近代化・機器流用車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 07:28 UTC 版)
T4D-C、B4D-C - ハレ市電のT4Dの一部は、車体の改修に加えて制御装置の電機子チョッパ制御方式への変更が行われ、同じく車体の改修や乗降扉の交換を実施したB4Dと共に「T4D-C」「B4D-C」に形式が変更されている。改造は1991年から2005年まで3次に渡って行われたが、超低床電車の増備に伴い廃車が進み、一部車両はブルガリアのソフィア市電やロシア連邦のカリーニングラード市電へ譲渡された。 T4D-MS、T4D-MT、B4D-MS、TB4D - 1991年以降、長年ドレスデン市電で使用されていたT4D・B4Dに対して車体の整備や電機子チョッパ制御装置(一部のT4Dのみ)への更新が実施され、電気機器や種車の違いによって「T4D-MS」「T4D-MT」「B4D-MS」に形式が細分化された。更にT4Dの一部車両は運転台が簡易運転台となり、T4Dの後方に連結される電動車の「TB4D」に改造された。超低床電車の増備に伴い2010年に営業運転から撤退して以降も通学客輸送用や臨時列車用に一部車両が残存し、2020年現在はT4D-MTが13両、TB4Dが6両在籍する。 T4D-M、B4D-M、B4D-NF - ライプツィヒ市電に在籍していたT4D・B4Dについても、1990年代以降車体・座席の改修、方向幕の大型化、一部のT4Dに対して制御装置の電機子チョッパ制御方式の交換、運転台の空調装置設置など多岐に渡る近代化工事が施された。また、一部のB4D-Mについては中央部を低床構造に改造しバリアフリーに適合させたB4D-NFへの再改造が実施された。 「ライプツィヒ市電T4D-M形・B4D-M形電車」および「B4D-NF形電車」も参照 T4DM、T4DC、B4DM - マクデブルク市電に在籍していたT4D・B4Dについては1991年以降リンケ=ホフマンで車内の改装、前面方向幕の大型化などの近代化工事が施工され「T4DM」「B4DM」になった他、1995年に改造されたT4DについてはMGB社で電機子チョッパ制御方式への換装が行われ「T4DC」に形式が改められた。これらの更新を受けた車両は区別のため未更新車とは別の塗装へ変更された。 "Vinway"(T4UA) - ウクライナ・ヴィーンヌィツャ市電で使用されていたタトラカーの台車や一部機器を流用し、市電の工場で製造が行われた電車の総称。そのうち"T4UA"はT4SUの台車や機器を用いた単車(ボギー車)である。 "ブクル1"(Burur 1) - ルーマニアの首都・ブカレストを走るブカレスト市電向けに、同市電の中央車両修理工場(Uzinei de Reparații „Atelierele Centrale”、URAC)でタトラT4Rの機器を流用して製造された車両。2020年時点で以下の2種類が製造されている。V2S-T - ルーマニア革命を経た1990年代以降に進行した一部路線の改修および高規格化(ライトレール化)計画に合わせて2両(3001、3002)が試作された両運転台式の2車体連接車。ČKDタトラ製の電機子チョッパ制御に対応した制御装置、回生ブレーキに加え、安全性を向上させた車体を有していた他、前面形状は両車とも異なっていた。だが、輸送力不足や開発の遅れから高規格化した路線には導入されず、故障も頻発した事から2007年までに営業運転から離脱した。ただし両車とも2020年現在ブカレスト交通博物館に静態保存されている。 V2A-T - 2003年に製造された3003以降、タトラT4Rの機器を流用して製造された「ブクル1」は片運転台式のV2A-Tに切り替えられ、翌2004年に導入された3004は車体デザインが大きく変更され、流線型の前面と青1色の塗装を有する車両となった。更に2006年製の3005以降は車体の一部が低床構造に改められたが、2車体連接車はブカレスト市電において輸送力不足であり、2008年に製造された3011をもって「ブクル1」プロジェクトは終了した。V2S-Tとは異なり、2020年現在も全車が現役である。 T4D-C(ハレ) T4D-MT(ドレスデン) T4D-M(ライプツィヒ)3両目はNB4形 T4DM(マクデブルク)後方のB4Dは未更新車 V2S-T(3001、ブカレスト) V2S-T(3002、ブカレスト) V2A-T(ブカレスト)
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