言語と思考とは? わかりやすく解説

言語と思考

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 23:47 UTC 版)

思考」の記事における「言語と思考」の解説

思考とは言葉操作であり、これを指してプラトンは「思考」を自分自身との内的な対話」と呼んだ同様に藤沢令夫は、思考とは言葉ロゴス)を発する本人同時に発する言葉聞く行為が必ず付随するため、結果的に自己内で対話ディアロゴス)をしている状態になり、これが思考本質でありそのダイナミズム適切に表現していると論じた。ただし、現象学研究するエトムント・フッサールは、この対話とは通常のコミュニケーション比較すると「告知作用」に欠け、「意味作用」のみの働き分析している。 思考と言語が密接に関係するということは言葉曖昧なものだと、それが言語超越した直感でも無い限り思考内容である語義意図曖昧であることを意味するまた、サピア=ウォーフの仮説では、思考言語構造規定されるということ言語相対性仮説)が提案されている。これは、何らかの対象について思考する際、それぞれの人間使う言語が持つ個別概念影響を及ぼすというものである例えば本来区切りが無い虹について、ある言語で「虹は六色」、他では「七色」と分類されていると、それを使う人間思考では虹はそれぞれの数の色分けをして然るべきという認識課せられる思考言葉の関係そのものについても、それぞれの言語種類捉え方違いがある。日本語では両者分けられる傾向にあり、「声に出して思考する」という表現馴染まない。しかしドイツ語分離動詞「nachdenken」には「熟考する」という意味の他に、副詞と結びついて「laut nachdenken」では「熟考した結果公にする」という意味を持つ。日本語思考では頭(または心)の中だけの行動取られがちだがドイツ語では思考言葉を同じものとみなす傾向があり、細分する思考表現する前の言葉であり、言葉表現した思考となって両者本質的に同じものと捉えられている。 思考人間知能を知る上で重要な要素である。しかし、知能解明未だ不充分であり、その背景には本来密接に関連する思考と言語がばらばらに研究されてきた事があるこのような思考と言語の関係について、ギルバート・ライル異な観点提示している。多くある思考自分自身への語りかけであり言語またはシンボル形態を取るという意見反論しライル思考過程において言語使われてもそれは思考目標に向かう過程経由した単なる段階でしかなく、誰か聞かせる意図を持つものではないと論じ思考言語限らない多く伝達手段自己に対して実験的に投げかけているものだと主張した思考言語基礎行われるが、それだけではなくイメージなども関与するまた、感情動機づけなども影響与え複合的な過程である。

※この「言語と思考」の解説は、「思考」の解説の一部です。
「言語と思考」を含む「思考」の記事については、「思考」の概要を参照ください。

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