AMF設計に際して考慮された点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 01:20 UTC 版)
「Additive Manufacturing File Format」の記事における「AMF設計に際して考慮された点」の解説
ASTMがAMFの仕様を策定するにあたって事前調査を行った結果、新しいフォーマットに最も望まれているのは特定の企業による独占的なフォーマットでないことであった。またSTLフォーマットでは単位(mm,inch等)の指定ができないことや三角パッチ同士の接続を保障してしないことなどによる造形可能性の問題が懸念事項として残っている。その他の主要な要求事項としては、忠実度の高い幾何形状を小さいファイルサイズで表現すること、複数の素材、色、微細構造の記述がある。積層造形の分野で幅広く利用されるために以下の事項について考慮されている。 テクノロジー的独立:ファイルフォーマットはあらゆる装置で最高品質の造形ができるように、一般的な方法でオブジェクトを記述しなければならない。幾何分解能や積層造形における一層の厚さは特定の製造プロセスや技術を指定する情報ではないので装置非依存の情報である。テクノロジー的独立を保つ上で高性能の装置だけが実現できる機能(例えば、色、複数素材など)を含むことを否定するものではないが、特定の装置以外では造形自体ができないような排他性を有する情報の定義は避けなければならない。 わかりやすさ:ファイルフォーマットは実装しやすく、理解しやすい必要がある。フォーマットは理解しやすさと扱いやすさを保つため、シンプルなテキストエディタで読めて、編集できる必要がある。また同一の情報を複数の場所に格納すべきではない。 拡張性:ファイルフォーマットは部品の複雑度やサイズの増加、製造設備の加工精度等の向上に伴い対応すべきである。これには同一オブジェクトの大きな配列、複雑に繰り返される内部構造(例えば、メッシュなど)、滑らかな曲面の表現や造形時の最適な複数のコンポーネントの配置の実現が含まれる パフォーマンス:ファイルフォーマットは読み込みと書き出しの操作を合理的な時間(即時性)で可能で、典型的な大きなオブジェクトのファイルサイズが合理的な大きさでなければならない。 後方互換性:現存するあらゆるSTLファイルは情報の欠落や追加の情報なしに直接AMFファイルに変換される必要がある。また既存のシステムの為にAMFファイルもまたSTLに容易に変換できるが、AMFで追加された機能は失われる。 前方互換性:急速に変化する産業に追従する為、ファイルフォーマットは後方互換性を保ったまま、容易に拡張できる必要がある。これは先進的な技術によって追加された新しい機能の実現と旧来の装置での完全な動作を同時に保障することを意味する
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