにはフィリピン英語やジンバブエ英語なども選択できる。中国語は7通り、アラビア語は18通りある。「Japanese」を選択して日本語表示とできる。 WCGではいくつかのプロジェクトがありデフォルトではすべてのプロジェクトに参加することとなるが、個々のプロジェクトも参加の可否を指定できる。またインストールし稼働するとスクリーンセーバもWCGとなり参加してタスクとして処理中のプロジェクトのものが表示される。 WCGでは新規のプロジェクトが立ち上がったり、プロジェクトが完了することもある。「すべてのプロジェクトに参加する」という設定にしておけば、これらのプロジェクトの増減に気を払う必要はなくなる。メンバーが選択したプロジェクトはWCG本部のサーバーに記憶され該当するプロジェクトのタスクが与えられる。 日本語表示の場合「高度な操作」、「プレファレンス」から「プロセッサー使用設定」をデフォルトの60%以外に変える事ができる。ここでの60%とはBOINCソフトウエアでタスクの処理をCPUで一時的に100%稼働させ、直後にタスクの処理を休止し0%となる。このことを約3秒から5秒間隔で繰り返しタスクは細切れに処理され、パソコン自体のプロセッサーの使用率はWCGのタスクとパソコン本来の用途であるアプリケーションやOSを含めて平均で60%となることを意味する。一般にWCGへの参加を行ってもそれが原因となってパソコンでの他のアプリケーションの処理速度が著しく落ちることはないとされる。また「休止」と「一時停止」と呼ぶ処理の中断が行え、何らかの理由によりCPUの能力をWCG以外のアプリケーションに集中させる必要がある場合にも対応できる。「休止」を解かなければ1時間中断、「一時停止」はそれを解くまで時間制限無く中断状態は維持される。 WCGではFAQやパソコンなどの必要なリソースとしてのハードウエア構成は頻繁に変更されるため、このことに関しては英語でのみ表示され次に示す外部リンクのWCGのサイトで示される仕様が必要となる。 WCGサイトで示される参加に必要なパソコンの仕様 プロジェクトごとにメモリーとハードディスクドライブ必要容量は異なるが、一般的な仕様と構成を持つパソコンであればその中のメモリー250MB、ハードディスクドライブ100MBを使用し十分対応できる。特定のプロジェクトの特定のタスクは世界中の複数のメンバーに重複して配布されるので、自分のパソコンがタスクに対応出来なかったり、中断が長時間行われたとしても、他のメンバーがそのタスクを処理してくれる。 なおBOINCクライアントを稼働した後、WCGのプロジェクトへの参加に加えてBOINCのプロジェクトへもメールアドレスなどを登録しそれぞれのプロジェクトのメンバーとなって参加できる。これらのすべてのプロジェクトのタスクには「報告期限」と呼ばれる締切の年月日時分秒が決められておりCPUの処理速度が低速であったり、極度にリソースの割り当てを少ない設定とすると期限までにタスクを終了できず単なる無駄に終わることもこともあり、各タスクの進捗状況を見ながら貢献させるリソースを決めることが奨められる。2009年7月末時点で約20のBOINCのプロジェクトへの参加が選択できるが、多くのプロジェクトへの参加の設定をしても同時に1つまたは2つのタスク処理しか行えず、分散コンピューティングへの参加の貢献度が増える訳ではない。またWCGのプロジェクトへは少なくとも1つ以上参加しなければならない。WCG以外にもBOINCの他のプロジェクトへの参加が可能である。
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