68式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 02:11 UTC 版)
「Mk 32 短魚雷発射管」の記事における「68式」の解説
海上自衛隊では、Mk.44 Mod.1短魚雷の導入に伴い、昭和36年度計画駆潜艇(後期うみたか型・みずとり型)および同年度護衛艦(後期いすず型)よりMk.32を導入した。計画年度は同じだが、駆潜艇のほうが早く建造が進むことから、こちらが海自での初搭載となった。これはアメリカ海軍から購入した図面を渡辺鉄工に官給して国内で生産したものであり、当初はMk.43とMk.44の両方を想定して、上下・左右に4本の溝を持つ仕様で製造をスタートした。その後、海上自衛隊ではMk.43が不採用となったため、「ひよどり」(39PC)搭載の15・16号機からは上下2本の溝を持つ仕様となり、また「あさぐも」(39DDK)搭載の21・22号機からは発射気蓄器の肉厚を減少して軽量化した。ただしこの気蓄器は他の高圧気蓄器と同様の鋼製であり、ガラス繊維強化プラスチックを使っていたアメリカ製品と比して依然として重く、結果として、魚雷を装填していない空体時の発射管の重心位置が旋回ベアリングの外側に来てしまって後部側が重くなり、旋回ハンドルの操作に大きな力が必要となっていた。 これらの日本国内製造品は、当初は水上発射管HOS-301と呼称されていた。その後、内局より「制式化された装備品でなければ部隊の使用に供してはならない」との指導があったことから、1968年4月30日に制式要項が定められ、昭和44年度の特別改造で「あやなみ」が搭載した39・40号機より68式3連装短魚雷発射管となった。制式化後は調達実施本部仕様書に基づいて調達されることになったが、この仕様書の改訂が煩雑なこともあって、あまり改善がなされずに、長期間に渡って同一仕様で調達されることになった。特に課題となったのが魚雷保温のための管体ヒーターの絶縁保持であり、構造上防水が難しかったためにヒーター回路を常時「断」としている艦艇が多かったものの、実装魚雷を搭載して行動する海域に寒冷地が含まれるようになってきたことから、この解決が懸案事項となった。昭和56年度より、寒冷地対策および重心位置修正を主眼とする大規模な改修が実施されることになり、あわせて調達実施本部仕様書ではなく海上自衛隊仕様書によって調達することになった。これによって新造艦用に調達した発射管が水上発射管HOS-301(C)であり、「あさゆき」(57DD)より装備された。またその後、Mk.46の発射に必要な所定の機能を付与した水上発射管HOS-301(D)が調達されるようになった。既就役艦の68式なども順次に同仕様に改修され、こちらもHOS-301(D)と称されている。 そしてこんごう型護衛艦(63DDG)では、戦闘場面で暴露甲板において乗員作業が必要な武器は3連装短魚雷発射管しか残っていなかったことから、これも甲板上での作業をできるだけ減らせるように、発射直前に行う「切換弁操作レバー」の操作を遠隔実施可能なように改修した水上発射管HOS-302が採用された。また水上発射管HOS-303では97式魚雷の発射に対応した。 搭載艦 body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}はるな型護衛艦 しらね型護衛艦 ひゅうが型護衛艦 ミサイル護衛艦「あまつかぜ」 たちかぜ型護衛艦 はたかぜ型護衛艦 こんごう型護衛艦 あたご型護衛艦 まや型護衛艦 やまぐも型護衛艦 みねぐも型護衛艦 たかつき型護衛艦 いすず型護衛艦 ちくご型護衛艦 護衛艦「いしかり」 ゆうばり型護衛艦 はつゆき型護衛艦 あさぎり型護衛艦 あぶくま型護衛艦 むらさめ型護衛艦 たかなみ型護衛艦 あきづき型護衛艦 あさひ型護衛艦 もがみ型護衛艦 みずとり型駆潜艇 うみたか型駆潜艇
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