3次元実装パッケージでのTSV技術とは? わかりやすく解説

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3次元実装パッケージでのTSV技術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/26 03:19 UTC 版)

Si貫通電極」の記事における「3次元実装パッケージでのTSV技術」の解説

SiPMCMMCPなどの3次元実装パッケージでは、複数ICチップ垂直に積み重ね1つパッケージ収めることで電子基板上のフットプリント」(占有面積)を小さくしている。 このような積み重ねを使う従来3次元実装パッケージでは、多く場合重ねたチップの端に沿ってワイヤ・ボンディングにより互い信号接続確保するこの方法では、結線空間のためにパッケージわずかながらも大きくなければならず、また通常ダイ間に「インターポーザー」層を追加しなくてはならない。これに対しTSV使用した3次元実装パッケージでは、従来結線代わりシリコン製のウェハー又はダイといったチップを厚み方向に貫くビアウェハーダイ相互の垂直方向の接続を担う。このようにTSV採用すれば結線空間のためにパッケージ広げたり、ダイ間にインターポーザー設けたりする必要が無くなることから、従来の手法比べ3次元実装パッケージ面積や厚みを縮小することができる。 TSV技術採用すると、(それぞれのビアウェハー又はダイ大きさにも関係するが)数μm-200μmピッチ程度間隔接続部配列できるため数千単位接続提供され事実上必要なものはすべて接続することができる。なお、従来ワイヤ・ボンディングでは接続本数は100-200本程度限られていた。またTSV技術では接続距離がごく短くなるためにノイズを受けにくく寄生容量抵抗小さくて済む。結果遅延減衰波形劣化少なく増幅静電破壊保護のための余分な回路省略できることがある。これらの効果によって、実装されたパッケージ内の回路高速動作簡略化および低消費電力化が達成されるこのようにTSV技術採用して3次元集積回路3D IC)は複数シリコンウエハーダイ積み重ね垂直に相互結線することで1つ集積回路作れば単体電子部品として機能するうになる3次元集積回路大量機能小さなフットプリント」(占有面積)の中に詰め込めるようになる加えて素子同士重要な電気経路劇的に短く出来るために、処理の高速化導かれる別の産業上の側面でもTSV技術有用である。従来アナログデジタル回路1つシリコンチップ上に形成することは、技術的には可能であっても産業上のメリット見出せないことが多かった。これは、工程複雑化によってコスト増し歩留まり低下するためである。TSV技術により積層利用する接続は、こういったデジタルとアナログや、さらにはDRAMのようなメモリー回路CPUのようなロジック回路アナログ高周波回路低周波で低消費電力回路といった異種回路組み合わせることにも採用することができる。回路種別合ったウエハープロセスによって同種の回路のみを効率良く製造し検査経た後の良品ダイ組み合わせ接続する実装が可能となれば、ウエハーレベルで混載して低い歩留まりとなる場合比べ完成後の電子部品総合的に安価となりうる。たとえTSV技術のためにコスト掛けたとしても、それ以上個別ダイ適すプロセス高効率生産されコスト低下するためである。

※この「3次元実装パッケージでのTSV技術」の解説は、「Si貫通電極」の解説の一部です。
「3次元実装パッケージでのTSV技術」を含む「Si貫通電極」の記事については、「Si貫通電極」の概要を参照ください。

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