商用利用の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:22 UTC 版)
「インターネットの歴史」の記事における「商用利用の開始」の解説
インターネットの商用利用への関心は、熱く討論される話題となってきた。商用利用は禁止されていたが、「商用利用」の明確な定義はなかった。UUCPNet と X.25 IPSS にはそのような制限はなく、ARPANETおよびNSFNETでのネットニュースの使用が公式には禁止されるという結果を招いた。ただし、管理者が目をつぶったため、一部のUUCPリンクが存続した。 1980年代末、最初のインターネットサービスプロバイダ (ISP) が創業。PSINet、UUNET、Netcom、Portal Software といった企業が出現し、地域の研究ネットワークへのサービスや代替ネットワーク接続手段を提供し、一般へのUUCPによる電子メールとネットニュースの接続手段を提供した。アメリカ合衆国での最初の商用ダイヤルアップISPは The World で、1989年に運用開始した。 1992年、米連邦議会が Scientific and Advanced-Technology Act(科学および先端技術法案、合衆国法典第42編第1862(g)条 42 U.S.C. § 1862(g))を可決した。それによってNSFは研究教育コミュニティが研究教育目的専用でないコンピュータネットワークに接続することを支援可能となり、そのためNSFNETを商用ネットワーク群と相互接続することが許可された。商用利用を許すとインターネットに必要とされる応能が失われるのではないかという懸念があり、研究教育コミュニティ内で論争が起きた。また、商用ネットワークプロバイダの間でも、政府補助金が一部組織に有利になるような不公平な配分をされるのではないかという疑念が生じた。 1990年、ARPANETは新しいネットワーク技術に置換され、プロジェクトは終了した。PSINet、Alternet、CERFNet、ANS CO+RE など多数の新たなネットワーク・サービス・プロバイダが商用利用者にネットワークへの接続を提供していた。NSFNETはもはやインターネットの唯一の基盤ではなくなっていた。Commercial Internet eXchange (CIX) と Metropolitan Area Exchange (MAE)、さらに後には Network Access Point (NAP) がネットワーク間の主要な相互接続ポイントとなった。1995年4月30日、NSFがNSFNETのバックボーンサービスの後援を終了した時点で、最後の商用利用制限が撤廃された。NSFはNAPの立ち上げを支援し、地域の研究教育コミュニティが商用ISPに乗り換えるのをしばらくの間支援した。NSFはまた vBNS(英語版) (very high-speed Backbone Network Service) を後援しており、スーパーコンピュータセンター群とアメリカ国内の研究教育機関の相互接続支援を継続した。 もう1つの重要な出来事として1994年1月11日にUCLAの Royce Hall で開催された The Superhighway Summit がある。これは「この分野の企業・政府・学界の主要なリーダーが一堂に会した初の公式な会議であり、情報スーパーハイウェイ構想とその意味について国家的議論を開始した」ものである。
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