設備とサービス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 14:16 UTC 版)
各CIE図書館の開館時の蔵書数は約4,000冊、定期刊行物が約400種という規模で、最も大きな神戸CIE図書館が302坪であった。収容人員では、大阪と仙台が最大でともに246名、いっぽう最小は函館の72名である。冷暖房も備えられていた。熊本CIE図書館の館長を務めたグレース・イイジマによると、CIE図書館の科学・技術分野の蔵書は米国の一般的な公共図書館のそれよりも豊富であったという。 それぞれのCIE図書館にはアメリカ人のプロのライブラリアンが1人ずつ館長として置かれ、その業務を日本人職員が補佐する形を取った。館長として来日したライブラリアンのうち、判明している者は3分の2が女性であった。 CIE図書館では、戦前の日本の図書館ではなかった無料公開の開架方式を採用し、レファレンスサービス、図書館間相互貸借、児童サービスなどを実施、戦後日本における近代公共図書館のモデルとなった。そのほかにも、英会話教室、映画会、レコード・コンサート、講演会、読書会、討論会、スクウェアダンス、ペン・パルなど、CIE図書館で行われたサービスは多岐にわたる。 利用者は、米穀通帳や学生証を提示すれば貸出証を発行してもらえた。図書・雑誌のほかレコードや楽譜、パンフレット類も無料で貸出を行っていた。貸出期間は図書が2週間、雑誌が1週間(ただし最新号は1日)であった。 大阪CIE図書館の開設時にCIEが発表した談話では、従来の日本の公共図書館にはないCIE図書館の特徴として、入館手続き不要・入館料無料、本を自由に閲覧できる開架式、資料の検索や指導ができる職員が置かれていること、探しやすい充実したカード式図書目録、などが挙げられていた。 CIE図書館は22都市23館だけであったが、そのほかの地域にも分室を設置してサービスを展開し、公共図書館、大学図書館、学校、工場などへの団体貸出も行った。
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