順送り
親捨ての伝説 息子が、老親をモッコ(=背負い梯子)に乗せて、山の洞窟へ捨てに行く。息子がモッコを捨てて帰ろうとするので、老親は「この次、お前が来る時に(=年老いて捨てられる時に)、モッコがいるだろう」と言う。息子は深く反省し、老親をまたモッコに乗せて、家に連れ戻る。それ以来、老親を捨てる風習がなくなったという(千葉県長生郡一宮町高藤山)。
『ジャータカ』第446話 男が妻にそそのかされて、年老いた父親を墓場へ連れて行き、穴を掘って埋めようとする。すると7歳の息子がもう1つ穴を掘り始め、「お父さんが年を取ったら、この穴に埋める」と言う。男は自らの非を悔い、老父を家へ連れ帰る。この賢い7歳の息子は、ボーディサッタ(=釈迦)の前世であった。
『としよりのお祖父さんと孫』(グリム)KHM78 身体の弱った老父が、食事の時に、せとものの皿を落として割った。息子夫婦は老父を厭い、安い木皿を買って、老父の食器とする。そのありさまを見ていた4歳の孫が、床(ゆか)の上の木切れを集めて木鉢を作る。孫は「大きくなったら、この木鉢で、お父さん・お母さんに食べさせてあげる」と言う。夫婦は悔い改め、老父を大事にするようになった。
★2.老親を死に追いやった男が、「やがて自分も、娘によって殺されるのではないか」と心配する。
『ブレッシントン計画』(エリン) ブレッシントン氏が創立した老齢学協会は、不要な老人をあの世へ送る事業を行なっていた。47歳のトリードウェル氏は、同居する72歳の義父のことを協会に依頼し、協会は義父を、魚釣り中に溺死させた。その後トリードウェル氏は、「将来、自分も娘夫婦から『不要な老人』と見なされるのではないか」と不安を抱く。協会の係員は「娘さん夫婦を信頼なさることです」と、アドバイスを与える。「信頼の心は、本当の終わりが来るまで、十分な慰藉となりますから」。
『イヴの総て』(マンキーウィッツ) 田舎娘イヴは、憧れの大女優マーゴに会い、嘘の身上話をして気に入られ、付き人になる。イヴは若き日のマーゴと同じく、すぐれた演劇的才能の持ち主であり、たくみに立ち回ってマーゴを追い落とし、主役の座に着く。付き人となってからわずか8ヵ月後に、イヴは演劇界最高の賞を得る。授賞式の夜、イヴがアパートに帰ると、かつての彼女のように、大女優を憧れの眼で見つめる美しい少女が、訪ねて来ていた。
★4.組織のトップの座が空くと、下の者が一段ずつ順々に昇進して行く。
『失踪の果て』(松本清張) 地質学講座の白木講師は、はやく助教授になりたかった。しかし平田助教授がいる限り、それは不可能だ。どうすればよいか考えた末に、白木は、講座主任の渡部教授を殺す。その結果、平田が教授に昇進して助教授のポストが空き、白木は念願の助教授になることができた。渡部教授殺人事件を捜査する藤村警部補は、自分も類似の経緯で警部になった(警視が退職したため、下の者が1段階ずつ昇格した)ことから、白木の犯行を察知した。
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