資質への疑問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 01:00 UTC 版)
保守派やキリスト教原理主義者だけではなく、女性から票が取れる共和党の大統領、副大統領候補として注目されたペイリンだが、その資質には多くの疑問が呈されている。 2008年大統領選挙中の9月に行われたABCニュースのインタビューにおいて、「最近のロシア情勢」(南オセチア紛争など)に対する識見を問われているにもかかわらず「アラスカからはロシアが見える」と答えたり、ブッシュ・ドクトリンの内容を理解しておらず「彼の世界観の事ですか?」と答えるなど、政治家としての基礎的な教養に欠けた発言だけでなく、インタビュアーのチャールズ・ギブソンの質問を十分に把握せずにあやふやな答えを行った。インタビュー中的を射ない回答が続いたため、しまいにはギブソンが呆れ顔で応対する姿が全米で放映され、有権者に違和感を与えてしまった。 保守タカ派論客のグレン・ベックの番組内でベックと対談した際、「建国の父達の中で最も尊敬する人は誰ですか?」と質問され「建国の父達すべてを尊敬しています」と的はずれな回答を行った(アメリカ合衆国の建国者達はそれぞれ異なる国家観を持っているため、誰を尊敬するかでその人の国家観がはっきりと現れることになる)。これに強い不快感を持ったベックは思わずその場で「Bullcrap(フザけやがって)」とボヤき、保守派からも公然と呆れられる事態となった。 これらの件でマケインはペイリンを副大統領候補に選んだことを後悔しており、回顧録である「The Restless Wave」にも「代わりに、友人のジョー・リーバーマン元上院議員を選ぶべきだった」記している(ページ不詳)。当時リーバーマンは民主党員であったが、その中の最右翼の一人でもあり、この選挙では「友情」から共和党候補のマケインを支持していた。 このほか副大統領指名後、衣装・ヘアメイク代などおよそ15万ドルが選挙費用に計上されたことがわかっている。選挙中、共和党の会計記録には「選挙用の衣装代」の項が加えられた。 2010年11月24日、延坪島砲撃事件についてグレン・ベックの番組でペイリンは「当然、米国は同盟国である北朝鮮を支持すべきだ」と北朝鮮と大韓民国を取り違えてコメントした。失言に気付いたベックがすぐに訂正を促すと、ペイリンは「その通り。(米国は)同盟国の韓国と思慮ある絆で結ばれているのですから」と言い直した。 2011年1月8日にアリゾナ州ツーソンで起きたガブリエル・ギフォーズ下院議員らに対する銃撃事件(ツーソン銃撃事件)に関連して、2010年の下院議員中間選挙の際に「再装弾(reload)せよ!」とTwitterで発言したり、選挙戦対抗馬を表すターゲットマップとしてギフォーズを含む民主党候補を、ライフルの的でFacebookに表現していた事が、この事件に繋がったのではないかとして非難されている 事に対して、ビデオメッセージで自分に対する非難を反ユダヤ主義に関連した迷信を表す「血の中傷(w:blood libel)」という表現を使って反論した事で、ユダヤ人団体の反発を買うなど、さらなる物議を醸した(ギフォーズ議員はユダヤ系である)。 また、民主党候補をライフル照準器で狙った画像を掲載していた事については、彼女のスタッフが「測量スコープ」と弁明したが、彼女が全米ライフル協会の会員で、ヘラジカを狙撃するビデオを流したことがあるほどのガンマニアであること、また聴衆を煽る際に「再装填せよ!」など、銃に例えたフレーズを好んで使うことから、信用する者は少ないという。 ドナルド・トランプが当選する前はエネルギー長官志望であった。「私はエネルギー省についていろいろ考えている。エネルギーは自分の赤ん坊みたいなもの。原油やガスや鉱物は、我々が非友好的な外国に頼らなくて済むよう、神が人類に利用させるために地球のこの地域に放出したものだから」と語っておりこの頃からエネルギーについては重要視してることが伺える。
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