2020 SW
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 10:04 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動2020 SW | ||
---|---|---|
仮符号・別名 | 2020 SW | |
見かけの等級 (mv) | 21.4(発見時)[1] | |
分類 | 地球近傍天体(NEO) アポロ群(接近前)[2] アテン群(接近後)[3] | |
発見 | ||
発見日 | 2020年9月18日[1][3] | |
発見者 | レモン山サーベイ[1][3] Kacper W. Wierzchoś[4] | |
発見場所 | レモン山天文台[1][3] | |
軌道要素と性質 元期:2020年12月17日(JD 2459200.5)[2] | ||
軌道の種類 | 楕円軌道 | |
軌道長半径 (a) | 0.941 au[2] | |
近日点距離 (q) | 0.7425 au[2] | |
遠日点距離 (Q) | 1.140 au[2] | |
離心率 (e) | 0.21118[2] | |
公転周期 (P) | 0.91 年[2] | |
軌道傾斜角 (i) | 2.326°[2] | |
近点引数 (ω) | 118.950°[2] | |
昇交点黄経 (Ω) | 1.808°[2] | |
平均近点角 (M) | 353.718°[2] | |
最小交差距離 | 地球:0.00042天文単位 (63,000 km)[2] | |
物理的性質 | ||
平均直径 | 4メートル (13 ft)〜9メートル (30 ft) (アルベドを0.05–0.25と仮定)[5] | |
自転周期 | 0.0079039±0.0000001 時間[4] (28.4540±0.0004 秒) | |
絶対等級 (H) | 29.063±0.335[2] 29.06[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
C378AD2[6][7] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
2020 SWは、地球に最も接近する6日前の2020年9月18日にレモン山サーベイによって発見された小さな地球近傍小惑星である。2020 SWは、2020年9月24日11:13 UTに地球の表面から 21,600キロメートル (13,400 mi) 以内、静止高度 の36,000キロメートル (22,000 mi) 内を通過した。地球への接近での摂動により、アポロ群の軌道から太陽から1天文単位以内に軌道長半径があるアテン群の軌道へ変化した。その結果、2020 SWは今後200年間、 0.01天文単位 (1,500,000 km) よりも近い距離で地球へ接近することはない。
2020 SWの直径はおよそ 4-9 メートルと推定されており、小さなスクールバス程度である。もし地球に衝突すれば、ほとんどは大気圏突入の間に火球として崩壊し、一般的な飛散地域を残す可能性がある。2020 SWは、地球に接近した際、その光度が詳細に観測されており、その結果は2020 SWが細長い形状で、約28.5秒という速い自転周期を持つことを示している。
発見
2020 SWは、アリゾナ州ツーソンのレモン山天文台に設置されたレモン山サーベイを使用してKacper W. Wierzchośによって2020年9月18日に発見された。小惑星は、ペガスス座の位置にあり、見かけの等級が21.4のときに最初に観測された[1]。地球から 0.02天文単位 (3,000,000 km; 1,900,000 mi) の距離にあり、毎分1.41秒の速度で天球上を移動していた[8]。
その後、小惑星は小惑星センターのNEOCPにC378AD2としてリストされた[7]。フォローアップ観測はパンスターズ(F51)とカタリナ・スカイサーベイ(V06)を含む4つの観測所によって実施された。小惑星の発見から1日以内にリストは確認され、2020年9月19日に2020 SWとして公に発表された[1]。
軌道と分類
2020 SWは現在、地球を横断する、アテン群の軌道上にあり、軌道長半径は0.941天文単位、公転周期は0.91年である[3]。近日点距離は0.743天文単位、遠日点距離が1.140天文単位の場合、2020 SWの軌道は金星の軌道から地球の軌道まで伸び、これらの惑星との接近通過が時折発生する。金星と地球との最小交差距離(MOID)はそれぞれ 0.02421 au (3,622,000 km; 2,250,000 mi) と 0.00042 au (63,000 km; 39,000 mi) である[7]。2020 SWの軌道離心率は0.211で、黄道に対して2.3度傾いている[3]。
2020年9月18日に地球に接近する前に、2020 SWは地球の軌道を横切るより遠いアポロ群の軌道であった。近日点は0.822天文単位、軌道長半径は1.015天文単位で、公転周期は1.02年であった。軌道離心率は0.190で、黄道に対して4.2度傾いていた[2]。
時期 | 元期 | 公転周期 (p) |
遠日点 (Q) |
近日点 (q) |
軌道長半径 (a) |
離心率 (e) |
傾斜角 (i) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
単位 | (日) | au | (°) | ||||
接近前 | 2020-05-31[2] | 373.5 | 1.208 | 0.822 | 1.015 | 0.1902 | 4.212° |
接近後 | 2020-12-17[3][9] | 333.6 | 1.140 | 0.743 | 0.941 | 0.2112 | 2.326° |
物理的特性
アルベドと直径
29.06の絶対等級に基づいて、2020 SWは想定される幾何アルベドがそれぞれ0.25と0.05の場合、直径が4〜9メートルと測定される[3][5]。サイズが小さいことを考えると、2020 SWは小さいスクールバスと比較できる[10]。サイズが小さいため、地球へ影響を与えることはない。また、軌道が惑星との衝突軌道上にあるとの推定もない。それが地球に影響を与えたとしても、大気圏突入の間に火球として崩壊し、一般的な飛散地域を残す可能性がある程度である[10]。
形状と自転
