近年の確認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:33 UTC 版)
現在生存する130頭前後のニシコククジラの何割が、純粋なアジア系の生き残りか北米個体群由来なのかは不明である。韓国および中国では、国家指定の保護動物に指定されてきたが、少なくとも韓国での近年の同種の確認はない。中国国内の場合、2007年に、台湾海峡の平潭県での混獲記録が存在する。 日本はおろか、現代のアジアでは同種の確認は他の多くの大型種同様、非常に稀である。日本では近年になるまで保護対象となることもなく、積極的な保護対策は取られずにきた。結果、2000年代に東京湾に迷入した個体や親子を含む雌4頭が定置網で混獲され犠牲になった。90年代には 北海道寿都郡で密猟されたと思われる死体が発見された。市場から同種の肉が発見された事もある。 絶滅していたと思われていたが、アジア系では初の水中撮影が1993年に伊豆大島で行われた(およびロシア国内外での、一度の出現数では最多の3頭)。この時の撮影を行ったのは、望月昭伸(初のセミクジラの水中撮影も小笠原で成功した)や中村宏治、小笠原ホエールウォッチング協会会長を務めた森恭一らである。この時の撮影は、同種の採餌行動を鮮明に捉えたものでも世界初であった。伊勢湾・三河湾では80年代より3度生存個体が確認されており、数ヶ月にわたる定着行動も見られた(同地域は国内での商業捕鯨業の発祥地でもある)。また、2010年に伊良湖岬近くの田原市赤羽根町沖で確認された若年個体が2012年に湾内に定着していた事も証明され、アジア圏では初の定期的な回遊の記録となった。2009年に尾鷲沖で観察された幼鯨も同一の可能性がある。 日本海では、2014年に新潟県長岡市の沿岸で確認され、捕鯨時代以降、生存個体では日本初の記録である。 ホエールウォッチングも参照。
※この「近年の確認」の解説は、「コククジラ」の解説の一部です。
「近年の確認」を含む「コククジラ」の記事については、「コククジラ」の概要を参照ください。
- 近年の確認のページへのリンク