電動マルチコプターの飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 23:27 UTC 版)
無人機 3つ以上のローターを備えた回転翼機のことをマルチコプターと言う。小型の電動のマルチコプターが2000年代、特に2010年代以降に急激に普及し、空中撮影などにさかんに活用されている(マルチコプターが普及していなかった時代(つまり2010年ころまでは)、空中撮影には軽飛行機やヘリコプターやモーターパラグライダーが使われたが、最近ではそれらを超えて、まるで「主力」のように使われている)。 有人電動マルチコプター 人を乗せて飛行させるマルチコプターも、2011年ころから実験機やプロトタイプなどとして開発が行われ、パイロット無しで、行き先を告げたり設定するだけで自立的に目的地まで飛行する、いわば「自動操縦の空中タクシー」のようなマルチコプターを2017年に導入する計画をUAEのドバイが発表したり、また2018年には大手航空機メーカーのボーイング社も最大積載量200kg超のマルチコプター機の開発に乗り出したり、中国で有人マルチコプターの製作や試験飛行に成功するなど、いくつもの国で開発が精力的に行われている。エアバス社も参入し、電動モーターで飛行するが、航空会社の強みを生かすために主翼をそなえたデザインを採用している。 アメリカのOpener BlackFly(英語版)はすでに実用的な乗り物として販売が行われている。機体の重さがわずか142 kgなので、アメリカでは免許不要で飛べ、価格も日本円でわずか数百万円相当なので、主に富裕層をターゲットに新しくて便利な乗り物として販売が行われ、2022年時点で大量生産および納品が行われている。 スウェーデンの会社Jetsonが開発した一人乗りの電動マルチコプターも2021年時点ですでに、普通に、販売が行われている。日本は有人電動マルチコプターの開発に関しては少し後手にまわったが、愛知県豊田市で設立されたSkyDriveが2020年8月電動マルチコプターの実験機SD-03の有人実験飛行に成功した。 中国では早い段階から自動操縦機能を搭載したものが開発され、2022年時点ですでに実用化しており一般の人々を乗客にした遊覧飛行(実験ではなく、本当の運行)が行われている。 これらの機体が実際に飛行する様子はYoutubeに、各メーカーが公式動画をいくつもアップロードしている(Youtubeだと、複数のメーカーの機体の飛行が1本の動画にまとめてあるものもある)。各社の公式ページに自社の機体の飛行の動画が掲載されていることも多い(こちらは自社の機体の飛行のみ)。 有人電動マルチコプターは2022年時点ではまだ一種の「乗り物革命」が始まったばかりの段階であり、機体全体のデザイン、プロペラの数、純ドローン方式にするか?飛行機寄りの有翼にするか?関して「典型的なパターン」や「正解のパターン」のようなものが全然定まっておらず、各社がそれぞれ独自のものを市場に供給しはじめた段階であり、(ちょうど自動車でも、登場してから何十年もの試行錯誤、市場の反応、企業間の競争と淘汰などを経て、設計・デザインのパターンが収れんしていったように)有人電動マルチコプターもこれから年月をかけてパターンが収れんしてゆくと見られている。 「空飛ぶクルマ」および「マルチコプター」も参照
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