2020 SWの地球との接近通過は、光度曲線を詳細に測定して、小惑星の大まかな形状と自転周期を決定する機会を提供した。2020年9月24日、地球に最も接近する前の10時間以内に、2020 SWは、ピーター・バートホイスルによってGreat Shefford Observatory(J95)で2時間51分間、継続的に観測された。彼は、0.0079039時間(28.4540秒)の自転周期で0.73の光度曲線の振幅を導き出した。これは、最小のa/bの楕円体のアスペクト比が1.6の細長い形状を示している。Northolt Branch Observatoriesの天文学者による2020 SWの初期の独立した観測では、小惑星の光度曲線は同様の測定値で、自転周期は0.00790時間(28.44秒)、振幅は0.72であった[4]。
脚注
- ^ a b c d e f “MPEC 2020-S83 : 2020 SW”. Minor Planet Electronic Circular. Minor Planet Center (2020年9月19日). 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “JPL Small-Body Database Browser: 2020 SW”. Jet Propulsion Laboratory. 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “2020 SW”. Minor Planet Center. International Astronomical Union. 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c Birtwhistle, Peter (January 2021). “Lightcurve Analysis for Four Near-Earth Asteroids”. The Minor Planet Bulletin 48 (1): 26–29. Bibcode: 2021MPBu...48...26B 2021年1月23日閲覧。.
- ^ a b Bruton, Dan. “Conversion of Absolute Magnitude to Diameter for Minor Planets”. Department of Physics, Engineering, and Astronomy. Stephen F. Austin State University. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “2020 SW”. NEO Exchange. Las Cumbres Observatory (2020年9月23日). 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c Gray, Bill (2020年9月19日). “"Pseudo-MPEC" for C378AD2”. Project Pluto. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “2020SW Ephemerides”. Near Earth Objects – Dynamic Site. Department of Mathematics, University of Pisa, Italy. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “Orbital Elements for Asteroid (2020 SW)”. Horizons output. Jet Propulsion Laboratory. 2021年2月6日閲覧。 ("Ephemeris Type" select "Orbital Elements" · Set "Time Span" to 2020-Dec-17)
- ^ a b “School Bus-Size Asteroid to Safely Zoom Past Earth”. Jet Propulsion Laboratory (NASA). (2020年9月22日) 2021年1月23日閲覧。
関連項目
外部リンク
- "Pseudo-MPEC" for C378AD2、Project Pluto、2020年9月19日
- 2020 SW - NeoDyS-2, Near Earth Objects—Dynamic Site
- 2020 SW - ESA–space situational awareness
- 2020 SW - JPL Small-Body Database
「2020 SW」の例文・使い方・用例・文例
- そのビルは2020の秋に完成する予定です。
- そのビルは2020年に完成する予定です。
- この商品の発売予定日は2020年2月22日です。
- 時は2020年。
- ドイツ政府は,2020年までに電力需要の20%を風力発電や他の再生可能エネルギー源で供給することを計画している。
- 「2011年ごろまでに宇宙実験室を打ち上げる計画がある。次に,その実験室と宇宙船とのドッキング実験を行う予定だ。最終的には,2020年ごろに宇宙ステーションの建設をめざしている。」
- 同庁は,来日する外国人観光客の年間の人数を昨年の840万人から2020年までに2000万人に増やそうとしている。
- 広島市と長崎市が2020年五輪の共催を希望
- 10月11日,広島・長崎両市長は2020年の夏季オリンピックを共同開催する方法を探るため,合同委員会を設立すると発表した。
- この団体は2020年までに核兵器が廃絶されることを望んでいる。
- これまでの最高値は2001年の青森県・大(おお)間(ま)産マグロの2020万円だった。
- しかし,2020年現在,ボクシング界では高性能のロボットが人間の代わりを務めている。
- 2社は2020年までにこれらの開発結果を利用できるようにしたいと考えている。
- 東京が2020年五輪開催地に
- 9月7日,アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会で,東京が2020年夏季五輪の開催都市に選ばれた。
- 東京五輪は2020年7月24日から8月9日まで開催される。
- 日産が2020年までに自動運転車を発売予定
- 8月27日,日産自動車は2020年までに自動運転車を発売する計画であると米国で発表した。
- ユニクロは,2020年までに中国での店舗数を1000に増やす計画である。
- 政府は,2020年までに大学生と高校生の留学生の数を2倍にしたいと考えている。
- 2020_SWのページへのリンク