6-8章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 03:59 UTC 版)
6人は夜鷹山山頂の井戸に向かう。天順と谷村が手動式エレベーターを操作して、他の4人が井戸底の遺跡へと降りる。壁には春画や文字が記されている。曰く、肝盗村の起源とは、関東の邪教の村が徳川家康にまるごと蝦夷流しにされたものであるという。蓮観の署名がなされており、これが与太ではなく真実なら大発見である。文弥、竹実、寿美子は根本義真言宗が立川流であったことを知り感動に包まれるが、道子は重要度が全く理解できない。 4人の前に化物が姿を現す。そいつは、寿美子の頭部の下に純白の紐状のものが垂れ、先端には橙色の海星そっくりの手がついており、「朽木茜と申します」と名乗って来る。そいつが道子の経血と文弥の精を欲しがっていることを理解した2人は戦慄し、顔を盗まれた寿美子は絶叫する。文弥は鉄棒で怪物を串刺しにして殺し、竹実は怪物の死体を焼く。4人は、村長と谷村が時おり蓮観師に憑依されていたのだと理解し、また文弥は回廊の向こう側には封印を破ってこちらに側に侵入しようとするやつらが蠢いていることを体感する。 連帯感を強めた4人が地上へと戻ると、谷村と天順の姿はない。時計はすでに午後8時を指している。歩いて寺まで戻る道中、9月8日の夜宮、9日の本祭、10日の闇送りの全てを混ぜて行われている光景を目撃し、もう今日の日付すらわからない。また流星が函館方面に降り注いでおり、函館では大火が起こっているようだ。4人は蓮観が妖術師であるとみなし、倒さなければならないと結論付ける。文弥が蓮観の居室に乗り込んだところ、天順が待ち受けていた。蓮観の意識は、天順を乗っ取ろうとし、両者は激しい争いの末、乗っ取りに失敗した蓮観は撤退するが、天順は命を落とす。 祭りに狂乱する村人たちの隙を突いて、紹隆ら虚無僧たちは村の家々に放火する。栄次郎の船は沖に避難したが、ストニたちに襲われ転覆する。星空からはアメーバ状の怪物「キモトリ」が飛来する。 蓮観は人の姿を失い、異形へと変貌しながらも、呪法を行おうとする。牧上碧は生贄に肝を抉られて死に、操られた谷村は銃を構える。文弥、道子、竹実、寿美子の4人は、全裸に剥かれて縛り付けられる。蓮観は回廊の封印を解放する呪法を完成させるべく「文弥は寿美子の肝を食らえ。道子は竹実の肝を食らえ。そして文弥と道子は交われ」と儀式を命じる。蓮観は「経血と精液が呪法の要であること」「儀式のために、道子の月経周期を計算に入れて状況を作ったこと」を解説する。だが道子は、自分が妊娠しており生理中ではないことを説明し、蓮観の目論見が破綻していることを明かす。また文弥は己の脳に流れ込んできた知識に従って、化物退去の呪文を唱える。詛蜈守との誓約が破られたとみなされ、キモトリは蓮観を喰い殺す。村は滅び、火災と化物どもの中に4人だけが残されるが、全員が戦って生き残ることを決意する。
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