5号機・6号機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 05:22 UTC 版)
ストック機の大量獲得システムによる射幸心が問題となり、改正規則が2004年7月1日付で施行された。前回の改正ではほとんど規制されていなかったリプレイも今回の改正では細かく規制が明記され、リプレイが当選した場合は必ず揃うような図柄配列にしなくてはいけなくなったため、ストック機の基本であった揃わないリプレイタイムは事実上禁止となった。 その代わり通常のリプレイタイムそのものは禁止されず、新たにリプレイ確率変動システムの条件が規定された。リプレイ確率は、 a. ボーナスが当選した時 b. ボーナスの絵柄が揃った時 c. ボーナスゲームが終了した時 d. 通常時に特定の図柄が揃った時 e. c.またはd.の後に特定ゲーム数を消化した時 のいずれかで変動することができるという条件が明文化された。これらを契機とする確率変動は、システムとして必須ではない。 複数のリプレイタイムを持つ機種の場合、リプレイタイムの発動していない初期状態をRT0とし、各リプレイタイムの状態をRT1、RT2などと表現する。リプレイタイムa.またはb.により突入したリプレイタイムは、d.またはe.で終了、再突入することができない。c.により突入したリプレイタイムはa.b.d.e.のいずれかの契機により終了となるが、d.により突入したリプレイタイムの場合、e.が定められている場合(有限リプレイタイム)の終了契機はa.b.e.となりd.による上書きはなされず、e.が定められていない場合(無限リプレイタイム)の終了契機はa.b.d.e.となりd.の契機でも終了(または上書き)される。e.で終了した場合は必ずRT0になる。 5号機で初めてリプレイタイムを取り入れたのは「新世紀エヴァンゲリオン」(ビスティ)である。これはレギュラーボーナス後に100ゲームのリプレイタイムが付属され、ゲーム数消化もしくはボーナス当選により終了した。「デビルマン」(エレコ)ではボーナス当選後も特定ゲーム数終了までリプレイタイムが継続し、「完走リプレイタイム」という言葉が生まれた。「キューティーハニー」(エレコ)ではボーナス後のリプレイタイムが特定小役により終了し、その終了は「パンク」と呼ばれた。この機種にはパンク役当選の一部で出現する特定演出があり、それを空回し(リールを自動停止させること)でパンクを回避させることができた。後にそれは「リプパンはずし」と呼ばれるようになる。 特定の図柄が揃う事により発動するリプレイタイムを5号機で初めて取り入れたのは「ど根性ガエル」(ロデオ)である。これは一部ボーナス後のリプレイタイム中に当選する特殊リプレイが揃うことにより次回ボーナスまでのリプレイタイムが続くというシステムだった。特定図柄によるリプレイタイム突入は、ボーナスの可能性がある出目からの連続演出時に使用するプチリプレイタイム向きの機能であったが、ボーナス後の長期リプレイタイムを上書きして終了させてしまうため、共存は難しかった。それを可能としたのが「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」(JPS)である。これは、2ゲームのプチリプレイタイムに突入するチャンス目(ボーナスまたは小役の取りこぼし)が逆押し時には揃わないという方法により、ボーナス後のリプレイタイム終了を回避することができた。 また、特定図柄によるリプレイタイムを連荘させる機能が付いた機種も生まれた。「超お父さん」(SNKプレイモア)では、チャンスゾーン中にメインであるベル小役を揃えることで30ゲームのリプレイタイムに突入する。このチャンスゾーンは同じくメインであるチェリー小役により終了してしまうが、リプレイタイム後は再びチャンスゾーンに突入となるため、チェリーによるチャンスゾーン終了までの間はリプレイタイムの連荘も可能であった。これは、チェリー入賞による長期の「リプレイ確率が通常とほぼ同じ」低リプレイタイム(有限)突入により、非チャンスゾーンでは特定小役入賞によるリプレイタイム上書きができないという特性を利用したものである。 「ボンバーマンビクトリー」(サミー)では左リールの3箇所に配置した3種類のチェリー小役をパンク役とし、プレイヤーへの成立役告知の有無で終了回避に緩急を付けた。パチスロで出荷のための検定を通す際のシミュレーション試験では当選した小役を全て入賞させることになっているため、パンク役であるチェリーも例外ではない。そのため、告知に従ってリプパンはずしを行った場合、試験よりも多い出玉率となる。これを利用し、出玉率を上限である120%未満に限りなく近づけたのが「スパイダーマン2」である。リプパンはずしを利用した出玉率120%に近い機種は「ハイスペック機」と呼ばれる。 通常よりリプレイの確率が低くなるリプレイタイムを初めて搭載したのは「ホークIII」(JPS)である。これはボーナス後にリプレイ確率が低くなるリプレイタイムに突入する。このリプレイタイムは一定のゲーム数により終了するため、はまりの救済措置である天井を5号機で初めて再現することが可能となった。 5号機の主なリプレイタイムは、上記の「ボーナス後リプレイタイム」「チャンスゾーンからのリプレイタイム」「天井リプレイタイム」「演出用プチリプレイタイム」である。リプレイタイム(RT)にアシストタイム(AT)を取り入れたものはARTと呼ばれる。 上記以外の特殊な用法として、低リプレイタイムが連荘する「アストロ球団」(JPS)や揃い目からの無限リプレイタイム中に揃い目で有限リプレイタイム(低)に突入する「マーベルヒーローズ」(タイヨーエレック)、ボーナス後にARTを設けた「2027」(JPS)、一部のボーナス当選~終了ではリプレイ確率が変動しない(=リプレイタイム中の場合、そのボーナスではリプレイタイムが終了しない)「快傑ハリマオ」(ゴールドオリンピア)などがある。
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