2014 FIFAワールドカップ・アジア4次予選とは? わかりやすく解説

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2014 FIFAワールドカップ・アジア4次予選

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 22:57 UTC 版)

日本オーストラリアの選手入場後の様子(2013年6月4日、埼玉スタジアム2002
2014 FIFAワールドカップ
アジア最終予選
大会概要
日程 2012年6月3日 – 2013年6月18日
チーム数 10
大会統計
試合数 40試合
2010
2018

このページは、2014 FIFAワールドカップ・アジア予選の4次予選の結果をまとめたものである。グループAからはイラン韓国が、グループBからは日本オーストラリアが、それぞれワールドカップ本大会出場を決めた。またウズベキスタンヨルダンアジア地区プレーオフに進出した。

方式

3次予選の各組上位2チーム、計10チームを5チームずつ2組に分け、各組でホーム・アンド・アウェー総当たり戦を行う[1]。各組上位2チームが本大会出場権を得る。各組3位は5次予選(アジア地区プレーオフ)に進出する。

2012年6月3日・6月8日・6月12日・9月11日・10月16日・11月14日および、2013年3月26日・6月4日・6月11日・6月18日に実施された(各チーム8試合。毎節とも、各グループ1チームずつが試合を行わない)[1]。なお、この最終節の日程はFIFAコンフェデレーションズカップ2013の日程と重複するという問題があり[2]、これに対しアジアサッカー連盟は2011年3月23日、「FIFAコンフェデレーションズカップ2013に出場する日本が4次予選に進出した場合、最終節に日本の試合が行われないように日程を割り当てる」という措置を取ることを発表した[3]

シード順

組み合わせ抽選会は2012年3月9日の日本時間午後5時からマレーシアクアラルンプールのAFC本部で開始された[4]。抽選会はアジアサッカー連盟(AFC)公式HP上で生中継され、264,959人が視聴した[5]。日本ではCSテレ朝チャンネルで生中継された。抽選を引き当てるドロワ代表として元日本代表CB宮本恒靖、元イラン代表MFマハダヴィキアが登場した。 シード順については、抽選会時点の2012年3月7日のFIFAランキングに基づいてシード順が定められた[6][7][8]

組み合わせ抽選の手順は以下の通り[9]

  • 10チームをシード順により2チームずつ5組に分け、それぞれA組とB組に割り振る。
  • 抽選はポット2→ポット5→ポット4→ポット3→ポット1(番号が小さいものから順にランキング上位)の順に行う。ポット2を最初に抽選するのは、ポット2に入った日本が上述の理由によりA組5番かB組5番(最終節に試合がない)に入れる必要があり、それを先に固定するためである。

シード順およびポット分けは2012年3月7日発表のFIFAランキングに基づいており以下の通り[10]。カッコ内の数はシード順の決定に用いたFIFAランキングである。

ポット1 ポット2 ポット3 ポット4 ポット5
日本(33)

イラン(51)

最終予選の展開

グループ A

イラン、韓国、ウズベキスタンが直接出場権の2チームを争う三つ巴の展開となった。

イランは序盤、アウェーでレバノンに[11]、ホームでウズベキスタンに敗れるなど、出場圏外の3位と苦戦が続いたが[12]、最後は1-0で韓国を下し、逆転で首位突破を決めた[13]

韓国は最終戦でイランに敗れたことで同日にカタールを下したウズベキスタンに勝ち点で追いつかれたが、得失点差でわずかに「1」上回り、辛くも本大会出場権を獲得した[14][15]

3次予選を首位通過したウズベキスタンは中盤まで首位を守ったが[12]、韓国との直接対決に勝てなかった[16]ことが響き、惜しくも初出場を決めることはできず、AFCプレーオフに回ることになった。韓国ホームの試合はオウンゴールが決勝点となる不運な形であった[16]

3次予選で韓国から大金星を挙げた[17][18]レバノン、AFCアジアカップ2011ベスト8[19]のカタールは勝ち点を積むことができず、出場権争いに加わることができなかった。

グループ B

3次予選で不調[20]だった日本が開幕から首位を独走。ホームでの2連戦をいずれも完勝で飾ると[21][22]、オーストラリアにアウェーで引き分けたものの[23]、その後も勝利が続いた[24][25]。4勝1分で迎えたヨルダン戦で最終予選初黒星を喫した[26]が、2013年6月4日、ホームでオーストラリアと引き分け、開催国のブラジルを除いて世界最速で5大会連続の出場が決定した[27]。後半ロスタイムで同点に追いつく劇的な展開であった[28]。最終戦も勝利、開幕から一度も首位を譲ることなく最終予選を終えた。

オーストラリアは終始低調で、日本が出場を決めた第8節時点でわずか1勝、直接出場権圏外の3位に沈んでいたが、第9節のヨルダン戦[29]、第10節のイラク戦に連勝し[30]、一気に2位に浮上。最終的に3勝4分1敗・勝ち点13であった。

