鎮護国家思想と「国家仏教」説とは? わかりやすく解説

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鎮護国家思想と「国家仏教」説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 01:20 UTC 版)

鎮護国家」の記事における「鎮護国家思想と「国家仏教」説」の解説

近年では、「国家仏教 (こっかぶっきょう)」という表現使われることもある。これは“国家権力と結び、国家保護支配下におかれた仏教僧侶僧尼令規制を受ける国家公認官僧のみが認められ許可なく得度する僧(私度僧)は禁じられた。また、僧尼統括する僧綱という官職設けられた。官寺多く建てられ鎮護国家法会行った。”と解説されている。 しかし、実際のところ歴史学者仏教学者の間でも何をもって「国家仏教」と定義づけるのかについては統一した見解出されているわけではなく、また「国家仏教」という表現そのもの古代仏教実態反映しておらず不適当とする考え方もある。 まず、鎮護される国家によって官寺呼ばれる寺院建立維持が行われて国家皇室安泰を祈るための法会が行われたという事実は存在する。しかし、その政権仏教国家宗教化を意図した具体的な政策例は存在せず道教神道などの他の宗教主流弾圧受けた事実存在しないまた、僧尼令僧綱についても官寺以外に対してどこまで適用されたかについても議論がある。僧尼令僧綱官寺官僧厳格に統制していたのは事実であると考えられている。だが、僧尼令制定以前から私寺建立され続けており、このうち貴族豪族氏寺はともかく、々の住民信仰の中心として建てた小規模な寺まで実際に監督することが可能であったのかについては疑問残されている。実際日本僧尼令では僧尼私寺建立することは禁じたものの、その他の私寺に関して平安時代延暦年間太政官符において初め規制されたことなどは僧尼令僧綱対象僧尼であって仏教そのもの対象にした法令ではなかった事実反映である。更に正史などの記録や『日本現報善悪霊異記のような仏教説話には僧尼令規定とは違った僧尼の姿が描き出されている。更に私度僧についても課役忌避のための出家に対して処罰されたものの、修行実績がある私度僧には却って得度許して官僧取り込む措置すら取られている。 鎮護される国家において仏教保護され官寺建立されてその監督体制整備され国家皇室安泰祈願されていたのは事実であるが、室町幕府五山江戸幕府寺院諸法度比較しても、それを「国家仏教」とまで呼べるのかについては議論残されている。

※この「鎮護国家思想と「国家仏教」説」の解説は、「鎮護国家」の解説の一部です。
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