食用及び人への害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 23:19 UTC 版)
窒素固定能を持たないため主食糧とはならないが栄養補助食材としての応用研究は70年代に人民中国で幼児のビタミンA補助を目的として盛んに行われた。下記の米国農商務省の栄養成分表は現在は削除されている。同省データベースにはその研究論文が多く見られる。結局人体内で代謝されビタミンAとなることは否定された。 米国FDA及び国立医薬品食品衛生所は、「ヒトへの安全性について十分なデータが見当たらない」としている。下痢や鼓腸、胃のむかつき、浮腫などが起こることがある。妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がないため摂取は避けたほうがよい。スピルリナ類は細菌や重金属 (水銀、カドミウム、鉛、ヒ素)、および放射性の2価または3価のイオンを他の藻類より多く含むことがある。またミクロシスチンを含むものは肝毒性があり過剰摂取は危険である。 スピルリナ含有製品の健康被害として光過敏症や細胞壁炎症を起こす報告が多数存在する。スピルリナを含むサプリメントに対して重篤なアレルギー症状例がフランス食品環境労働衛生安全庁から報告され厚生労働省は注意文書として警告を出している。実際の国内症例報告として日本臨床神経学会誌に「スピルリナ(サプリメント含有成分)の摂取後に発症した広範な皮膚症状をともなった炎症性筋疾患」など複数例が報告されている。また大規模栽培では用いている水質も大きく影響する。生産に用いる大量の河川水をイオン交換樹脂などで脱金属塩除去することは難しい。水俣の水銀中毒も食物連鎖による金属塩の生体濃縮が原因であったたことから長期での観察が必要と思われる。
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