食餌と摂食
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 09:01 UTC 版)
「ヨーロッパシジュウカラ」の記事における「食餌と摂食」の解説
ヨーロッパシジュウカラは夏だと主に昆虫食であり、葉などを啄んで捕獲する昆虫やクモ類を食べる。具体的な獲物としては、ゴキブリ、バッタやコオロギ、アミメカゲロウ目、ハサミムシ、カメムシ目、アリ、ハエ目、トビケラ、カブトムシ、シリアゲムシ目、ザトウムシ、ミツバチやカリバチ、カタツムリ、ワラジムシ亜目などである。繁殖期に、シジュウカラはたんぱく質豊富な毛虫を優先して幼鳥に与える。2007年に発表された研究では、ヨーロッパシジュウカラがリンゴ果樹園の毛虫被害を50%ほど減らすのに役立つことが判明した。また雛鳥は、恐らく栄養上の理由から、発育初期にクモを沢山与えられる時期を迎える。昆虫の獲物が希少となる秋冬に、ヨーロッパシジュウカラは各種ベリーと種子を食餌に追加する。種子や果物は通常、ブナ属やハシバミ属の種子のように落葉樹や低木から採れるものである。採れる場所があれば、彼らは簡単に鳥の餌台から食べ残しのピーナッツやヒマワリの種を取る。特に厳冬期は、ヒマワリの種で体重の44%を消費する場合がある。特にブナ属の実が多く成った年だと、しばしば彼らは地面で食餌する。ヨーロッパシジュウカラは、他のシジュウカラ科と一緒に、冬の混群に参加する。 大きな種子や獲物などの大きな食べ物は「鷲掴み」で扱われ、この場合に食物は片方または両方の足で保持され、食べる準備ができるまでクチバシで叩かれる。この方法を使うと、ヨーロッパシジュウカラは約20分で(殻をこじ開けて)ヘーゼルナッツに辿り着く。幼鳥に餌を与える時、成鳥は大型昆虫の頭を砕いて摂食しやすくしたり、毛虫から腸を取り除いてその腸内にあるタンニンが雛鳥の成長を妨げないようにする。 ヨーロッパシジュウカラは、食餌の多様性とかなりの知性を組み合わせて洞察学習で問題を解決する能力を(つまり試行錯誤ではなく洞察を通じて問題解決する能力を)兼ね備えている。イギリスで、ヨーロッパシジュウカラは家の玄関先に届けられた牛乳瓶の蓋を壊して一番上のクリームを入手することを学んだ。 この行動は1921年に初めて注目され、次の20年で急速に広がった。2009年に、ヨーロッパシジュウカラが塒にいるアブラコウモリ属を殺して脳を食べることが報告された。鳴禽類がコウモリを捕食する記録はこれが最初である。シジュウカラ科は、食べ物が不足気味な冬季にのみこの行動をする。また、木の穴から幼虫を取り出すために針葉樹の枝葉をクチバシに咥えるなど、道具の使用が記録されている。
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