1980年 – 1986年: 結成〜成功〜挫折
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「フロック・オブ・シーガルズ」の記事における「1980年 – 1986年: 結成〜成功〜挫折」の解説
フロック・オブ・シーガルズは1980年マイク・スコア(英語版)(ボーカル、キーボード)が中心となってリヴァプールで結成された。マイクは美容師で、デビュー後はガルウィングのような奇抜なヘアスタイル(後年マイクは冗談で「ウルヴァリンにパクられた」と語っている)が話題となった。結成時のメンバーは、ウィリー・ウー(ギター)、フランク・モーズリー(ベース)、そしてマイクの兄アリ・スコア(ドラムス)。「カモメの群れ」を意味するバンド名の由来はストラングラーズの曲「Toiler on the Sea」と小説『かもめのジョナサン』。 ギターのウーはすぐにバンドを去り、ティーンエイジャーのポール・レイノルズ(英語版)が加入した。兄弟げんかのせいでマーク・エドモンドソンがごく短期間代役としてドラムスを叩いたこともあった。来るべきレコード会社からのオファーに備えて彼らは、日々マイクのヘアサロン2階でレッスンしてはクラブでの演奏に繰り出した。 1981年5月、バンドはBBCラジオ1で翌週のジョン・ピールの番組向けにセッションをレコーディングした。そしてミドルセックスにあったCheckmount Limitedのマネジメントの下ジャイヴ・レコードからシングルをリリースすることも決定した。ファーストシングル「(It's Not Me) Talking(英語版)」と、セカンド「Telecommunication(英語版)」はいずれもビル・ネルソンがプロデュースし、「Telecommunication」はクラブチャートでヒットを記録した。サードリリースはEPの「Modern Love is Automatic」で、7インチと12インチそれぞれ複数のバージョンが存在した。12インチはすぐに「Telecommunication」とのダブルA面バージョンもリイシュー(英語版)され、これがアメリカ初進出のレコードとなった。 商業的なピークとなった1982年、元ゴングのマイク・ハウレットがプロデュースした4thシングル「I Ran (So Far Away)(英語版)」は、オーストラリアで1位、アメリカとニュージーランドでトップ10を記録する大ヒットとなった。続くシングル「Space Age Love Song(英語版)」もヒットし、両曲を収録したファーストアルバム「 テレコミュニケイション(英語版) 」はアメリカとニュージーランドでゴールドディスク、カナダでプラチナディスクを獲得した。第25回(英語版)(1983年)のグラミー賞ではアルバム収録曲「D.N.A.(英語版)」が最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を獲得した。セカンドアルバム「リッスン(英語版)」から先行リリースされたシングル「Wishing (If I Had a Photograph of You)(英語版)」は母国イギリスで初のトップ10ヒットとなった。 メモリアルデーの週末1983年5月28日、フロック・オブ・シーガルズはザ・クラッシュ、メン・アット・ワーク、ストレイ・キャッツらとUSフェスティバルに参加した。同年「リッスン」からはデビューシングル「(It's Not Me) Talking」の再録バージョンを含む3曲のシングルがリリースされたがマイナーヒットに終わった。がっかりした彼らは異星人侵略などのSF的なテーマから方向転換し、より現実味があり人間的な感情に訴える作品としてサードアルバム「The Story of a Young Heart(英語版)」を完成させた。しかしシングル「The More You Live, the More You Love(英語版)」のパワープレイも功を奏さず、アルバムのセールスは多くの国で前作より落ち込む結果となった。また続く2枚のシングル「Never Again (The Dancer)」と「Remember David」はチャート入りさえ果たせなかった。セールス低迷に喘ぎながらもツアーを続けるさ中、レイノルズが脱退し元クラシックス・ヌヴォー(英語版)のゲイリー・ステッドマンに交代した。サウンドのテコ入れとしてキーボードのクリス・クリサフィスも加入した。両名とも4thアルバム「ドリーム・カム・トゥルー(英語版)」のレコーディングを待たずして、事前のツアーが終わるとバンドを去ってしまった。アルバムはイギリスでは1985年、アメリカや日本など他国では1986年にリリースされたが、低迷に拍車が掛かりチャート・ランク圏外となってしまう。この結果バンドは実質的な解散状態に陥ってしまった。
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