ヨルダンはホームで日本やオーストラリアに勝利するなど強さを見せ[31]、第7節時点で2勝1分3敗ながら2位につけた[32]。しかし、アウェーでの極端な弱さが目立ち、日本には0-6[33]、オーストラリアには0-4で敗れるなど全敗。最終的にB組3位で5次予選に回った。

オマーンはオーストラリアに2つ引き分ける[34]など健闘を見せ、第8節時点で2位に位置したが、オーストラリアに逆転され、最終戦のヨルダン戦で引き分け以上であればプレーオフに進めたが、0-1で敗れ4次予選での敗退が決まった。

試合結果

グループ A

チーム 出場権
1  イラン 8 5 1 2 8 2 +6 16 2014 FIFAワールドカップ 1–0 0–1 0–0 4–0
2  韓国 8 4 2 2 13 7 +6 14 0–1 1–0 2–1 3–0
3  ウズベキスタン 8 4 2 2 11 6 +5 14 アジア5次予選 0–1 2–2 5–1 1–0
4  カタール 8 2 1 5 5 13 −8 7 0–1 1–4 0–1 1–0
5  レバノン 8 1 2 5 3 12 −9 5 1–0 1–1 1–1 0–1
出典:
順位の決定基準: 順位決定方式
































グループ B

チーム 出場権
1  日本 8 5 2 1 16 5 +11 17 2014 FIFAワールドカップ 1–1 6–0 3–0 1–0
2  オーストラリア 8 3 4 1 12 7 +5 13 1–1 4–0 2–2 1–0
3  ヨルダン 8 3 1 4 7 16 −9 10 アジア5次予選 2–1 2–1 1–0 1–1
4  オマーン 8 2 3 3 7 10 −3 9 1–2 0–0 2–1 1–0
5  イラク 8 1 2 5 4 8 −4 5 0–1 1–2 1–0 1–1
出典:
順位の決定基準: 順位決定方式












ヨルダン 2 - 1 オーストラリア
アブドゥルファッターハ  48分 (pen.)
アーメル・ディーブ  75分
レポート トンプソン  85分


オマーン 2 - 1 ヨルダン
ムバーラク  62分
ダルウィーシュ  87分
レポート バワーブ  90分


















トピックス

  • 2013年6月18日の韓国対イラン戦で、イラン側スタッフに対して韓国側観客席から未開封の缶ビールが投げつけられる[42]など双方がエキサイトする場面があった。試合終了後、イランのケイロス監督は韓国チーム側にガッツポーズをするパフォーマンスをし、FIFAから処分された[43]

脚注

  1. ^ a b c d イラクはFIFAから、試合会場の安全上の問題を指摘され、ホームゲームを国外で開催するよう命じられた[38]

