量子化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 17:39 UTC 版)
詳細は「量子化学」を参照 量子化学はその誕生を、シュレーディンガー方程式の発見とこれを水素原子に応用した1926年とする見方がある。一方、ヴァルター・ハイトラーとフリッツ・ロンドンによる1927年の論文を量子力学の第一歩とする見方もある。これは2原子の水素分子かつ化学結合へ量子力学を応用した初の事例となった。後年これを引き継いだエドワード・テラー、ロバート・マリケン、マックス・ボルン、ロバート・オッペンハイマー、ライナス・ポーリング、エーリヒ・ヒュッケル、ダグラス・ハートリー、ウラジミール・フォック、その他多数により研究は飛躍的に進んだ。 しかし、複雑な化学系へも応用して量子力学を一般化することについては懐疑的な見方も残っていた。1930年頃の状況をポール・ディラックは次のように記している。 物理学の主要部分と化学全体に適用する数学理論のために必要となる物理法則はすっかりわかっており、この先困難となるのはこれら法則を厳格に適用する結果、複雑すぎて解読できない方程式を作り出してしまうことだけだ。量子力学に適用する近似的実践的方法を開発すべきであり、それにより膨大な計算をせずに複雑な原子系の重要事項を説明できるようになるのが望ましい。1930年代と1940年代に開発された量子力学の方法は、化学や分光学に量子力学を応用したものの、化学的疑問への解答としては不十分という実態を裏書する理論分子・原子物理学として引き合いに出されている。 1940年代には物理学者の多く(オッペンハイマーやテラーなど)が分子・原子物理学から核物理学に転向した。1951年、ローターン方程式 に関するクレメンス・ローターン の画期的論文は、量子化学の分野でエポックとなった。これにより水素や窒素のような小さな分子用の自己無撞着場方程式という解決法への道が開けた。そのような計算は、当時最先端のコンピュータ上で計算した積分表の支援を得て実施された。
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