電話の回線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 11:12 UTC 版)
詳細は「電話回線」を参照 19世紀、電話の歴史の初期には、2台の電話機だけを用いてその間を2本~4本の銅線で繋ぎ、それを繋いだままにしておき、常に2台の電話機の間だけで通話を行う素朴な電話がしばしば用いられた。現代でも特殊な場所ではそのような、電話機がわずか2台だけで その間を一筋の被覆電線で結び、他の電話機とは一切通話できないような、素朴な電話が設置されることもある。 電話の歴史の初期の状況として、たとえばある田舎の町に電話機を設置した家が数十軒ほどあり、その中の任意の2台の電話機の間で通話を行う、という場合を想定してみる。このような場合、全ての電話機同士の間に電線を張るのではなく、ハブとなる場所(つまり「電話局」と呼ばれるような場所)を1か所作り、その電話局と各電話機を繋ぐ電線は敷設しておき、電話局の中で、通話する電話機2台から伸びてきている電線と電線を接続する、という方式にすれば、電線の長さの合計(総延長)が短くて済む、ということになる。19世紀末や20世紀前半は、電線の相互接続の切り替えは主として人間が人手で行っていた。電話の電線を相互に接続したり、接続を切り替えてやる業務を「交換業務」と言い、それを行う人を「交換手」や「電話交換手」と言った。そして「電話局」にはswitchboard(交換台)、電気技術的に見るとパッチパネルを用意し、それを用いて電話同士を電気的に接続してやる方式が、すばやく相互接続してやることができ接続を切り替えるのも簡単で、広く採用された。たとえば「20番さん」が「35番さんとの間で通話をしたい」と交換手に言ってきた場合、交換手は1本のケーブルを用意しその両端の端子を、パッチパネル上で「20番」と書かれている穴および「35番」と書かれている穴に差し込んでやればよいわけである。 その後、通話先を音声で交換手に伝えるのではなく電話機のパルス発信で機械的に伝える方式が開発され、手作業でやっていた相互接続や繋ぎ換えの作業を自動で行う機械も作られ(電話交換機)、徐々に広がっていった。 @media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important} 1900年ころのパリの電話局。壁に大きなパッチパネルがある。多人数の交換手が交換業務を行っている。交換手は通話を望んでいる電話機2台に対応する穴を2つ見つけて、そこに1本のケーブルの両端の端子を差し込み、電気的に相互接続してやる作業を行う。 1897年~1899年ころのモントリオール。 1942年、ロンドン。 小型の交換台 オフィスビル内の交換台と交換手(米国、1975年)。ひとつの建物の中に数十台程度電話機が設置されていて、外線からの着信を内線電話へ繋いだり、内線から外部への発信を行うには、これくらいの大きさのスイッチボードが使われた。 自動交換機(1945年、ロンドン) 現代のデジタル交換機(1999年) 現代では、通常電話のシステムは電話機1機対電話機1機とはなっておらず、通話を行う時にだけ電話交換機で複数の電話機をつなぐ回線を確保する方式(回線交換)がとられる、という説明になるわけである。 現代の電話回線は自動交換機で世界的に相互接続され巨大な電話網を形成している。固定電話、携帯電話、衛星電話、IP電話など多種多様な電話の相互接続や、無線呼び出しへの発信も可能になっている。人間の音声での通話のためだけでなく、1990年代にインターネットへのダイヤルアップ接続などのコンピュータ・ネットワークにも利用されるようになった。
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