電子メールとネットニュース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:22 UTC 版)
「インターネットの歴史」の記事における「電子メールとネットニュース」の解説
詳細は「電子メール」、「Simple Mail Transfer Protocol」、および「ネットニュース」を参照 電子メールはよくインターネットのキラーアプリだと言われてきた。しかし、インターネット以前から電子メールはあり、インターネット誕生にあたっても電子メールは不可欠の存在だった。電子メールは1965年、メインフレームのタイムシェアリングシステムで複数の利用者間のコミュニケーションに使われ始めた。そのころの歴史は不明瞭だが、そのころ電子メール機能を備えていたシステムとしてSDCのQ32やMITのCTSSがある。 ARPANETは電子メールの進化に大きく貢献した。あるレポートによれば、ARPANETの誕生直後にシステム間の電子メール転送の実験が行われたという。1971年、レイ・トムリンソンは後にインターネットのメールアドレスの形式となるフォーマット、すなわちアットマークでユーザ名とホスト名を分ける形式を生み出した。 電子メールの配送に関しては、インターネット以前からタイムシェアリングシステムのコンピュータ間で使うプロトコルがいくつか開発された。例えば、UUCPやIBMのVNET電子メールシステムがある。電子メールの転送はそういった方法で、ARPANET、Bitnet、NSFNETといったネットワーク間で転送され、UUCPで相互接続されたホスト間でも同様に転送されていた。 さらにUUCPは文書ファイルを多くの人に読んでもらうよう公開するのにも使われた。1979年、トム・トラスコット(英語版)とジム・エリス(英語版)がシェルスクリプトで書いたネットニュースのプログラムをトム・トラスコットとスティーブ・ダニエルがコンパイルして使用する普通のプログラムに書き換え、それが広く使われることになる。そこにニュースグループと呼ばれる議論グループが生まれ、様々な主題が議論されるようになった。ARPANETとNSFNETでは同様の議論グループはメーリングリストを使う形で誕生し、技術的問題やより文化的な話題が扱われた(サイエンス・フィクションのメーリングリスト sflovers など)。 インターネット黎明期、電子メールと類似の機構はオンライン接続できない人々がリソースにアクセスするのに必須だった。UUCPはファイルの配布にもよく使われ、alt.binary などのニュースグループがその用途に使われていた。また、アメリカやヨーロッパ以外の人々がファイルをダウンロードするために、FTPメールが使われた。これは既知のゲートウェイに対してFTPコマンド列を記した電子メールを送ってFTPの実行を代行してもらい、ダウンロードしたファイルを符号化・断片化して電子メールで送り返してもらうサービスである。受け取った後は、メールの内容を繋ぎ合わせ、デコードする必要がある。初期のLinuxのソースコードなどは、低速なインターネット接続しかない場合、この方法でダウンロードするしかなかった。WebとHTTPが一般化するにつれて、そのようなツールは徐々に使われなくなっていった。
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