エイズ【AIDS】
エイズ
英訳・(英)同義/類義語:AIDS, , AIDS, Acquired ImmunoDeficiency Syndrome, , acquired immunodeficincy syndrome
ヒトのT細胞に感染するエイズウイルス、HIV(Human Immunodeficiency Virus)による感染症で、免疫不全による様々な合併症を引き起こす。
AIDS
エイズ
【概要】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって起こるHIV感染症の末期状態を定義した言葉。免疫の力が低下して、健康な状態では到底かからない感染症(日和見感染症)にかかったり、悪性腫瘍(日和見腫瘍)が発生して、最後には死にいたる。従ってエイズの診断は、HIV感染(+免疫能低下)+23のエイズ指標疾患または状態があることによって下される。
【詳しく】 ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルスウイルスや非定型抗酸菌症の発症を予防すれば、CD4細胞数が非常に低くなってもエイズ指標疾患が発生しないかもしれない。このためアメリカは1993年からCD4細胞数が200/μL以下の場合もサーベイランス上ではエイズとすることにした。これはCD4数測定が大切なことを伝えると共に、医療や福祉の早期介入を法的にしやすくする政策的な狙いがあった。ただしCD4細胞数の検査が困難な場合もあるので、多くの国では必須項目にしていない。
《参照》 日和見感染症、 日和見腫瘍、 CDC分類カテゴリーC
後天性免疫不全症候群
HIV/AIDS
1981年に米国で、免疫不全症状がありカリニ肺炎を発症していた男性同性愛者の患者が現われ、それまでに記載されたことのない新規の疾患らしいということで、米国のCDCはこれを後天性免疫不全症候群(Acquired ImmunoDeficiency Syndrome :AIDS)と名づけた。1983年には、この疾患の原因ウイルスが患者のリンパ節培養から発見され、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus: HIV)と名づけられた。このウイルスはRNAでできているレトロウイルスのレンチウイルス亜科に属し、免疫機能をになうTリンパ球やマクロファージの細胞膜上のCD4分子をレセプターとしてそこから細胞内に侵入し、自らの逆転写酵素を用いて二本鎖DNAとなり、宿主ゲノムに組み込まれる。
HIVの感染経路は血液・体液感染、性感染、母子感染の3つで、感染効力は血液感染が強いが世界で最も比重の高いのは性感染である。いったんHIVが感染すると10年前後はほとんど無症状で経過し、血液検査をしない限り気がつかれない。この無症状期の間、CD4+細胞の破壊と増殖のせめぎあいが続いているが、通常1ulの血液中に1000個前後あるCD4+リンパ球が200以下くらいになってくると、ついに免疫不全症状を呈するようになる。すなわち通常の免疫能があれば感染しても症状を出さない弱い病原体による日和見感染が頻繁となる。このような症状を呈するようになって以降をAIDS(エイズ)という。このためHIV感染があるが無症状の状態と有症状のエイズを総称してHIV/AIDSと呼んでいる。(若杉なおみ)
参考資料:Atlas of AIDS Science Press Tokyo Japan 2002
固有名詞の分類
病気の別名 | acute bacterial endocarditis メビウス症候群 acquired immunodeficiency syndrome 血栓性血小板減少性紫斑病 Alport syndrome |
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