出典

  1. ^ a b 2014 FIFA World Cup Brazil – Preliminary Competition Format and Draw Procedures – Asian Zone
  2. ^ AFC、FIFAにコンフェデ杯日程変更を要請”. アジアサッカー連盟 (2011年1月31日). 2011年8月2日閲覧。
  3. ^ 43 in the fray for 2014 FWC qualifiers” (英語). アジアサッカー連盟 (2011年3月23日). 2011年11月11日閲覧。
  4. ^ Final Round draw date set” (英語). the-afc.com (2012年1月26日). 2012年2月23日閲覧。
  5. ^ Brazil 2014 draw a big hit AFC公式HP-2012年3月10日
  6. ^ AFC announces key competition decisions” (英語). アジアサッカー連盟 (2011年8月2日). 2011年8月22日閲覧。
  7. ^ シード国、3月のランクが基準=サッカーW杯最終予選-時事ドットコム2012.2.3付
  8. ^ FIFA Ranking rescheduled to March 7” (英語). アジアサッカー連盟 (2012年2月3日). 2012年2月24日閲覧。
  9. ^ Who do you want in the Qantas Socceroos' FIFA World Cup draw?” (英語). オーストラリアサッカー連盟 (2012年3月8日). 2012年3月9日閲覧。
  10. ^ Socceroos top seeds for Final Round draw” (英語). アジアサッカー連盟 (2012年3月8日). 2012年3月9日閲覧。
  11. ^ Lebanon 1-0 Iran (Sep 11, 2012) Final Score” (英語). ESPN. 2024年6月2日閲覧。
  12. ^ a b ウズベキスタンがA組首位浮上 ジーコ・イラクは初勝利 - スポニチ Sponichi Annex サッカー”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年6月2日閲覧。
  13. ^ イラン逆転A組1位突破 川島同僚FWが決勝点 - スポニチ Sponichi Annex サッカー”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年6月2日閲覧。
  14. ^ サッカー=アジア最終予選で豪州とイラン、韓国がW杯出場決定」『Reuters』、2013年6月19日。2024年6月2日閲覧。
  15. ^ 정희정 (2013年6月18日). “サッカー韓国代表 イランに敗れるもW杯出場決定” (朝鮮語). 연합뉴스. 2024年6月2日閲覧。
  16. ^ a b 韓国がオウンゴールで勝利、イラン勝利でW杯出場は持ち越しに”. www.afpbb.com (2013年6月12日). 2024年6月2日閲覧。
  17. ^ 장지언 (2011年11月16日). “サッカーW杯予選 韓国はレバノンに悔しい黒星” (朝鮮語). 연합뉴스. 2024年6月2日閲覧。
  18. ^ 韓国、レバノンに敗れる サッカーW杯3次予選”. world.kbs.co.kr. 2024年6月2日閲覧。
  19. ^ アジア杯準々決勝 カタール戦:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年6月2日閲覧。
  20. ^ ウズベキに敗れ2位:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年6月2日閲覧。
  21. ^ 本田、前田、岡崎の3ゴールでオマーンから勝ち点3を奪う | SAMURAI BLUE サッカー日本代表 | 日本サッカー協会”. samuraiblue.jp. 2024年6月2日閲覧。
  22. ^ 日本連勝、ヨルダンから6点:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年6月2日閲覧。
  23. ^ 日本、豪州と引き分け:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年6月2日閲覧。
  24. ^ 日本、1-0でイラク破る サッカーW杯最終予選”. 日本経済新聞 (2012年9月11日). 2024年6月2日閲覧。
  25. ^ アウェーでオマーンを破り予選突破に王手 | SAMURAI BLUE サッカー日本代表 | 日本サッカー協会”. samuraiblue.jp. 2024年6月2日閲覧。
  26. ^ 本田、長友不在の日本は遠藤のPK失敗もあり、最終予選初黒星。W杯出場は持ち越し”. ゲキサカ (2013年3月27日). 2024年6月2日閲覧。
  27. ^ 本田がロスタイムに同点PK!!世界最速で5大会連続のW杯出場決定”. ゲキサカ (2013年6月4日). 2024年6月2日閲覧。
  28. ^ サッカー=日本が5大会連続でW杯出場、本田のPKで豪とドロー」『Reuters』、2013年6月5日。2024年6月2日閲覧。
  29. ^ 豪州が2位浮上、日本はイラクと対戦 サッカーW杯予選”. 日本経済新聞 (2013年6月11日). 2024年6月2日閲覧。
  30. ^ サッカー=アジア最終予選で豪州とイラン、韓国がW杯出場決定」『Reuters』、2013年6月19日。2024年6月2日閲覧。
  31. ^ サッカー=日本がヨルダンに敗戦、W杯出場権獲得は持ち越し”. ロイター通信. 2024年6月2日閲覧。
  32. ^ ヨルダン2位浮上 監督上機嫌/W杯予選 - サッカー日本代表ニュース”. nikkansports.com. 2024年6月2日閲覧。
  33. ^ 本田が3得点、日本がヨルダンに6-0で快勝 W杯アジア最終予選”. www.afpbb.com (2012年6月9日). 2024年6月2日閲覧。
  34. ^ アウェーゲームでは、後半7分まで2点リードしていた。
  35. ^ a b c 2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 組み合わせ決定”. 日本サッカー協会 (2012年3月9日). 2012年3月9日閲覧。
  36. ^ 「豪-日」W杯最終予選 ブリスベーンで”. nikkansports.com (2012年3月14日). 2012年3月16日閲覧。
  37. ^ Qantas Socceroos to face Japan in Brisbane” (英語). オーストラリアサッカー連盟 (2012年3月14日). 2012年3月16日閲覧。
  38. ^ “FIFA decision on Iraq matches” (英語). アジアサッカー連盟. (2011年9月23日). http://www.the-afc.com/en/tournaments/men-a-youth/fifa-world-cup/36499-fifa-decision-on-iraq-matches 2012年4月30日閲覧。 
  39. ^ a b Host cities confirmed for Qantas Socceroos” (英語). オーストラリアサッカー連盟 (2012年6月6日). 2012年6月13日閲覧。
  40. ^ 2013日本代表スケジュール”. 日本サッカー協会 (2012年12月19日). 2012年12月19日閲覧。
  41. ^ Qantas Socceroos to take on Jordan at Docklands”. オーストラリアサッカー連盟 (2012年11月22日). 2013年1月20日閲覧。
  42. ^ ビール缶が当たったイラン聯合ニュース 2013年6月19日
  43. ^ 【サッカーW杯予選】韓国陣営のイラン選手暴行疑惑に韓国メディアが反論「イランにも非礼があった」「偏向報道だ」rocketnews24 2013年6月19日

外部リンク


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