2004年のリコール隠し事件
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「三菱リコール隠し」の記事における「2004年のリコール隠し事件」の解説
2003年(平成15年)、三菱自工はトラック・バス部門を子会社の三菱ふそうトラック・バスとして分社化するも、2004年(平成16年)には、2000年(平成12年)のリコール隠しを更に上回る74万台ものリコール隠しが発覚、2004年(平成16年)4月22日、三菱自工の筆頭株主であったダイムラー・クライスラーが財政支援の打ち切りを発表。三菱自工の社長に就任していたエクロートが任期を待たずして、4月26日限りで社長を辞任した。 同年5月6日、大型トレーラーのタイヤ脱落事故(後述)で、三菱ふそう前会長の宇佐美や元常務ら7人が神奈川県警察に逮捕され、同月27日に横浜区検察庁・横浜地方検察庁は宇佐美ら5人と法人としての三菱自工を起訴した。さらに、6月10日には別の事故で三菱自工の河添元社長や宇佐美ら元役員6人が、神奈川県警察・山口県警察などに逮捕された。 一連の不祥事により、三菱自工及び三菱ふそうは、以下の制裁措置を受けた。 国土交通省 - 1週間に1回の報告義務、車両の入札における指名停止、型式審査の厳格化 警察庁 - 車両の入札における指名停止 その他、岐阜県・京都府・岡山県・さいたま市・倉敷市(いずれも三菱自工・三菱ふそうの事業所がある)以外の一部の地方公共団体も、車両の購入を禁止した。 2006年(平成18年)9月には、ユーザーから寄せられた不具合情報を共有可能とする新品質情報システムの導入を発表した。これにより、不具合の原因究明における統計分析の迅速化や、販売会社での修理手順・見積もりの照会などを可能とし、品質改善の迅速化を図っているとしている。しかし、2005年2月に把握していた欠陥を、2012年に国交省に内部告発されるまでリコールしない、2016年(平成28年)4月20日には10・15モード燃費とJC08モードの燃費偽装と、その後も問題を起こしている。 本事件は刑事裁判となり、全てが三菱自工および三菱ふそう側の有罪で確定判決が下された。なお、2008年(平成20年)1月に横浜地方裁判所が有罪判決を下した際には、弁護団が「なぜ有罪になるのか理解できない。こんな判決では、製造会社の場合、人身事故が起きたら、企業のトップは必ず刑事責任を取らなくてはいけない。極めて安直だ」と述べ、閉廷後すぐに東京高等裁判所に控訴している。また、佐高信は、宇佐美の責任を追及する声が部下たちから上がってきていないようであることや、「あの三菱自動車が」という論調であったことを指摘している。
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