16ビットパソコン・黎明期とMS-DOSへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 01:18 UTC 版)
「パーソナルコンピュータ史」の記事における「16ビットパソコン・黎明期とMS-DOSへの移行」の解説
1978年に科学技術計算および計測制御用途として16ビットパソコンC-15がパナファコムから発売された。1981年、業界初の16ビット業務用パソコンをうたうMULTI16(OSはCP/M-86)が三菱電機より発表されるが、コンシューマ向けに意図されたものではなく、一般にはほとんど普及することはなかった(製品としての寿命は長かった)。 この頃からパーソナル・コンピュータは「パソコン」と呼ばれるようになった。「オフコン」は、2000年代以降はあまり見聞きしなくなったが、「パソコン」はポピュラーな代名詞となり、今日も使用され続けている。 1982年には16ビットCPUを採用して長くベストセラーとなったPC-9800シリーズが登場した。PC-9800シリーズはBASIC言語レベルにて従来の8ビット機と互換を持たせる方法を採った。その他の(主にビジネス向けの)国産機も16ビット化が始まっていた。既存の8ビット機でも16ビットCPU搭載の拡張カードを発売した機種もあった。 ここで、IBM PCが採用したPC DOSのOEM版であるMS-DOSと、8ビット時代からのOSであるCP/M-86のどちらを採用するかといった問題が起こった。後者を選択したメーカーも三菱電機、富士通など複数社が存在したが、1983年にIBM PC/XTでPC DOS 2.0が採用されその日本語OEM版であるMS-DOS 2.0日本語版が登場するとほどなく市場を制した。その後はMS-DOSを採用したPC-9800シリーズの独走態勢となった。 8ビットパソコンと違って黎明期の16ビットパソコンはその対象となる市場が法人中心であり、かつ高価だったこともあってPC-9800シリーズも含めて家庭用としてはまだ普及せず、雑誌でのBASICなどの投稿プログラムも少なく、市販されたソフトウェアもゲームよりもビジネス向けソフトやユーティリティが中心であった。また、システム販売用途としてカスタマイズされたソフトウェアが組み込まれてシステムとして発売されるケースがほとんどであった。 各社の主な16ビットパソコン(企業用および家庭用。後に32ビット化したシリーズを含む)は以下の通り。 PC-9800シリーズ、N5200 (NEC) EPSON PCシリーズ(エプソンのPC-9801互換機) マルチステーション5550、IBM JX、PS/55(日本IBMのアジア太平洋地域向け仕様) AX(AX協議会各社) FM-11(EX,BS)、FM-16β、FACOM 9450、FMRシリーズ(富士通) J-3100、ダイナブック(東芝)詳細は「パーソナルコンピュータ製品一覧」および「PC/AT互換機#日本における普及」を参照
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