西郷の朝鮮使節派遣案とは? わかりやすく解説

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西郷の朝鮮使節派遣案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 08:03 UTC 版)

明治六年政変」の記事における「西郷の朝鮮使節派遣案」の解説

5月31日釜山設置されていた大日本公館代表広津弘信より、朝鮮政府日本人密貿易取り締まる布告の中で、日本対す無礼な字があったと報告した参議板垣退助居留民保護理由派兵しその上で使節派遣することを主張した西郷隆盛派兵反対し、自身大使として赴く主張した西郷意見には後藤象二郎江藤新平らが賛成した太政大臣三条実美丸腰では危険であり、兵を同行するきとしたが、西郷拒絶した。ただし決定清に出張中の副島帰国待ってら行うこととなった中国から帰国した副島西郷主張賛成はしたが西郷ではなく自らが赴く事を主張した7月23日木戸帰国した留守政府現状激怒し大久保同様政府への復帰ボイコットし政府打倒目指し裏面活動行っていた。また征韓論に対して木戸は「朝鮮我が交款を受けざる其無礼なる固り兵を挙げて伐つへし」としながらも、「力を養ふより先なるはなし」という意見書提出している。 7月末より西郷三条に遣使を強く要求したが、三条西郷が必ず殺害される見ていたためこれを許そうとはしなかった。西郷7月29日板垣宛書簡で、軍隊より先に使節出せば朝鮮から「暴挙」「暴殺」に出るから「討つべきの名」が立つ、だから自分使節になると主張し8月14日板垣宛書簡でも先に使節を出すやり方で「はめ込」めば「必ず戦うべき機会」になる、だから西郷死なせては可哀そうなどと思わないほしいと述べ8月17日板垣宛書簡でも「朝鮮使者を暴殺するに違いないから、そうなれば天下の人は朝鮮を『討つべきの罪』を知ることができ、いよいよ戦い持ち込むことができる」と述べたように、自らが殺害されることも織り込み済みであった西郷が遣使を強硬に主張した理由について、西郷自身は「内乱冀う心を外に移して、国を起こす遠略」と述べている。参議大隈重信政治的に手詰まりになり、旧主久光からも叱責されたことで失望落胆していた西郷が、征韓論盛り上がり見て朝鮮宮廷殺害されることを最後花道として望んだ自殺願望ではないか推測している。この頃西郷中性脂肪コレステロール増加による脂質異常症悪化し明治天皇派遣した医師テオドール・ホフマン指示下剤服用していた。しかしこれは西郷心身衰弱させ、外出閣議出席控えるような状態となり、西郷自身不治の病ではないか考えていた。 一方で高島鞆之助が「西郷殺してまで朝鮮カタをつけなければならぬことはない」と回想したように朝鮮問題そこまで大きな問題考えられていたわけではなく朝鮮戦争になれば宗主国清との戦争になる危険もあったが、西郷はこれに対して何ら発言残していない。また副島対応していた宮古島島民遭難事件樺太出兵問題など並行して起こっていた情勢であった。さらに大物である西郷を失うことになる遣使に反対する声は、西郷に近い薩摩派中にすらあった。 8月16日西郷三条の元を訪れ岩倉帰国前に遣使だけは承認するべきと強く要請したこのため8月17日閣議西郷の遣使は決定されたが、詳細について決まっていなかった。三条箱根静養中の明治天皇の元を訪れ決定奏上したが、「岩倉帰国待ってから熟議するべき」という回答が下された明治天皇当時20歳そこそこであり、内藤一成三条意見なぞったものに過ぎない見ている。

※この「西郷の朝鮮使節派遣案」の解説は、「明治六年政変」の解説の一部です。
「西郷の朝鮮使節派遣案」を含む「明治六年政変」の記事については、「明治六年政変」の概要を参照ください。

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