3代目981型(2012年 - 2016年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 15:56 UTC 版)
「ポルシェ・ボクスター」の記事における「3代目981型(2012年 - 2016年)」の解説
2012年3月8日のジュネーブモーターショーで3代目となる981型ボクスターが発表された。これまでのボクスターと同様に、911の991型と多くのパーツを共用している。シャシの47%がアルミニウム化された。センタートンネル付近にはマグネシウム合金も使用され、静的ねじれ剛性が40%向上している。ホイールベースは987と比較すると60mm延長され、フロントトレッドを40mm、リアトレッドも18mmワイド化された。全長は32mm長くなり全高は13mm低くなった。重量は987型に対してボクスターが25kg軽量化され1310kg(MT仕様)、ボクスターSが35kg軽量化され1320kg(MT仕様)となっている。 外観の大きな変更は、やや角型となったランプ類とコンバーチブルリッドが廃止された幌、拡大されたサイドの空気取り入れ口である。サイドの空気取り入れ口はドアを含めた彫りの深いデザインに変更され、実効面積も拡大された。これはドアが991と共用でなくなったので可能になったデザインである。コンバーチブルリッドが廃止された幌はシステム全体で12kg軽量化され、幌の開閉も987型と比べて迅速化され9秒で可能となった。人力によるロック解除〜ロックの動作も不要となった。フロントガラスは100mm前側に移動され、それに伴いダッシュボードの面積が広くなっている。 エンジンは、ボクスターが987型に対して200cc縮小された水平対向6気筒2.7リットルとなった。排気量は減少となったが、強度が上がったピストンの採用により圧縮率が高められ、最高出力は10PSアップした265PS/6,700rpm、最大トルクは280Nm/4,500-6,500rpmとなった。ボクスターSの排気量は従来どおり3.4Lのままだが、最高出力は5PSアップの315PS/6,700rpm、最大トルクは360Nmになった。トランスミッションは6速MTと7速PDKが用意され、911に用意された7速MTは重量増を避けるため採用されなかった。 燃費対策として、ボクスター初の電動式パワステが採用され、アイドリングストップ機能も搭載された。またPDK仕様の車両には、空走時にクラッチを切ってエンジンをアイドリング状態にする省エネ機構が導入された。これらの工夫によりボクスターのMT仕様の燃費は8.2リットル/100kmと、987型と比較して12.8%の改善を実現した。室内空間は前後方向に25mm増とされており居住性は改善している。ボクスターSのニュルブルクリンク北コースのラップタイムは7分58秒を記録し、987型ボクスターSより12秒速い。幌の構造を改善したことにより幌を閉めた状態での静粛性も改善している。ただしフロントガラスの変更に伴い、室内への風の巻き込みは987型より悪化している。オプションで搭載できるPASMについては、電子制御ダンパーのセンサーが、991の場合と同じく2個から4個に増やされ、より細かい制御ができるようになった。リヤ側のトランクは987型と比較して、大幅に狭くなった。これはデザインの変更によるものである。リヤウイングは987型と同じく可動式であるが、より効果の大きなデザインに変更された。
※この「3代目981型(2012年 - 2016年)」の解説は、「ポルシェ・ボクスター」の解説の一部です。
「3代目981型(2012年 - 2016年)」を含む「ポルシェ・ボクスター」の記事については、「ポルシェ・ボクスター」の概要を参照ください。
- 3代目981型のページへのリンク