近代の市比野とは? わかりやすく解説

近代の市比野

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 01:52 UTC 版)

樋脇町市比野」の記事における「近代の市比野」の解説

江戸時代には薩摩国薩摩郡脇郷(外城)のうちであった村高は「天保郷帳」では2,769石余、「三州治世要覧」では2,351石余、「旧高旧領取調帳」では2,560石余であった文禄年間行われた検地以後島津氏直轄領となっていたが、慶長18年1613年)に入来院重高領地となった万治2年1659年)には入来院から分離し再び薩摩藩直轄領となり、新たに画された清敷郷のうちとなった延宝9年1681年)に清敷郷は脇郷に改称した江戸時代になり平和となったことから人口増加し薩摩藩においても開田事業盛んに行われた市比野では寛文9年1669年)に市比野新田開拓始められ藤本から流れ木場川から導水した用水によって宇都和田三角に約100町歩田圃開拓された。 宝永年間1704年1711年)には薩摩藩島津光久によって市比野川城後川合流する付近に温泉浴場整備され温泉場として有名となった疝癪脚気に効くとされ、鹿児島方面からの湯治客が多かったとされる薩摩藩地誌である「三国名勝図会」には市比野温泉及び湯元瀑について以下のように記述されている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}市比野温泉 市比野にあり、往昔寛陽公當邑に過臨し田獵の日浴湯し玉へるとて、今に至り農民樵夫温泉の邊には跣足にして至り草鞋著ることを戒む近古までは、村里農民耕耨の労を治する爲に浴場せしが、漸々良湯の名廣まりて、頃年近邑あいふに及ばず、本府よりも來り入浴の徒多く或は百人近し温泉清澄にして、を煎して其味少しも變ぜす、然れども灰汁なりともいひ、亦明礬なりとも稱ず、能疝癪及び脚気等の諸病治すといへり、温泉の中、下之湯上之湯と號して、其間六十歩許相隔て二所にあり、下之湯は樋脇川の上流、市比野川の岸畔、巖石の際より出づ温泉一竅より湧出て、湯勢甚壮なり、又傍の巖隙よりも少しつゝ處々に沸出せり、川に臨んで、湯池三を設く、其一は四周石にて築く、此湯池は往昔より在り、其二は四周松板にて圍む、頃年是を製す、竹筧にて泉を取り、湯池に注ぐ、亦此外に湯瀑を設く、巖下に池を穿ち處々より出る泉を池に潴へ筧若干を置て泉を流し、瀑勢をなして、病人の痛處に瀉き打しむ、俗に所謂うたせなり、此川の左右は皆水田なり、温泉西一町許に湯の崖といへる山あり、此山下より田間川畔に至り、今客舎あり、又上之湯は、下之瀑の南に在り、其温泉田間出づ温泉さること二歩許にして、其低處に湯池一を設け此上之湯近邊客舎を搆ふ、浴客は大抵下之湯に於てす、若浴徒多くして雑沓する時は、上湯に來り浴せり、 湯元上之湯の東側にあり、上之湯より三十歩許東に當る、即ち市比野川の上なり、瀑高さ二歩許亦同し土人湯元瀑と號す、上之湯下之湯二泉の流は、皆此川に入る、 —三国名勝図会十一 市比野には郷士はほとんど居住しておらず、米や麦、粟、蕎麦甘藷ツバキ栽培されていた農村であった嘉永元年1848年)には市比野年貢徴収において使用されていた升の規格徴収の際には古い升が使用され支出される際には新しい升が使用されているという噂が市比野農民の間で広がった農民同志集まり上訴しようとしたところ、役所察知され4名が流罪となり種子島流された。明治4年7月14日廃藩置県が行われ薩摩藩廃止され鹿児島県属することとなった

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